【中島 玲】大切なもの、守るべきも
のはすぐそばにある
8月13日に配信限定デビューシングル「寝顔」をリリースした中島 玲に心境を語ってもらった。
取材:Hiroki Seta / 撮影: 松井進
まずは、音楽との出会いやルーツについて教えてください。
幼稚園のころから鍵盤をやっていて、小学校から本格的にピアノを始めました。中島美嘉さんが出ているドラマ『傷だらけのラブソング』を見て、独特の雰囲気と歌声に惹かれたのが、音楽を始めようと思ったきっかけですね。でも当時は、歌手になりたいとかはあまり思っていなくて、ただ歌うことが好きって感じでした。
アーティストになりたいと意識し始めたのはいつ頃ですか?
高校を卒業して就職したんですけど、毎日同じことの繰り返しで、“私って何のために生きているんだろう?”と思ったんです。そこで本当に自分のやりたいこと…歌うことを生業にしたいと気付いて。土日にボイトレに通ったり、ちょこちょこライヴをし始めました。そして、現在に至るんですが、最初に比べると、理想の活動に近づいて来ました。
今回、初のレコーディングはどうでした?
ずっとライヴだけをやってきて、完璧に歌えるようになるまでレコーディングをしないと決めていて…歌い続けて…やっと満足のいくかたちでレコーディングができました。
ライヴとの違いはどう感じましたか?
ライヴでは、お客さんが目の前にいて、聞いて下さってる顔を見ながら感情が高まったりするんですが、レコーディングは違って、お客さんがいないので感情のバランスがすごく難しかったですね。
今作の“寝顔”というタイトルについて教えてください。
ひと言で言うと“愛しい存在”ですかね。すべてが愛しい…指先、目、鼻、耳とかそのなかのひとつに“寝顔”というキーワードがあって、普段なかなか小さい幸せとかに気付けなくても、愛おしい寝顔を見ているだけで幸せな気持ちになれる。歌詞の中にも《見つめるだけでこんなにも幸せな心になるなんて》というフレーズがあるんですが、まさにそんな思いがこもっています。
中島さんにとっての“愛しい”とは?
愛しい存在を見ていると、愛しさがあふれてきますよね。寝顔を見ていると愛しい気持ちがあふれ出して、やがて時間が過ぎて朝になるんですけど、それと同じ気持ちや時間っていうのはもう二度とこないし、一生見ていられるものでもない。なので、今という時間や、一瞬一秒を大切にしようって思っています。
ライヴでよく“守るべきものがある”と言っていますが、その意味合いは?
誰しも、家族とか恋人とか、そんな守りたい存在を見つけると自分自身が強くなれると思うんですよ。そのために頑張れたり、何か自分にとっての目標もあったほうが生きがいを感じることができて、大変でもあ〜幸せだなって。
すごくこだわりの感じられるジャケットワークにもなっていますね。
朝焼けが好きで、どうしても朝焼けが撮りたかったんですよ。静かな夜中が好きなんです。夜中にひとりで黙々と作業をするんですけど、ふと日が差し込むのを見ると、“また今日も1日が始まるな”というか、幸せな気持ちになれるんです。
歌うことで伝えていたいことは何ですか?
小さな幸せに気付いてほしい。何げない小さな幸せは周りにいっぱいあふれているので、それに気付くことで、自分自身ももっと幸せになれると思うんです。私、美輪明宏さんの言葉が好きで、“人は不幸の数を1から10まで数えるけど、幸せの数は数えようとしない”って言葉があるんですけど、まさにその通りだなって。
では最後に、今一番近くにある目標と、将来必ずやり遂げたい目標を挙げていただけますか?
ひとりでも多くの人に私の歌を聴いてほしいし、ライヴを観に来てほしい、ただそれだけです。将来の目標は、全国ツアーをできるようになりたいです。
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