「サムライチャンプルー」Blu-ray&
DVD BOXリリース記念インタビュー!
2004年にフジテレビ/関西テレビ/BSフジにて放送された傑作アニメ「サムライチャンプルー」のBlu-ray BOX & DVD BOXが7月20日にリリースされました!
そこで今回は、リリースを記念して、渡辺信一郎監督×佐々木史朗氏(フライングドッグ/サムライチャンプループロデューサー)によるインタビューテキストをお届け。制作秘話から自画自賛まで飛び出した、とても読み応えのある内容になっています!
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■渡辺信一郎監督×佐々木史朗氏(フライングドッグ/サムライチャンプループロデューサー)
まあ控えめに言って不朽の名作なんじゃないか(笑)
文:鈴木隆詩
●豪華メンツじゃないですか!
渡辺--今思うと音楽に関しては、メインの音楽をやってくれたTSUTCHIE,FAT JON, NUJABES, FORCE OF NATUREに、OP, EDをやってくれたSHING02, MINMIまでを含め、ナカナカ豪華なメンツじゃないですか(笑)。
佐々木--『サムライチャンプルー』ではアニメのスタッフ以外にも、本当にいろいろな人に参加してもらったね。第八話「唯我独尊」に出てもらったヒューマンビートボックスのAFRAとか。
渡辺--ああ、ついでに声優にも挑戦してもらったら、彼「俺、声優でやっていけんじゃね?」とか言ってましたが(笑)。
佐々木--第十六話「酔生夢死 ひと夢」ではラップグループのトリカブトにもラップやってもったし。
渡辺--あとデザイン系でも、ステロタイプにはOPとか含めて大きく関わってもらったし、第十八話「文武両道」ではグラフィティアーティストのTOMMYさんにも落書き描いてもらったり。
佐々木--そうだね(笑)。アニメ界初のクラブイベントもやったし。
渡辺--ひとつだけ、NUJABESが亡くなってしまった事だけは本当に残念だったけど…。彼とは、また何かやろうと話してたんでね。
そこで今回は、リリースを記念して、渡辺信一郎監督×佐々木史朗氏(フライングドッグ/サムライチャンプループロデューサー)によるインタビューテキストをお届け。制作秘話から自画自賛まで飛び出した、とても読み応えのある内容になっています!
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■渡辺信一郎監督×佐々木史朗氏(フライングドッグ/サムライチャンプループロデューサー)
まあ控えめに言って不朽の名作なんじゃないか(笑)
文:鈴木隆詩
●豪華メンツじゃないですか!
渡辺--今思うと音楽に関しては、メインの音楽をやってくれたTSUTCHIE,FAT JON, NUJABES, FORCE OF NATUREに、OP, EDをやってくれたSHING02, MINMIまでを含め、ナカナカ豪華なメンツじゃないですか(笑)。
佐々木--『サムライチャンプルー』ではアニメのスタッフ以外にも、本当にいろいろな人に参加してもらったね。第八話「唯我独尊」に出てもらったヒューマンビートボックスのAFRAとか。
渡辺--ああ、ついでに声優にも挑戦してもらったら、彼「俺、声優でやっていけんじゃね?」とか言ってましたが(笑)。
佐々木--第十六話「酔生夢死 ひと夢」ではラップグループのトリカブトにもラップやってもったし。
渡辺--あとデザイン系でも、ステロタイプにはOPとか含めて大きく関わってもらったし、第十八話「文武両道」ではグラフィティアーティストのTOMMYさんにも落書き描いてもらったり。
佐々木--そうだね(笑)。アニメ界初のクラブイベントもやったし。
渡辺--ひとつだけ、NUJABESが亡くなってしまった事だけは本当に残念だったけど…。彼とは、また何かやろうと話してたんでね。
●根っこが欲しかったんです
佐々木--第十四話「暗夜行路 其之弐」の「おぼくり〜ええうみ」が流れるムゲンの回想シーンを観て思ったんだけど、ひょっとしたら、あの曲を使いたくてムゲンを琉球出身にしたのかなと。
渡辺--ああ、実はそうなんです。最初の、ストーリーも何も出来てない時からあの曲を聞いてインスパイアされて。そこからムゲンが琉球生まれ、って設定ができた。かなり初期段階に、佐々木さんに「この曲使いたいんですけど、権利とか大丈夫ですか?」って念押ししたじゃないですか。
佐々木--そうだったけね。何となく思い出しました(笑)。あのシーンはシリーズ全話の原点だったということですね。
渡辺--時代劇でヒップホップでなんかぶっ飛んだものをやろうと思ってたんですけど、そういう派手な所だけじゃなくて、作品に何か根っこのようなものが欲しかったんです。
●使いたい言葉があるんですよ
渡辺--ムゲンやジンというキャラクターたちは、その時代の決まり事にとらわれない、型破りな奴らにしたかった。そういう作品を作るためにはアニメの作り方も今までやり方に捕われず、型破りにするべきだと。ただ何せ初めての事づくしなんで問題も多くて…(笑)。
佐々木--監督が中心になって真剣ながらもルーズなノリで作れたから、途中でいろいろな困難があっても乗り切っていけたのかなと。
渡辺--あとは今、時代劇をやろうとすると言葉の問題がひっかかるんですよね。いろんな自主規制とかがあって、使えない言葉だらけで。いかに今の時代のテレビが規制されてるか、っていう事実に直面して、毎回が戦いでした。デタラメ時代劇のくせに何言ってんだ、とか言われそうだけど、やっぱり使いたい言葉ってのがあるんですよ。「農業を営む方々一揆」なんて言う訳にはいかないんだ(笑)。
佐々木--第十四話「暗夜行路 其之弐」の「おぼくり〜ええうみ」が流れるムゲンの回想シーンを観て思ったんだけど、ひょっとしたら、あの曲を使いたくてムゲンを琉球出身にしたのかなと。
渡辺--ああ、実はそうなんです。最初の、ストーリーも何も出来てない時からあの曲を聞いてインスパイアされて。そこからムゲンが琉球生まれ、って設定ができた。かなり初期段階に、佐々木さんに「この曲使いたいんですけど、権利とか大丈夫ですか?」って念押ししたじゃないですか。
佐々木--そうだったけね。何となく思い出しました(笑)。あのシーンはシリーズ全話の原点だったということですね。
渡辺--時代劇でヒップホップでなんかぶっ飛んだものをやろうと思ってたんですけど、そういう派手な所だけじゃなくて、作品に何か根っこのようなものが欲しかったんです。
●使いたい言葉があるんですよ
渡辺--ムゲンやジンというキャラクターたちは、その時代の決まり事にとらわれない、型破りな奴らにしたかった。そういう作品を作るためにはアニメの作り方も今までやり方に捕われず、型破りにするべきだと。ただ何せ初めての事づくしなんで問題も多くて…(笑)。
佐々木--監督が中心になって真剣ながらもルーズなノリで作れたから、途中でいろいろな困難があっても乗り切っていけたのかなと。
渡辺--あとは今、時代劇をやろうとすると言葉の問題がひっかかるんですよね。いろんな自主規制とかがあって、使えない言葉だらけで。いかに今の時代のテレビが規制されてるか、っていう事実に直面して、毎回が戦いでした。デタラメ時代劇のくせに何言ってんだ、とか言われそうだけど、やっぱり使いたい言葉ってのがあるんですよ。「農業を営む方々一揆」なんて言う訳にはいかないんだ(笑)。
●そんなバカは今後もいないだろうと
佐々木--音とか音楽に関しては特にこだわったよね。
渡辺--そうですね。『カウボーイビバップ』の時も選曲は自分でしてたんだけど、当時はカセットテープとか使ってたローテク時代で(笑)やっと時代が進んでプロツールスという便利なソフトが出てきたんで、自分で音楽の編集まで出来るようになった。
佐々木--監督が音楽の選曲から編集までやって、さらに音のミックスを音楽専門のエンジニアがやったというのは、『サムライチャンプルー』が史上初でしょう。
渡辺--そんなバカな事やる奴は今後もいないだろうと(笑)。さらに言うとプロのDJを呼んで実際にレコードをスクラッチしてもらったり、CDJを使ったりとか、いろいろやったなあ。
●心地よくて何度も観たいって思われたい
渡辺--音楽にこだわってる、っていうだけじゃなくて、音楽のような作品を作りたい、っていつも思ってるんですよ。例えば音楽ってCDとか買ったら、何度も聴くじゃないですか。でも映画とかアニメのDVDって、そんなに何回も観ないよね。音楽って、どういう曲か分かってても、気持ちいいからまた聞きたい、っていうのがあるわけで、自分の作品もストーリーが分かってても、作品のもってるリズムとか音とか、絵とか含めた全体が心地良くて何度も観たい、って思ってもらえるような作品を作りたいと思ってるんです。
佐々木--実はサントラも、大ヒットしたわけじゃないけどずっと地道に今でも売れ続けてるんだよね。そういう作品も珍しいね。
●自画自賛ばっかりでまずいですかね
渡辺--私も普段は謙虚な人間なんですが、しかしこの作品を振り返るにつけいろいろアラはあれど、まあ控えめに言って不朽の名作なんじゃないかと(笑)。
佐々木--どこらへんが謙虚なの?(笑)。
渡辺--いやいや、自分の事ばっか言ってますけどアニメの監督なんてひとりじゃ何もできないんで。本当に頑張ってくれたのは中澤くんをはじめとした現場のスタッフで、彼らがすごい熱量のこもった仕事をしてくれて、マジRESPECTですよ。
佐々木--そういうとこを今回改めてBOXで観てもらおうと(笑)。
(2011年6月、都内某所にて)
※インタビュー完全版は、Blu-ray BOX、DVD BOX 封入ブックレットに掲載。
佐々木--音とか音楽に関しては特にこだわったよね。
渡辺--そうですね。『カウボーイビバップ』の時も選曲は自分でしてたんだけど、当時はカセットテープとか使ってたローテク時代で(笑)やっと時代が進んでプロツールスという便利なソフトが出てきたんで、自分で音楽の編集まで出来るようになった。
佐々木--監督が音楽の選曲から編集までやって、さらに音のミックスを音楽専門のエンジニアがやったというのは、『サムライチャンプルー』が史上初でしょう。
渡辺--そんなバカな事やる奴は今後もいないだろうと(笑)。さらに言うとプロのDJを呼んで実際にレコードをスクラッチしてもらったり、CDJを使ったりとか、いろいろやったなあ。
●心地よくて何度も観たいって思われたい
渡辺--音楽にこだわってる、っていうだけじゃなくて、音楽のような作品を作りたい、っていつも思ってるんですよ。例えば音楽ってCDとか買ったら、何度も聴くじゃないですか。でも映画とかアニメのDVDって、そんなに何回も観ないよね。音楽って、どういう曲か分かってても、気持ちいいからまた聞きたい、っていうのがあるわけで、自分の作品もストーリーが分かってても、作品のもってるリズムとか音とか、絵とか含めた全体が心地良くて何度も観たい、って思ってもらえるような作品を作りたいと思ってるんです。
佐々木--実はサントラも、大ヒットしたわけじゃないけどずっと地道に今でも売れ続けてるんだよね。そういう作品も珍しいね。
●自画自賛ばっかりでまずいですかね
渡辺--私も普段は謙虚な人間なんですが、しかしこの作品を振り返るにつけいろいろアラはあれど、まあ控えめに言って不朽の名作なんじゃないかと(笑)。
佐々木--どこらへんが謙虚なの?(笑)。
渡辺--いやいや、自分の事ばっか言ってますけどアニメの監督なんてひとりじゃ何もできないんで。本当に頑張ってくれたのは中澤くんをはじめとした現場のスタッフで、彼らがすごい熱量のこもった仕事をしてくれて、マジRESPECTですよ。
佐々木--そういうとこを今回改めてBOXで観てもらおうと(笑)。
(2011年6月、都内某所にて)
※インタビュー完全版は、Blu-ray BOX、DVD BOX 封入ブックレットに掲載。