THE CHARM PARKが爪弾くナイロンギターの音色には、彼の祈りが詰まっている。感情を音に乗せるのが上手い作家なのだ。日記のように歌詞を綴り、ベッドルームで録音されたというメジャー3作目のフルアルバム『Bedroom Revelations』。囁くような声とオーガニックな音を基調に作られた、実にハートフルな一作である。かねてからバックグラウンド・ミュージックを作りたいと口にしていたTHE CHARM PARKだが、本作のまろやかな作風は、きっとコロナ禍とも無関係ではないだろう。 暗い時代にも心穏やかな時間を与えたいという、暖かく慈しみ深い想いが込められているように思う。どこか生活の匂いを感じさせる音色からは、親近感と共に包容力を感じるはずだ。アイルランドの作家によって書かれたという、ふたりが溶け合うように抱き合う一筆書きのジャケットも魅力的だ。これは音のハンモックに揺られて眠りにつくような、憩いの音楽である。最愛の人を思い浮かべて聴いてほしい。
自信を持って聴かせるベッドルームの音
ー去年取材させていただいた時には、コロナ禍になる前からバックグラウンド・ミュージックを作りたい気持ちがあって、その2020年の春にリリースされた「ad meliora」は、その最初の一歩になる予定だったと言われていましたね。
はい、そうですね。
ー『Bedroom Revelations』はまさにそうした方向性で作られたアルバムなのかなと思います。