年バレしちゃう!?　テレ朝木曜夜7時
台枠でやってた懐かしアニメの原作

木曜日の夜7時台のテレビといえば昔から長寿番組が多い枠だが、昭和末期から10年間ほどはアニメが放映されていたのを覚えている方も多いのではないだろうか。

10年ほどの期間だったが、その間に放映されたアニメは「つるピカハゲ丸くん」にはじまり、「ハーイあっこです」「クッキングパパ」「H2」「ガミー・ベアの冒険」「エスパー魔美」「夢冒険！チンプイ」「21エモン」「平成イヌ物語 バウ」「魔法陣グルグル」「怪盗セイント・テール」など、なかなかの名作揃いの枠でもある。
今回はそんな木曜7時台にテレビ朝日系アニメとして放映された原作漫画を紹介しよう。

1992年から放映された「クッキングパパ」は、1985年からモーニングで連載され、現在も続いている超・長寿漫画だ。主人公のクッキングパパこと荒岩一味はいかついサラリーマンだが、家庭に帰れば愛する妻と子どものために料理の腕をふるい、子どものお風呂も担当する元祖・イクメンパパ。仕事は厳しいが、部下にも手料理をそっと差し入れる素敵な上司でもある。残業の夜に手作りのアイスクリームを差し入れてくれたり、風邪を引いた部下の家で料理を作ってくれたりと、クッキングパパの優しさは半端なものではない。連載当初の主人公は自分が料理している事を隠そうとするツンデレな一面もあったのだが、51巻頃からはオープンになっているようだ。

またアニメでは番組の最後に料理の作り方を紹介する「今晩のうまかもん」というコーナーもあり、家族で楽しめる内容となっていた。
料理漫画によくある対決などはなく、あくまでも日常のなかで楽しむグルメを中心としたあたたかな人間関係を描く内容であり、そういったほのぼのとした作風が長寿連載の秘訣なのかもしれない。最初は一人息子だけだった荒岩家に長女が生まれ130巻の時点では小学校6年生になっているなど、荒岩家の成長にも驚くばかりだが、この2015年で連載30年になるらしく、長年の人気漫画を讃えて今年は2015年講談社漫画賞の特別賞が授与されている。この機会にぜひ読み返してみては？

「月刊少年ガンガン」で連載されていた本作は、勇者と魔法使いが魔王を倒すための旅にでるというベタな勇者ストーリーながら、ドラクエなどのRPGゲームや有名ファンタジーのパロディがどっさり詰まったギャグマンガでもある。グルグル世界と呼ばれる世界で、勇者に選ばれた少年・ニケと、グルグルという魔法を使える少女・ククリが出会い、ふたりは世界征服を目指す魔王・ギリを倒す旅にでる。打倒魔王のために奮闘する二人のストーリーがメインではあるのだが、主役よりも存在感のある「キタキタおやじ」の謎の踊りや、失敗する度に不思議なものを呼び出してしまう魔法陣、そしてドラクエ風のメッセージウィンドウでのツッコミなど、当時アニメを見ていた世代ではこれらの印象的な設定を覚えている方も多いだろう。

アニメ版は途中からオリジナルストーリーになっているため、原作では漫画とは違うストーリーが楽しめるはずだ。また2012年からは続編の「魔法陣グルグル2」の連載も開始されているので、ぜひこちらもチェックしたい。

人気少女まんが雑誌「なかよし」で掲載されていた、立川恵の代表作。主人公の羽丘芽美は聖ポーリア学院の中等部に通う学生だが、夜になると犯罪に巻き込まれた「迷える子羊」たちを救うべく「怪盗セイント・テール」となって活躍する。一流マジシャンとして活躍する父親と、その昔怪盗をしていたという母との間に生まれた芽美の盗みの手口と手品のテクニックは一級品。親友の深森聖良は見習いシスターとして「迷える子羊」たちの悩みを聞きつつ、ずば抜けた情報収集能力で芽美をアシストする。「主よ、タネも仕掛けもないことをお許しください」という決め台詞もなつかしい。

「ルパン三世」や「キャッツ・アイ」とも共通するスタイリッシュな泥棒のイメージに加え、マジシャンとしての能力を使った鮮やかな手口は青山剛昌の佳作「まじっく快斗」にも通じるものがある。また女の子が正義のヒーローとして活躍するのは同じく人気だった少女漫画「美少女戦士セーラームーン」にも共通する点だが、本作は闘いよりも、あくまで怪盗として盗みを主に行っている。怪盗稼業をつづけるうちに、セイント・テールを追うヒーロー・飛鳥大貴も登場。追い追われる関係でありながら、互いに惹かれてしまうふたりの恋の行方も見逃せない！