清 竜人25、フィロソフィーのダンス
、Faint⋆Starが共演 『TSC Fes vol
.2』で見せた三者三様のGOOD MUSIC

昨年行われた第一弾は、あゆみくりかまきDJダイノジ夢みるアドレセンスの豪華ゲストを迎えて開催され大盛況に終了。第二弾の開催となる今回は、清 竜人25、フィロソフィーのダンス、そして当イベントのホストを務めるFaint⋆Starと「GOOD MUSIC」を地で行く高い音楽性で評価される3グループが一堂に会した。

その舞台となった渋谷WWWには続々と人が詰めかけ、オープン前にも関わらず長蛇の列で、このイベントに対する期待値を如実に表していた。それぞれ全く異なるファン層を持つグループの共演だけあって、集まったオーディエンスも老若男女入り乱れ、様々な顔ぶれなのも面白い。そして開演を待たずして満員になった会場ではBGMとして流れるPOSTAL SERVICEと共に熱量が徐々に上がっていく。開演時間になり照明が暗転、「TSC Fes vol.2」の幕が上がる。

トップバッターを務めたのは「Funky But Chic」をキーワードに掲げる4人組アイドルグループ・フィロソフィーのダンス、キュートな4人の登場にフロアから早くも歓声が上がる。しかし彼女達のアイドルという肩書きに騙される事なかれ、楽曲の生み出す強烈なグルーヴとソウルフルなヴォ―カル、そしてそれを押し上げるオマージュに溢れたダイナミックなダンスで、一曲目の「アイム・アフター・タイム」からいきなり度肝を抜かれる。我々に驚く暇も与えまいとパフォーマンスの強度をグイグイと上げていく彼女達。2曲目「コモンセンス・バスターズ」でもアイドルの枠を超えたファンキーなサウンドとダイナミックなパフォーマンスでフロアに心地いい波を起こしていく。オーディエンスもその波に身を委ね、自然と身体を揺らし始める。続く「好感度あげたい」ではコールも起き始め、フロアのボルテージは早くも最高潮だ。



自己紹介と告知だけの短いMCを挟み早々と次の曲へ、ここから更にパフォーマンスの回転数が上がる。立て続けに披露された「アイドル・フィロソフィー」「VIVA 運命」はメインヴォーカルを務める日向ハルと奥津マリリの伸びやかなヴォーカルに心奪われるナンバー、パワフルな2人の歌声がフロアの熱量を上へ上へと牽引していく。6曲目はマイケル・ジャクソン「Thriller」を彷彿とさせるダンスが印象的な「ライク・ア・ゾンビ」、先程までのファンキーなイメージから一転クールに決める彼女達、こういう引き出しがあるのもニクイ。そしてラストに披露されたのはギターのカッティングが気持ちいいナンバー「すききらいアンチノミー」とLIVEでの人気の楽曲を連発、途切れる事のないグルーヴで最後までフロアを揺らし続けた。

アイドルらしい可愛さとアイドルらしからぬファンクネスを武器にトップバッターを最高速度で走り切ったフィロソフィーのダンス。来年同じくしてこの場所渋谷WWWで開催されるというワンマンLIVE、今夜彼女達はその未来予想図の一片を確かな決意で描いてみせた。



そして2組目に登場したのは当イベントのホストを務めるガールポップデュオ・Faint⋆Star。空間系のデジタルサウンドが鳴り響く中、ステージへ颯爽と姿を現した2人はスタンドマイクが立つそれぞれの位置へ、そしてそのまま1曲目の「メナイ」へと繋がっていく。エッジの強いEDMサウンドと重厚感のあるキック音、乱れ飛ぶレーザーライトが会場をソリッドな空間に塗り替えていく。

続く「Ms.Question」でもその勢いは止まらない、幾何学的な2人の高速ヴォ―ギングは高密度のデジタルサウンドで更にビルドアップされ、フロアのオーディエンスを圧倒。会場は一瞬でFaint⋆Starに支配された。バキバキのレーザーライトを味方に攻めのEDMナンバーを2曲披露した所で、Faint⋆Starのお家芸である(おそらくこれを楽しみに来ている人もいるであろう)漫才のフォーマットを取り入れたMCがここで投入。HINAの振り切り過ぎた天然ボケにYURIAがツッコみ切れず振り回される様は観ていて痛快そのもの。今夜も繰り出されたガチガチの鉄板漫才はオーディエンスの笑いを大いに誘った。



笑いの熱気も覚めやらぬまま続いて披露されたのは本日初解禁となった新曲「真冬のTropical Night」だ。ムーディーな歌詞が映えるメロウなディスコサウンドでフロアの空気は一気にCLUBモードへ突入、続くこちらも新曲のアーバンポップ「Wonder Trip」のミニマルなエレクトロで会場を夜の旅へと誘っていく2人。フロアをアーバンに染め上げたFaint⋆Starが続いて披露したのが冬限定で歌唱される屈指のバラードナンバー「white」、深々と降り積もる淡雪のような優しくも切ないメロディーに思わず涙腺が緩む。果たして今歌っているのは先ほど漫才をしていた2人と同一人物なのか、そんな疑問も思わず頭をよぎるが、天井から釣られたレーザーライトの光がまるでピラミッドの様に二人を包み込む姿は、もはや神々しさも感じられた。

フロアが感傷に浸る中2度目のMCがインサート。ここで彼女達から約1年ぶりのニューシングル『Wonder Trip/真冬のTropical Night』のリリース決定と、自身2度目となるワンマンライブの開催が発表された。ニューシングルを引っ提げて開催される2ndワンマンLIVEでは彼女達の更に進化した姿が観られる事は間違いないだろう。

重大発表に会場が湧く最中、Faint⋆Starは最後の2曲を披露していく。6曲目に披露したのはLIVEではお馴染みとなっているナンバー「Hoozuki」、YURIAの「一緒にクラップしてください!」の掛け声と共に会場に気持ちいいクラップが巻き起こる。そして彼女達のラストナンバーを飾ったのが多幸感溢れるホーンアレンジに思わず体がスウィングしてしまうディスコンナンバー『Tip Tap』。サビの「Ti Ti Ti Tap」のフレーズと共に弾けるチャーミングなフリと彼女達の笑顔がオーディエンスにも伝播し、フロアには沢山の笑顔が溢れた。



 EDMからディスコまで幅広いレンジのクラブミュージックをヴォ―ギングという高度なパフォーマンと共に提示し続けるFaint⋆Star、2017年も進化し続ける彼女達を注目したい。

そして「TSC Fes vol.2」もいよいよ終盤、満を持して登場したのがこのイベントのトリを務める清 竜人25だ。一夫多妻制という規格外な設定で既存のアイドルの概念をブレイクスルーし続ける風雲児の登場にオーディエンスの期待も最高潮に。
ステージが暗転し続々と夫人達がステージ上に現れる。そして最後に姿を現した清 竜人にスポットライトが当った。5人の夫人をまとめあげる男の立ち姿、男でも惚れてしまいそうな渋い佇まいだ。そしてLIVEが始まる。



1曲目に披露されたのは「ラブ♡ボクシング」、曲タイトルの如くボクシングのストレートを模したダンスで振り抜かれるパンチの一撃一撃がオーディエンスの心を次々打ち抜いていく。続く2曲目に披露したのは「A・B・Cじゃグッと来ない!!」、清 竜人が婦人たちの騎馬に乗るという斬新な振り付けでお馴染みのこのナンバーでフロアからは次々と歓声が上がった。

自己紹介を含むMCでクールダウンを挟むと「やっぱりWifeがNo.1♪」「プリ〜ズ…マイ…ダ〜リン♡」とポップでキュートな楽曲を続けて披露、清 竜人と夫人がくっついたりたり離れたりするパフォーマンスから滲み出るこの夫婦のラブラブっぷり、なんと羨ましい、思わず顔が綻んだ。この光景には愛し愛される夫婦の尊さを改めて噛み締めた人も多い事だろう。

そして2度目のMCを経て全楽曲中最速のBMPを誇る「ハードボイルドに愛してやるぜ♡」へ、清竜人の「俺より先に死ぬんじゃねぇぞ…」という男前過ぎる台詞から始まるこの曲でフロアの盛り上がりは再び最高潮へ。カッコ良過ぎるぞ、清 竜人。そしてその勢いをそのままに6曲目「Call♡Me♡Baby」に繋いでいく。

続いて披露されたのは、皆様お待ちかねの「Mr. PLAY BOY…♡」だ。おそらく会場にいるほとんどの人がこの瞬間を待ち望んでいたであろうそんな独特な空気の中、2016年最後となる最大音量の「スケベコール」が巻き起こる。なんと異様な光景だろうか、一体世界の何処を探せば「スケベ」という言葉でオーディエンスが心を一つにする光景を見られるのだろう、そんな唯一無二の景色を清 竜人25は作り上げていく、その「スケベコール」を一身に受けステージの上で威風堂々と踊る清 竜人のその姿に胸が熱くなった。続けて「LOVE&WIFE&PEACE♡」を披露、夫婦の愛と絆を感じるラブ&ピースなナンバーに会場には幸せな空気が溢れていた。



更に清 竜人25はアンコールで「Will♡You♡Marry♡Me?」を披露、時間が押しているからという理由で早々とステージに舞い戻ってきた夫人達のバタバタ加減に会場には笑いが起こる。

最初から最後まで清 竜人25らしさと夫婦の愛と絆を感じられるパフォーマンス、そして彼らのパフォーマンスを見た全ての未婚者はこう思っただろう「結婚がしたい」と。某曲で歌われている「夫婦を超えてゆけ」というフレーズ真意を私は清 竜人25に観た気がした。

かくして、三者三様の共演によって『Tokyo Sound Collection Fes. vol.2』は大盛況のうち大団円を迎えた。ジャンルやフィールドが違えども良い音楽というのは人を笑顔にさせる。この夜沢山の笑顔で埋め尽くされた渋谷WWWには間違いなくGOOD MUSICが鳴り響いていた。



Photo by 国吉辰一

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