【超特急 インタビュー】
激動の2020年に遂げた進化を
3種のライヴで表した映像作品

L→R カイ、ユーキ、リョウガ、タクヤ、タカシ

最新Blu-ray『BULLET TRAIN ONLINE SPECIAL LIVE 「Superstar」』は昨年末に行なわれた超特急史上最大規模のオンラインライヴ3デイズを完全収録。各日まったく異なるメニューで、無観客ならではの演出もふんだんに盛り込んだ3公演は、テーマパークのアトラクションのようにバラエティー豊かな個性、結成から9年の歴史、そして未来を見据えた進化を明らかに。まさに“百聞は一見にしかず”の感動がここにある!

みんなを見守るだけじゃなく、
やっぱり乗せていくことが役目

今回の『Superstar』は本来、全国を回るアリーナツアーの予定だったのが新型コロナウイルスの影響で3日間のオンラインライヴに変更になりましたよね。総合演出を務めるユーキさんとしては、かなり戸惑いもあったのでは?

ユーキ

戸惑いはありましたね。3デイズそれぞれがまったく別メニューという構成になったことで、これは消費カロリーが相当高いライヴになるなと。でも、決めた以上は成し遂げなきゃいけないんで、いろんなアイディアを出しながら前向きに形作っていきました。そもそも“Superstar”というライヴタイトル自体、“スーパースターになっていくぞ”という未来への気持ちがこもっている上に、せっかく「Superstar」っていう曲もあるんだから、今回はセットリストに入れたかったんですよね。ここ数年は披露していないけど、自己紹介曲として初期からやってきた曲だから、きっとファンである8号車も期待してるだろうし。聴いたことのない人たちにも“ここから始まっているんだよ”って伝えたかったので、プロデューサーに話して新しいアレンジを作っていただきました。

結果、「超Superstar」として2日目のアンコールに初披露されましたが、せり上がりでの登場といい、次のメンバーを紹介しながらソロダンスをつないでいく流れといい、“Superstar”の文字が映る巨大LEDに向かっていく終わり方といい、震えるほどカッコ良かったです。

ユーキ

一回エンドロールを挟んでから、最後に一発かましたいって、確かタクヤのアイディアだった気がするな。

カイ

そうそう。“アベンジャーズみたいにしたい”って(笑)。

ユーキ

で、もともとはヴォーカルが号車順にメンバー紹介を歌って、そこにそれぞれをフィーチャーしたパフォーマンスが挟み込まれる構成だったんですけど、もうちょっとブラッシュアップしようってことで、ひとつ前に踊ったメンバーが声をかけて送ってあげるかたちにしたんです。あのかけ声も、みんな結構アドリブだったんじゃないかな?

リョウガ

“T! A! K! U! Y! A!”っていうかけ声は、ちょっとタクヤ的には出にくいらしいので、ライヴのたびにどんどん変わっていく可能性もなきにしもあらずですけどね(笑)。

タクヤさんからはユーキさんにハイタッチでつなぐというのもクールでしたね。

ユーキ

ノリでやったやつね、リハの時に。

タクヤ

そう。“なんかやりたいね”って話をしてて、振り付けの方が許可してくれたから。

タカシ

そもそもリアレンジで録り直すこと自体がパワーアップだし、歌詞も結構変わったところがあるんですよ。《最後尾 みんな見守る》って歌っていた僕のパートも、新しく《最後尾みんな 乗せていく》に変わったり。そういうふうになれているのかなって、ちょっとウルッときましたね。見守るだけじゃなく、やっぱり乗せていくことが役目だと思っているから嬉しかったです。

そんな「超Superstar」に象徴されるような進化を、それぞれに違ったかたちで提示した3日間。衣装も初日はカイさん、2日目はタクヤさん、3日目はタカシさんのプロデュースだったわけですが、まず結成9周年の記念日でもある12月25日の初日公演は煌びやかなカラースーツを纏っての登場でしたね。

カイ

この日のテーマが“テーマパーク”だったので、“Bullet Train World”に8号車をエスコートする支配人っていうイメージでいきたかったんです。だいたい僕が衣装を作る時は、リーダーのリョウガとヴォーカルのタカシに他とは違うものを入れることが多いんですよ。今回もリョウガは肩からサッシュをかけていて、タカシはジャケットの中にリボンがついているんです。そこで5人という“集団”を最初に見せて、次の黒い衣装では夜空やイルミネーションをモチーフに、より広い“概念”を示す。最後は私服っぽい衣装でメンバーそれぞれとデートして“個”に帰着するっていう流れが、自分の中にあったんですよ。視点を少しずつ変えながら、最終的には僕たち超特急のメンバーそれぞれと8号車がテーマパークでデートしているような気分になれればいいなと。

ユーキ

特に中盤のメドレーは目まぐるしい展開で、いろんなアトラクションに乗っているような流れにしましたからね。モニターにも観覧車とかコースターを映して、2次元から3次元に飛び出すようなリアリティーを持たせつつ、メドレー後の「サヨナラは雪のあとで」ではパークでの思い出を辿る。そこからは現実に戻り、8号車と一緒にライヴを楽しもうという構成になってます。

メドレーの中でもハイライトだったのが「Bloody Night」で、デートするタクヤさんとタカシさんを、ヴァンパイアのリョウガさんが襲うというコミカルな演出に、みなさん本気で挑んでいて惹きつけられました。

ユーキ

ちょっと僕の予想は裏切られましたけどね。きっとリョウガならイケボでタクヤを襲って、8号車に黄色い悲鳴をあげさせてくれると思っていたのに、“へい! 楽しそうだね!”って、なんかキャラクターみたいな感じで出てきて! そのあとの「Believe×Believe」へのつなぎでも、みんなを操る感じでカッコつけてほしかったのに雷の音にビビっていたりして、一番の問題児でしたよ!

リョウガ

なんか今、尖ってる時期なんですよね。2曲とも僕のセンター曲なんで、ユーキに“カメラ目線でキメてくれ”って言われたんですけど、あえてふざけてやりました!

カイ

反抗期か!(笑)。

ユーキ

まぁ、でも、タクヤの芝居は良かったです。リハでたまたま僕の手が当たったのを“触られた~!”って面白く活かしてくれて。その隣ではタカシが真顔で歌っているし、あれはめっちゃ面白かった。

歌と言えば、この日は最新シングル「Asayake」の収録曲など、初披露の曲が多くて緊張感もあったのでは?

タカシ

もう緊張しまくりで、毎日のようにヴォイストレーニングに通っていました。緊張したままステージに上がってしまうとガチガチになってしまうんで、とにかくやれる限りの準備はしようと。だから、気持ちとしては、ひたすら真っ向勝負でしたね。

カイ

そもそもオープニングが「走れ!!!!超特急」なだけでも珍しいからね。観てた8号車もびっくりしてたけど、あの曲で始まるとパレード感というか、ショー感が強くなるから。

ユーキ

「サヨナラは雪のあとで」もライヴでやったのは2回目で、しかもオリジナルの振りでは初めてだったんですけど、改めていい曲だと思いました。日本人に刺さる曲だし、ライヴでも意外と万能なんですよね。空気を変えたり、いろんな使い方ができるんですよ。

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