【Czecho No Republic】バンドの長所
を改めて追求したシングル
写真左上より時計回り、八木類(Gu&Cho&Syn&Vo)、武井優心(Vo&Ba&Syn)、砂川一黄(Gu&Cho)、山崎正太郎(Dr&Cho)、タカハシマイ(Cho&Syn&Per&Vo)
バンドの飛躍を印象付けたメジャー第三弾アルバム『Santa Fe』から9カ月、シンガロング必至のニューシングル「Forever Dreaming」が届いた。“ライヴ映えするチェコっぽい曲”と武井優心(Vo&Ba&Syn)も自信満々だ。
取材:山口智男
「Forever Dreaming」は冒頭のコーラスからぐいぐいと盛り上げる、とても勢いがある曲になりましたね。
シングルっぽいというか、ライヴ映えしそうな曲ですよね。キャッチーでわんぱくで、明るくエモーショナルな感じの曲をやりたいなと思ったんですよ。シンガロングできる曲は今まで何曲も出してきて、そういう曲と地続きと言えば、地続きだけど、ちょっとタイプが違う。よりアッパーで、BPMも例えば「ダイナソー」よりも速くて。だから、今回はこの一枚でいろいろな見え方があるというよりは、「Forever Dreaming」だけって感じにしたかったんですよ。それで、カップリングも「24 Factory」は新曲ですけど、その他は「Forever Dreaming」の英語バージョン、「ダイナソー」の別バージョン、それとカバーにしたんです。
「Oh Yeah!!!!!!!」を『ドラゴンボール改』に提供した時は、『ドラゴンボール』が好きすぎて、曲がなかなか作れなかったと言っていましたけど、今回は2回目ということでパキッ、スパッとできました?
いや、結構できなかったです。タイアップの話が急に決まって、期限まで2週間だからって言われて、マジかぁ〜と思いながらやってみたんですよ。そもそも2週間でも厳しいのに、なんだかんだで実質1週間しかなくて、絶対無理じゃんって思いながら(笑)、そこからひきこもって、そしたらできたんですよね。突然、ポンッと頭から順々に…というか、この曲のまんまのかたちが一瞬で全部できたんですよ。それは初めての経験でしたね。ラッキーと思いましたよ(笑)。だから、結果的に良かったんですけど、結構大変でした。なんだかんだ、曲作りは毎回そうかもしれない。でも、だから今回も大丈夫とはならない。正直、今回はもう終わりだと思いましたよ。いよいよ信用を失うなって覚悟しました(笑)。
大人っぽいイメージを印象付けた前アルバム『Santa Fe』の「Firework」や「Beautiful Days」の流れで来るのだとばかり思っていたから、こう来たか!とちょっとびっくりでした。
ファンの多くからチェコっぽいと言ってもらえるタイプの曲ですよね。原点回帰という気持ちがあるわけではないんですけど、去年の暮に『COUNT DOWN JAPAN 15/16』に出た時、すごくハッピーな空気だったんです。それで、俺らの長所ってこれなんだなって思って。やっぱり楽しくなっちゃうようなものが得意なんだろうし、『Santa Fe』でクールだったり、内省的だったりするいろいろな感じも出せたから、もう1回楽しい方向に舵を切ってみるのもいいかなと。メンバーにも言ってたんですよ。俺たちってやっぱりこっちなんだなって。それを手放してしまったらもったいないよねって。
歌詞は武井さんの気持ちですか? それとも『ドラゴンボール』の世界観に寄せました?
気持ち寄せているけど、本音に近い。
なるほど。《まだ終わりたくない やり遂げたいよ 手に入れたいんだ あの日見た夢を》というフレーズが印象的でした。
バンドとしても、ミュージシャンとしてもやり遂げてないことはいっぱいありますからね。まだまだ中途半端だなって思いますよ。
やり遂げていないことって、今、パッと思い付いたことで言ったとしたら?
逆ナンされること…そんなことを言ってちゃダメか(笑)。いや、言い出したら切りがないですよ。現状維持で満足しているミュージシャンはいないと思うし。だから、常に上を目指してます。
今回のシングルはチェコVer.とドラゴンボール超Ver.の2種類がリリースされ、それぞれの4曲目に前者は「ダイナソー」の“Daydream Version”、後者には「ロマンティックあげるよ」のカバーが収録されるのですが、『ドラゴンボール』のエンディングテーマだった「ロマンティックあげるよ」のカバーは『ドラゴンボール』のファンはもちろんですけど、チェコのファンも聴いたほうがいいですよね、これは!
それは絶対に(笑)。結構アレンジもちゃんとしているし(笑)。子供の頃は“あ〜、『ドラゴンボール』、もう終わっちゃうよ。寂しい”って思って、あまりいい印象はなかったんですけど、大人になってからどこかで聴いたんですよ。マネージャーがカラオケで歌ってたのかな。その時、こんなに攻めたアレンジの曲だったんだ!って印象が変わりましたね。単純にいい曲だし、カバーも嫌いじゃないし、タカハシさんが100パーセント歌いこなせると思ったし、それでカバーしたんですけど、オケはあえてシンプルに、自分たちの得意とするところで作っていったので、想像していた通りの仕上がりになりました。
原曲よりもアップテンポにアレンジしてますが、アレンジした時に一番意識したことは?
ギターでおしゃれなことをしたくなかったんですよ。ザ・ストロークスやそれ以降の感じにしたかった。チープではないんですけど、乾いた感じの音色で、ジャジーとかブルージーとかの感じはいらなかった。
砂川さんが2番で弾いているギターの激しいカッティングがカッコ良いですね。
カッコ良いですよね。あれ、俺が考えたんですけど、なぜか砂川さんが勝手にアレンジを変えてきたんで、“いや、弾いてもらっていいですか。結構考えたんで”ってちょっとモメました(笑)。原曲みたいなこじゃれたアレンジを入れようとしてきたから、それだったら原曲に勝てないし。絶対、こっちのほうがカッコ良いって譲らなかったんです。
タカハシさんの歌も見事にはまりましたね。ファンはチェコ Ver.に加え、ドラゴンボール超 Ver.も買ったほうがいいですね。
そう思います。ぜひ、それを書いておいてください(笑)。
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