L→R mao(Ba)、324(Gu)、赤飯(Vo)、ミト充(Dr)、ぽにきんぐだむ(Gu&Vo)

L→R mao(Ba)、324(Gu)、赤飯(Vo)、ミト充(Dr)、ぽにきんぐだむ(Gu&Vo)

【オメでたい頭でなにより
インタビュー】
面白くて楽しめるものを目標にして
楽曲制作をスタートできた

ギャップというのが生きる上での
自分の中のひとつのテーマ

あと、J-POP、日本のアイドルソングみたいなのも取り込み方も上手ですよね。

324
6曲目の「推しのこメモリアル」ですよね? 本気でちゃんとアイドルソングを作って、それをぶち壊そうって振りきった感じです(笑)。
赤飯
ミクスチャーでもなんでもないもんね?(笑) 
324
普通にただのギャグですね。ふざけているっていう(笑)。

「推しのこメモリアル」はミクスチャーではないですけど、M4「チン♂アゲ⤴交渉中」のサビもアイドルソング風ですし、こういったものもバンドに取り込んでいるところは、私は破天荒に感じるところですし、オメでたらしさを感じるところではあります。で、この『オメ4』では、その“らしさ”が引き続きある一方、少し様相が変わったというか、雰囲気が違うと思った箇所がいくつかありました。M3「地下室の王」のアコギであったり、M7「Move your Heart」でのLed Zeppelinばりのギターリフなど、あまりエフェクティブではないというか、ミクスチャーの成分が少し変わったような印象があります。

324
あぁ…意識はしていなかったけど、確かに言われてみたらそうかも。でも、何か生っぽい感じの良さとか、生楽器にこだわる感じとかは、僕自身はそうでもなかったんですけど、赤飯は特に生のグルーブにこだわっていて、一時期は同期が多い楽曲でもライヴでは同期を減らしたいとか、いろいろと考えていた時期があったんですよ。そういう影響もありつつ、僕がバンドの楽曲を制作する時に音数を減らしたり、シンセサイザーじゃなくて生っぽい楽器に任せられるところは任せたいと思ったり、生のグルーブ感にこだわりたいという選択肢が出てくるようになったところがあるのかなと思います。

赤飯さんはやはり生音にこだわりがありましたか?

赤飯
そうですね。自分は同期がメインのものより、やっぱり生で鳴らせる音にすごく情熱を感じるというか、魅力を感じるので、そこを前面に押し出したものを作りたいというのは常日頃言ってるんですね。

今回はその辺が強くなった?

324
でも、特別強くなった感じはしないですね。その線引きがしっかりしたという感じです。「The OGAnizer -来訪神-」は同期バリバリで、そういう楽曲作りだったし。生音を活かしたいところは活かしたいというか、ちゃんと引き算できるところは引き算しようとか、詰め込みすぎないようにしようという意識はメンバー全員にあるのかもしれないですね。曲によって求められるものが違うので、「地下室の王」や「Move your Heart」は“生の楽器のほうがいいよね”となったんだと思います。

M11「花魁ドリルスピン」の中盤以降サンバのままで終わっていきますし、レゲエのM10「今宵、又旅へ。」はラウドに展開していきませんよね? あえて複雑な展開にしていない印象もあります。

赤飯
ガチャガチャ展開する曲も大好きですし、同じグルーブでたゆたうような曲も大好きなんですよ。そういう意味で「今宵、又旅へ。」に関して言うと、僕が作詞作曲を一からやったんですけど、そのたゆたうようなグルーブでずっと続いていく心地良さをこれで表現したかったっていうのが一番大きいです。
324
あと、楽曲のカロリー問題はあるかもしれない。“ひとつの楽曲に数多くの展開を入れすぎちゃうとお腹いっぱいになっちゃう”みたいなのが僕らの問題としてあったんで、一曲の中でちょっと物足りないくらいがちょうど良かったり、ちゃんと何があったか覚えていられるくらいのセクションの数だったり、そういうことをしっかり意識しようっていうのは結構前から言っていて、それをちゃんと守っている気がします。「花魁ドリルスピン」って今までの俺らだったら、また日本に戻ったりすると思うんですよ(笑)。

レゲエから冒頭の展開に戻るということですね(笑)。

324
またヘヴィなパートが入って…とやっいてたと思うんですよ。実際にそういう意見も出たんです。“これ、戻ったほうが良くない?”みたいな(笑)。でも、“いや、違うんだよ。それだと多すぎるから、ヘヴィなパートからサンバがあって、そこで終わる曲にしよう”と初志貫徹というか、しっかりそういうところも考えつつ、カロリー問題を意識して、セクションはなるべく分かりやすくしようって。セクションが変わるだけでも結構分かりにくいのに、そこにいろんな要素を加えていっちゃうと、より分かりづらくなっちゃうから、“ボケとして使っている部分を最大限に活かすんだったら、それだけで終わろうね”みたいな。
赤飯
なおかつ、「花魁ドリルスピン」についてつけ加えると、これは“苦しい状況から自由への解脱”っていうテーマの曲なんですよ。それなのに、また苦しい状況に戻ってどうするんだっていう(笑)。“せっかく手に入れた自由なので、その自由を手に入れたまま、あとは好きな方に進んでくださいね”っていう、我々からの問いかけの最後の曲なんですよ。
324
確かにそういうのもあったね? “だから、日本に戻っちゃダメなんだよ”みたいな話をしてた気がする。

そうでしたか。これは今お話をうかがっていて思ったところなんですけど、祭り囃子の「ソイヤ!好漢度BOY」のあとで、アイドルソングの「推しのこメモリアル」があるように、趣の違う曲が続いているので、曲の中に複雑に展開があるとアルバム全体がものすごくジグザグしたものになるというか、そんな懸念もあったのかなと今ちょっと思いました。

赤飯
そのとらえ方はすごく合ってるんじゃないかな? …って今説明を聞いて思いました(笑)。

つまり、逆に言うと、今回の『オメ4』は今まで以上にバラエティー豊かなアルバムになったかもしれないですね。

赤飯
うんうん。かもしれないですね。これは大学のバンド時代からそうなんですけど、ギャップというのが生きる上での自分の中のひとつのテーマのなんですよ。“どれだけギャップを作っていけるか?”みたいな。その意味で、ギャップがあることによって生まれているジグザグであるなら、自分が意図したものは成功しているな思ったんですよね。

そのジグザグ感ってすげぇありますもんね。1曲目から2曲目、3曲目、4曲目…いや、全曲そうですね(笑)。似たような曲が続かないですから。

赤飯
そうですね。それは本当に意識しています。

OKMusic編集部

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