ピアソラ&ヴィラ=ロボス――水谷川
優子&黒田亜樹がお贈りする南米クラ
シック音楽の世界

2023年2月23日(木・祝)、水谷川優子(チェロ)と黒田亜樹(ピアノ)のデュオ・リサイタルがトッパンホールで開催される。
水谷川と黒田はデュオとして世界各国で共演を重ね、いわゆるスタンダードなクラシック音楽のみにとらわれず、自らの感性と共鳴する音楽をユニークな切り口で紹介してきた。今回のリサイタルでは南米が生んだふたりの巨匠――ピアソラとヴィラ=ロボスにスポットライトを当てて、南米クラシック音楽の魅力を余すことなくお届けする。
一昨年・昨年とアニバーサリーイヤーが続き、いまやクラシック音楽のスタンダードとなったピアソラ。しかし、数十年前は日本でその存在をほとんど知られていなかった。クラシック音楽界きってのピアソラ弾きである黒田は、学生時代からアルゼンチンタンゴの音楽に強く惹かれ、30年以上前に「東京ピアソラランド」というプロジェクトを立ち上げて、知られざるピアソラの魅力を伝えてきた。
ピアソラのタンゴにはクラシック音楽やジャズなど様々な要素が融合されているが、今回演奏する「ル・グラン・タンゴ」は、ピアソラがクラシック音楽家のために書いた1曲で、チェロ奏者にとっては重要なレパートリーとなっている。水谷川は「ル・グラン・タンゴ」について、「ピアソラの音楽の根本にあるクラシック音楽への強い憧れ、そしてチェロの低音から様々な面を引き出そうとする彼の冒険心が感じられる」と語る。
水谷川と黒田は知られざる名曲を探し当て、その魅力を広めることに醍醐味を感じるという。そんな二人が注目したのが南米ブラジル出身の作曲家・ヴィラ=ロボスだ。2020年には全曲をヴィラ=ロボスで構成したCD「Black swan」をリリースし、世界中から高い評価を受けた。
ピアソラと同じく洗練されたクラシック音楽に憧れてパリに留学したヴィラ=ロボスは、「ショーロ」「サンバ」などのブラジルの音楽様式をクラシック音楽と融合し、独自の世界観を創り上げた。今回プログラムに取り上げるヴィラ=ロボス「チェロ・ソナタ 第2番」はチェロとピアノのみの編成にもかかわらず、ハーモニーが幾重にも聴こえるような方法で作曲されており、演奏が大変困難な一曲だ。しかし、その困難を乗り越えたときには、ヴィラ=ロボスが楽譜に書き切れなかった音まで聴こえてくるような不思議な感覚になり、一期一会の音楽が生み出されるのだと、水谷川と黒田は語る。
現在「eplusmovie」公式YouTubeにて、二人がコンサートの見どころを語るコメント動画が公開されているので、こちらもぜひチェックしてほしい。
【コンサートイマジン リサイタル・シリーズ Vol.9 水谷川優子&黒田亜樹 DUO ピアソラ&ヴィラ=ロボス~南の空 2つの巨星~】

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