草笛光子が、ミュージカル人生を語り
尽くす!~「ザ・ブロードウェイ・ス
トーリー」番外編
草笛光子が、ミュージカル人生を語り尽くす!
■『ラ・マンチャの男』の衝撃
■ミュージカル女優開眼
『ラ・マンチャの男』日本初演は、今年の4月24日に最終公演を務め上げた松本白鸚(当時は市川染五郎)のセルバンテスで、1969年に帝国劇場で開幕。振付には、ブロードウェイ公演に出演した、ダンサーのエディ・ロールを招聘した。ただしアルドンサ役は、草笛の単独ではなくトリプル・キャスト。精神的にプレッシャーが大きかったはずだが、草笛は「プライドをかなぐり捨てて必死に演じました。今思い返して、自分でもよくやったと思うわ」と語る。
■ボブ・フォッシーの「粋」
『ラ・マンチャ』と並んで、草笛にとって忘れ難い作品となったのが『シカゴ』だ。情夫殺しで収監された歌手ロキシーと、女囚の古株で、やはり殺人犯の元スター、ヴェルマが暗躍する物語は、現在もブロードウェイでロングラン中のリバイバル公演や、2002年公開の映画版でおなじみだ。ボブ・フォッシーが振付と演出を手掛けた、このシニカルなミュージカルが、初めてブロードウェイで上演されたのが1975年。草笛は、グウェン・ヴァードン(ロキシー)とチタ・リヴェラ(ヴェルマ)が主演した初演を観る機会に恵まれた。
フライヤーのデザインは和田誠
越路は、1980年に56歳の若さで死去。その後制作会社が変わり、今は無き新宿のシアターアプルで、1983年に『シカゴ』初演は遂にオープンした。草笛がロキシー、ヴェルマには上月晃、悪徳弁護士ビリーは植木等、MCに笹野高史、加えてダンサー時代の宮本亞門(当時は亮次)ら充実のキャストが揃う。演出・振付は、ブロードウェイ初演に出演し、フォッシーのアシスタントを務めたジーン・フットが来日し、しなやかで官能的なオリジナル振付を寸分違わずに再現。日本側の演出は、前述の「光子の窓」を成功させ、ブロードウェイ通でも知られる井原高忠が担当した。草笛は、フォッシー・ダンスをこう評する。
劇中で〈ロキシー〉を歌い踊る草笛 写真提供=草琇舎
■「チタと2人で、やってみようかしら」
そして、『シカゴ』の初演をNYで観て、「ブロードウェイには、こんな素晴らしいダンサーで女優さんがいるんだ!」と草笛が驚嘆し、目標としたのが、同い歳のミュージカル・スター、チタ・リヴェラの存在だ。終演後に楽屋で初対面を果たし意気投合。以来、生涯の友人となった。2017年に放映されたテレビ番組「朝だ!生です旅サラダ」(朝日放送テレビ)で、NYで久々に再開した2人が、旧交を温める様子を御記憶の方もいるだろう。チタも草笛と同様に、90歳の今も現役で活動を続けている。
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