植木等

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    植木等ウエキヒトシ

    「日本一の無責任男」として一世を風靡した、あまりに偉大な喜劇役者/ミュージシャン。もちろん植木等御大のパーソナリティと無責任はイコールではありません、念のため。
    フランキー堺率いる"シティスリッカーズ"で活動後、ハナ肇の"クレイジーキャッツ"にギタリスト兼ヴォーカリストとして加入。老若男女を夢中にさせたモンスター番組『シャボン玉ホリデー』(61年放送開始)の出演をきっかけに人気が爆発し、お茶の間を「スーダラ節」で染め上げた。いまどきの若人も♪スイスイ スーダララッタ スラスラ スイスイスイ〜というモダンかつアヴァンギャルドなご機嫌メロを耳にすれば、感動間違いなしである。
    「無責任一代男」「ハイ それまでヨ」「ドント節」「だまって俺について来い」「ゴマスリ行進曲」などなど名曲多数。また映画と連動してヒットしたものが大半なので、東宝の『日本一シリーズ』『クレージー・シリーズ』などは三度のメシを抜いても是非ご高覧いただきたい。この当時の代表曲はほぼ青島幸男(ex.放送作家/意地悪ばあさん/東京都知事)の詞作によるもので、サラリーマンの「安月給」「上司へのゴマすり」「結婚生活の悲哀」「満員電車通勤」といったマイナス・キーワードをすべて強引かつハイテンションにポジティヴ転換させた彼の手腕は天晴れというしかない。ニッポンの高度経済成長期を支えたお父さんたちのほとんどは、実のところ植木等のハイパーな歌声に支えられていたのだろう(マジで)。
    90年代に入ってからしばらく離れていた音楽活動を開始し、95年には大滝詠一プロデュースによるオリジナル・アルバム『植木等的音楽』を発表。特に「サーフィン伝説」は若さあふれるナイス・ナンバーで必聴である。
    通勤・通学がかったるい日も、植木氏にならって「サァー 皆んなそろって 楽しく元気にゴマをすりましょう!(←腹の底から声をふりしぼって)」。

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