【彩音 インタビュー】
失敗してもいいという気持ちで
前に進むことが大事
人気ゲーム『ネプテューヌ』シリーズや、『ひぐらしのなく頃に』(以下、『ひぐらし』)シリーズのテーマソングを多く担当している彩音が、『ネプテューヌ』シリーズ最新作のオープニングテーマ「Dream ON」を発売。カップリングには『ひぐらし』イメージソング2曲を収録。彼女の想いや作品とリンクした伏線が散りばめられ、何度聴いても新しい発見がある楽曲たちについて訊いた。
コーラスは声出ししやすいように
シンプルで分かりやすい歌詞にした
シングル「Dream ON」はゲーム『超次元ゲイム ネプテューヌ GameMaker R:Evolution』のオープニングテーマですが、どんなゲームなんですか?
今回の『ネプテューヌ』は“GameMaker”というキーワードで、プレイヤーが社長になって会社を大きく発展させるシミュレーションゲームなんです。失敗してそこで立ち止まるのではなく、失敗して当たり前だという心構えで前に進んで、ひとつの大きなチームを作っていくというものなので、「Dream ON」の歌詞もそれに沿ったものになっています。
この曲もですが、彩音さんはゲームやアニメのテーマソングで作詞も数多く担当されています。ゲームとアニメではテーマソングの作り方で異なる部分はありますか?
私の中では同じですね。「Dream ON」はオープニングテーマなので、ネタバレにならないようにゲームのエンディングにかかわる要素を含まないようにして、逆にゲームをプレイする前のワクワク感やドキドキ感を全面的に押し出すように心がけました。ゲームをプレイしてからこの楽曲を聴いた時、“この歌詞はこういう意味かな?”とプレイヤーさんそれぞれのゲーム体験から考察してもらえたら嬉しいです。
作曲編曲の石田秀登さんとは相談しながら制作していかれたのですか?
今回はプロデューサーさんとディレクターさんに楽曲を選んでいただきました。ただ、この曲はコーラスがポイントになっていて、そこには私の想いも乗せています。コーラスはいつもなら楽曲の陰に隠れがちですけど、こういったご時世で声出しができないライヴが数年続いたので、声出しができるようになった時にみんなでコール&レスポンスがしたいと思いながら入れました。だから、コーラスは声出しがしやすいように、シンプルで分かりやすい歌詞にしています。ライヴを楽しみにしながら何度も楽曲を聴いて準備してくださる方はもちろん、ライヴで初めて聴く方でもすぐに覚えて一緒に歌えるコーラスとメロディーを意識しましたね。ライヴで歌う時は、みなさんもぜひ一緒に歌って盛り上がりましょう!
《Dream on. Dream on.》と歌っている英語のところですね。
はい! まさしくそこです。ディレクターさんは““Wow Wow”でもいいんじゃない?”と言っていたんですけど、私にしかできないやり方でメッセージも伝えることができたらいいなと思った時に“Dream on”というワードが浮かんできたので、あえてその“Dream on”を曲のタイトルにしてしまおうということになりました。
コーラスの歌詞から曲タイトルが生まれたんですね。
自分が社長になって会社を大企業にするというゲームの世界観をライヴに当てはめると、私が社長でお客さんは社員というか、ともに働く仲間たちということで、一緒に《Dream on》と叫んで盛り上げようといったとらえ方もできるかなと思って。
このフレーズが社訓とか社歌みたいな感じですね。彩音さんが社長の会社なら楽しく働けそうです。
本当ですか!? じゃあ、勤務時間はしっかり守っていただいて。でも、そうなるとライヴも含めてアンコールはなしになっちゃうかもしれませんけど(笑)。
それは困ります(笑)。歌詞はどういう感じで書かれたのですか?
今回は事前におうかがいできたゲームの情報が少なかったので、自分の中で膨らませて書きました。なので、“こういう感じだったらいいな”といった希望も込みで作詞をしましたね。
ゲームをプレイして書くとかではないんですね。
オープニングテーマの制作はゲームの制作と同時進行で、ゲームの内容も当初の予定と途中で変わることもあるんです。そういう意味では、私自身も完成したゲームをファンの方と同じ目線で楽しむので、ゲームの発売日が待ち遠しいです!
ゲームと楽曲が合わさったものを初めて聴く時は、もうドキドキですね。
先日、ゲームの公式サイトで楽曲がついた映像が公開されたのですが、私の歌詞の内容がオープニング映像とリンクしている箇所がたくさんあり、それがすごく嬉しかったです。もちろんフルで流れるわけではないのですが、そこから楽曲全体を想像してくださったファンのみなさんから“ゲームとCDの発売がますます楽しみになりました!”というお声をたくさんいただきました。