【Dragon Ash】『Dragon Ash Tour T
HE SHOW MUST GO ON』2014年2月7日
at Zepp Tokyo

撮影:久保憲司/取材:宮本英夫

 “THE SHOW MUST GO ON”というテーマに合わせて、ステージ上にはオペラ劇場風の緞帳とシャンデリア、オープニングの映像も古い映画風。これまで以上にショーアップを意識したライヴは、アルバム曲中心にノンストップで冒頭から全力疾走。「Trigger」は間奏でテンポを落としてドラマチックに盛り上げ、「Today’s the Day」はサビの大合唱で会場がひとつになる。「Blow Your Mind」ではDRI-Vが仮面を着けて激しく踊り、「The Live」では思い切り間奏を引き伸ばしてKenKenが凄まじいベースソロを決めた。

 びっくりするほどの短髪に変身しているKjは、ギターを弾きっぱなしで歌い、“暴れろ!”と煽る。MCはほとんどなしだが、YALLA FAMILYがワイルドに荒らしまくった「Still Goin’ On」のあと、“音楽がなかったらどうやって生きてくんだっていう奴らでしょ?”とジョークを飛ばし、そしてぽつり。“俺たちとお前らには音楽があるから。音楽を楽しんで。またライヴに来てください”。熱いショーの合間にふと素顔が覗くようなこんな瞬間こそ、ライヴならではの感動ポイントだ。そこからラストまでは一直線。定番チューンはもちろんのこと、それらに勝るとも劣らぬ爆発的盛り上がりを見せた「Lily」は、もはや新たなアンセムだ。

 そして、アンコールは誕生日を迎えた桜井誠(Dr)とATSUSHI(Dance)にケーキ贈呈というサプライズもあり、引き締まった本編の緊迫感とは違うはしゃいだノリになったが、これもまたライヴ。そして、ラストの曲では意味深いエモーショナル感を漂わせ、2時間のショーを締め括った。最高傑作アルバムと、最高レベルのライヴ。バンドがそこにいる限り、これからもショーは続く。



セットリスト

  1. 現在ツアー中のため、セットリストの公表を控えさせていただきます。

Dragon Ash

ドラゴン・アッシュ:1997年、Kj、IKUZONE、桜井誠の3人でデビュー。その後、BOTS、HIROKI、ATSUSHI、DRI-Vが加入し7人編成になるも、12年にオリジナルメンバーのIKUZONEが急逝。13年、現在のメンバー6人で再び前進することを決意する。今アルバムよりKenKenがレコーディングに全面参加。デビュー時よりあらゆるジャンルを驚異的なスピードで横断し、Dragon Ashとしか表現しようのない音を鳴らし続けている。