「井之頭五郎」松重豊は「現代の仙台
四郎」だ!

影響力はメジャーなグルメガイドを超え
る!?

 仙台四郎という人をご存じだろうか。一部商売をしている人と東北の人なら知っているはずだが、江戸末期から明治時代に仙台にいた実在の人物で、商売繁盛の神様として崇められている。よくわからなければ、大阪でいうビリケン像的な存在(こちらは実在ではないが幸運の神)だと思ってもらってもいいだろう。

 最近「孤独のグルメ」シリーズ(テレビ東京)で主人公・井之頭五郎(松重豊)が行くお店は例外なく客が増えている。そのためか、ネットの一部では五郎を現代の仙台四郎に例える人も現れ始めた。奇しくも、地名プラス数字とネーミングスタイルは同じだ。普段の番組で紹介されるのは関東近郊の飲食店が多いのだが、放映翌日には行列ができる勢いがある。彼の影響力は日本にとどまらず、Season5の台湾まで行った回も、翌週には取材店になかった日本語メニューが置かれたり、別のお店でも「ここに五郎さんが座った」と席まで教えてくれるほどのわかりやすい流行りっぷり。たとえ海外であっても、放映後すぐ人を呼べる力があるのだ。

 この受けっぷりは、ドラマ自体グルメがテーマだけに店の選びに一癖あることもあるが、やはり食事シーンをひたすら長回しで放映し、五郎の大げさな独白が食欲を誘うこと、また五郎が大食いのため一店舗の紹介メニューも多岐に渡ることが一因だろう。あとに視聴者は「聖地巡礼」を行い、食べながら脳内で独り言を言う。自らが五郎になりきれる追体験プレイができるのも、よりこの番組の面白いところなのだ。

 テレビ版では漫画と違って五郎ははずれ飯を食べない。そのため、まさに良店の目利きとなっており、繁盛を招く。現代の仙台四郎という噂も、あながち外れてはいないだろう。演じる松重豊も番組外でも食品CMに出ているが、すでに美味しい=松重豊のイメージが出来上がっている。

日本3大・飲食店を繁栄させる人物

 もう二人、現代の仙台四郎になりえる人物がいる。まずはマツコ・デラックス。「月曜から夜ふかし」(日本テレビ)が【マツコの「うまい」が8億円の経済効果】とぶち上げてから、マツコ関連のあらゆる番組で食べ物を評価してもらう流れができてしまった。いまや商店街やコンビニで「マツコ・デラックスが絶賛!」と書かれたPOPを見る率は結構なものだが、確かに増売効果はすさまじいものがある。マツコ自身は「夜の巷を徘徊する」(テレビ朝日)以外ではロケにたまにしか出ないため、街中の飲食店よりスタジオ内で食べられるスイーツ、土産品や地産品が多いのが特徴だが、うまく外食専門の五郎との住み分けができているようだ。

 そして最後の一人は「吉田類の酒場放浪記」(BS-TBS)の吉田類か。こちらもカリスマだが、気持ちいい酔っぱらいっぷりを見るとお店に行きたくなるのが特徴。吉田は専門が酒場だけなので、下戸設定の五郎、外に出ないマツコとこちらも食い合わない…。まさに補完し合う関係の三者。その商売繁盛への影響力の多大さでは、他の追随を許さないようだ。近い将来にはこの三人が「伝説」として仙台四郎のようにまつられているかもしれない!?

(文・テレタビーズ)

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