【LIP×LIP
（勇次郎・愛蔵／
CV：内山昂輝・島﨑信長）
リコメンド】
LIP×LIPからジュリエッタへ
ホワイトデーのお返しのような作品

　そして、アルバムの中盤はこれまでのLIP×LIPとは少し異なる新たな表情で楽しませてくれる。「めおと」は戦国時代の政略結婚が本気の愛に変わっていく様子を歌った、和テイストのアップナンバー。アイドルであるふたりが、ドラマか何かでこういうストーリーを演じているという設定だろうか。勇次郎が女性役、愛蔵が男性役を歌っていて、今まで聴いたことのないLIP×LIPを発見することができる。続く「フィアンセ」の世界観は一転して和から洋へ。とある王国の王子が身分の違う女の子をフィアンセにするために奔走する様子を歌っている。2020年1月にリリースされたHoneyWorksの5thアルバム『好きすぎてやばい。〜告白実行委員会キャラクターソング集〜』に収録された一曲で、名台詞“結婚しよう”が約4年振りに蘇る！　結婚をテーマに和の「めおと」と洋の「フィアンセ」で対比させたのは感動だ。ふたつの物語のその後の展開にも期待したい。

　HoneyWorksの楽曲にはひとつのストーリーを男女両側の目線で作ったり、アンサーソングを作ったりと、楽曲と楽曲に関係性を持たせているものが多い。「他のやつにいくなんてさ」と「俺無しじゃ生きていけない？」は、2022年にリリースされた『ヒロインたるもの！～嫌われヒロインと内緒のお仕事～』のBlu-ray、DVD第1巻の特典CDに収録された楽曲。「他のやつにいくなんてさ」は勇次郎のソロ曲で、やきもちを歌ったキラキラのナンバー。愛蔵のソロ曲「俺無しじゃ生きていけない？」はアップテンポの俺様ソング。それぞれのキャラクターが表現されていて、LIP×LIPのふたりのキャラクターを知っている者であれば“うんうん”と深く頷くことだろう。