【SUPER BEAVER インタビュー】
ハイライトとなる瞬間を
生み続けたい
L→R 上杉研太(Ba)、藤原“31才”広明(Dr)、渋谷龍太(Vo)、柳沢亮太(Gu)
約10年のインディーズ活動を経て、古巣であるSony Music Entertainmentとのメジャー再契約を電撃発表したSUPER BEAVER。バンドにとって初の映画主題歌も含む、復帰第一弾シングル「ハイライト/ひとりで生きていたならば」について、結成15周年を迎えたメンバーへオンライン取材で話を訊いた。
こういう選択のほうが
ワクワクできる
長いインディーズ期間を経てのSony Music Entertainmentとのメジャー再契約、驚きました。コロナウイルスで世の中が大変な時期と重なって印象深い発表になったと思いますが、お客さんのリアクションはどう感じましたか?
渋谷
歓んでくれる人がすごく多かったのがシンプルに嬉しかったですね。本来ならば4月に代々木公園でフリーライヴを行なって、その中で大々的にアナウンスしようとしてたんですけど、状況も状況でいろんな計画が頓挫しまして。結果、とても地味な発表にはなりましたが、それでも自分たちの意思やこの先の展望をしっかり伝えることができたし、みんなが素直に受け取ってくれたから良かったです。バンドが歩んできた歴史、人と関わってきた関係性がかたちになって見えた気がしたので。
柳沢
やっぱりファンの方々と一緒に楽しみたい気持ちが強かったんで、できないことが多いながらも直接声を届けられる方法としてオンラインでの発表になったんです。当初の予定といろいろ変わったからこそ想像以上の感激があったというか、歓んでくれることがこんなに嬉しいんだって思いましたね。可視化された言葉がリアルタイムでめちゃめちゃたくさん届くのは初めての経験で。ライヴの歓声とはまた違う感じでした。
上杉
渋谷と柳沢に発表をお願いしたんですけど、当日はもちろん僕も藤原も中継を観てたし、すごく感動しました。ずっと準備してきた大きなトピックが、やれないことが増えていった上、自分も参加できない結末になったんですが、バンドの想いはちゃんと届いてるのがリスナー目線で観てて分かったから。自粛ムードの中にあってスカッとする出来事だったし、今後の希望も抱けたし、あの日は感じるものが多くてなかなか眠れなかったです(笑)。
藤原
自分は体調が悪かったりして参加できなかったことがすごく悔しかったんですけど、そういうのがどうでもよくなっちゃうくらい感動しました。配信してくれてるふたりの姿やファンのコメントを観てると言葉にならないものがあって、なかなか味わえない瞬間だったと思いますね。
今はやれないことが多いという逆境だからこそ、より気合が入ってるのかなって。
渋谷
いや、状況はそんなに関係ないよね?
柳沢
もともと気合はものすごく入ってたからね。逆境うんぬんと言うよりは、コロナで大変な世界になっても僕らの熱量は薄らいでない…それが確かなことです。
なるほど。前作の「予感」(2018年11月発表のシングル)では《楽しい予感のする方へ》《人生は自由》と歌ってましたけど、メジャー再契約というのは自分たちにとって面白いことを選んだ感じですか?
渋谷
そうですね。10年前メジャーに在籍してて、そのあと10年間インディーズでやってきた経緯がSUPER BEAVERにはあるじゃないですか。自主で活動を続けていく中で少しずつ周りの輪が大きくなっていって、それこそ「予感」をドラマの主題歌に起用していただいたりして、いろんな景色も見てきたから今ならメジャーに行くことに対して明確な意思を表に出せるし、何よりソニーから落ちてソニーに戻るのは面白いと思ったんです。“メジャーから落ちたら、もうこの先は音楽をやっていくことすら難しいよ”ってさんざん言われてきたんですよ、僕ら。だけど、それでも応援してくれる人の想いや力を借りながら前に進んできた。誰かにできないと言われようが、何かをやりたいんだったら貫く姿勢が大事なんだってことを、ここでひとつ体現できるのも選んだ理由ですね。やるからにはやっぱりこういう道のほうがワクワクしてもらえるだろうし、自分たちもワクワクできるので。
10年前のメジャー在籍時におそらくはしんどい経験もされた中、もう一度手を組みたいと思えた、信頼できたのはどういう部分でしたか?
渋谷
もっとも信頼できた部分は今の4人があることですね。もしも当時と何も変わってないんだったらメジャーに行く意味はないけど、いろいろ経験してメンバーのスタンスや気持ちが全然違うものになってるから、信頼し合えるこの状態であればしっかりやれると思ったんです。SUPER BEAVERの音楽がまず第一にあって、それがあるからこそ“こんなことがしたい”という…ソニーがもう一度手を差し伸べてくれた際の姿勢ももちろん嬉しかったんですが、まずは自分たちの変化が大きいかな。全部をソニーに丸投げするんじゃなくて、本当の意味で手を組んでいける感じがしてます。
上杉
自分たちマターで進んでいく、さらなる飛躍のための時期が来たというかね。僕らはメジャー落ちを経験してから団結し始めて、ずっと4人でやってきてチームで大きくしてきたけど、それは基本的にこれからも変わらないんです。“次はこういうボールを投げたい”って話してた時に、“また一緒にやりたい”と声をかけてもらったので、自然とこのタイミングでメジャーに戻ることになった感じですね。
柳沢
SUPER BEAVERの音楽をひとりでも多くの人に届けたい想いは変わらないし、この音楽を共有できる歓びを特にここ10年で知ったので、その規模をさらに大きくしていけたらなって。渋谷が言った通り、今は4人が自分たちのことを信頼できてて、何があってもブレない、バンドのスタンスが変わらない自負が圧倒的にあるんです。
藤原
メジャー落ちする直前の2010年にミニアルバム『SUPER BEAVER』を出したんですけど、その時に関わってくださった方が改めて僕らのチームに入ってたりもするんです。SUPER BEAVERのことが大好きで、インディーズで活動してた期間にもライヴに足を運んでくれて、いろいろアドバイスもしてくれたり。そういう人とまたお仕事ができること、再契約にあたってしっかりと話し合えたのは嬉しかったですね。
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悔しさや哀しさと向き合って今があるアーティスト
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