ミスチルや平井堅らのヒット曲に見ら
れる「小悪魔コード進行」とは? 亀
田誠治とスキマスイッチが解説
(参考:J-POPのヒット曲に多用される“純情コード進行”とは? 亀田誠治とスキマスイッチが仕掛けを分析)
冒頭、亀田は「ありとあらゆる名曲に使われている」として「F→G(G/F)→Em→Am」という多用されているコードを“小悪魔コード進行”と名付けて説明、その代表例としてケツメイシ「さくら」、Mr.Children「HERO」、平井堅「瞳をとじて」を挙げた。スキマスイッチの大橋卓弥は小悪魔コード進行について「音楽を始めたころに一番初めに覚えたコード進行。これを知っておけば色々な楽曲を弾けるようになる」と語るなど、アーティストの間でもかなり浸透しているコード進行のようだ。
・“小悪魔コード進行”は万能でJ-POPのどこでも使える
亀田は自身が手掛ける楽曲にも小悪魔コードを多用するそうで、「扱いは僕に任せてくれというくらい」と自負。コードの仕組みについては、「F→G(G/F)から明るい主和音(曲のキーとなる和音)のCに向かって着地すると見せかけて、暗いEmに繋がる。迫ってきたと思ったら突き離される、答えが出ない情景を作り出すコード」と解説した。
続いて亀田とスキマスイッチは、同コード進行が永続的にループできることも特徴のひとつだとし、Cで抜ける「小悪魔と決別したパターン」と、Amで抜ける「小悪魔と離れられないパターン」を実演。大橋「このコードは色んな結末に行けるし、どのコードの間にも入れる」とし、Aメロ、Bメロ、サビ、J-POPのどこでも使うことができる万能コードであると語った。
・「小悪魔を食い止める」“分数コード”
亀田は「小悪魔に押し出されるのをグイッと食い止める方法がある」とし、例としてスキマスイッチの代表曲「全力少年」を挙げた。大橋は同曲に「F→G→Em→Am」ではなく「G/F」の分数コードを使用し、「F→G/F→Em→Am」という進行に変えていると語ると、亀田は「Fが踏ん張ることによって再低音がキープされ、メロディーの動きが引き立つ」と解説。大橋はこの些細な変更を加えた理由について「いかに悟られずに気持ちを揺さぶるか」と、楽曲に込めたタネを明かした。
・“小悪魔コード進行”の進化系“泣きの進行”
番組後半では、亀田が“小悪魔コード進行”の進化系として“泣きの進行”があると「F→G→Em→Am」で「Em」を「E7」に変える形を紹介。スキマスイッチの常田真太郎はそれによってこみ上げる思いを表現することができるとし「ループを最後に変えたい時に使って、『終わるのかな?』って思わせる」と、クライマックスへの盛り上がりの際にもピッタリの進行だと語った。
また、亀田は自身が手掛けた平井堅の「瞳をとじて」でこのコードを使用しており、「サビの1周目は小悪魔、2周目で泣きを入れた」と、意図的に使い分けてヒット作を作り上げたことを紹介した。
番組の最後では、常田が「作るうえでの力強さや切なさを盛り込んだコード進行なので、曲を作りたい方はここから入っていくといい教材になると思う」と、作曲の勉強に向いている進行であることを語ると、亀田が「小悪魔コード進行は、J-POPらしい侘び寂びをいとも簡単に表現できる魔法のコード。だから頼りすぎてしまう傾向もあったりする」と警鐘を鳴らした。続けて「『どこかで聴いた曲』で終わる可能性があるから、アーティストは歌詞や“泣きの進行”、分数コードを使って工夫する。どれだけ翻弄されても負けないくらいの思いを曲に込めて、末永くこの小悪魔ちゃんを可愛がってあげてください」と語り、番組は終了した。
そのほか、亀田が音楽にまつわる場所を探訪する「亀さんぽ」というコーナーでは、日比谷野外音楽堂のルーツである小音楽堂を訪れた今回の放送。次回11月14日の放送ではゴスペラーズをゲスト講師に迎え、「ハモハモ大作戦」を講義する予定だ。(向原康太)
冒頭、亀田は「ありとあらゆる名曲に使われている」として「F→G(G/F)→Em→Am」という多用されているコードを“小悪魔コード進行”と名付けて説明、その代表例としてケツメイシ「さくら」、Mr.Children「HERO」、平井堅「瞳をとじて」を挙げた。スキマスイッチの大橋卓弥は小悪魔コード進行について「音楽を始めたころに一番初めに覚えたコード進行。これを知っておけば色々な楽曲を弾けるようになる」と語るなど、アーティストの間でもかなり浸透しているコード進行のようだ。
・“小悪魔コード進行”は万能でJ-POPのどこでも使える
亀田は自身が手掛ける楽曲にも小悪魔コードを多用するそうで、「扱いは僕に任せてくれというくらい」と自負。コードの仕組みについては、「F→G(G/F)から明るい主和音(曲のキーとなる和音)のCに向かって着地すると見せかけて、暗いEmに繋がる。迫ってきたと思ったら突き離される、答えが出ない情景を作り出すコード」と解説した。
続いて亀田とスキマスイッチは、同コード進行が永続的にループできることも特徴のひとつだとし、Cで抜ける「小悪魔と決別したパターン」と、Amで抜ける「小悪魔と離れられないパターン」を実演。大橋「このコードは色んな結末に行けるし、どのコードの間にも入れる」とし、Aメロ、Bメロ、サビ、J-POPのどこでも使うことができる万能コードであると語った。
・「小悪魔を食い止める」“分数コード”
亀田は「小悪魔に押し出されるのをグイッと食い止める方法がある」とし、例としてスキマスイッチの代表曲「全力少年」を挙げた。大橋は同曲に「F→G→Em→Am」ではなく「G/F」の分数コードを使用し、「F→G/F→Em→Am」という進行に変えていると語ると、亀田は「Fが踏ん張ることによって再低音がキープされ、メロディーの動きが引き立つ」と解説。大橋はこの些細な変更を加えた理由について「いかに悟られずに気持ちを揺さぶるか」と、楽曲に込めたタネを明かした。
・“小悪魔コード進行”の進化系“泣きの進行”
番組後半では、亀田が“小悪魔コード進行”の進化系として“泣きの進行”があると「F→G→Em→Am」で「Em」を「E7」に変える形を紹介。スキマスイッチの常田真太郎はそれによってこみ上げる思いを表現することができるとし「ループを最後に変えたい時に使って、『終わるのかな?』って思わせる」と、クライマックスへの盛り上がりの際にもピッタリの進行だと語った。
また、亀田は自身が手掛けた平井堅の「瞳をとじて」でこのコードを使用しており、「サビの1周目は小悪魔、2周目で泣きを入れた」と、意図的に使い分けてヒット作を作り上げたことを紹介した。
番組の最後では、常田が「作るうえでの力強さや切なさを盛り込んだコード進行なので、曲を作りたい方はここから入っていくといい教材になると思う」と、作曲の勉強に向いている進行であることを語ると、亀田が「小悪魔コード進行は、J-POPらしい侘び寂びをいとも簡単に表現できる魔法のコード。だから頼りすぎてしまう傾向もあったりする」と警鐘を鳴らした。続けて「『どこかで聴いた曲』で終わる可能性があるから、アーティストは歌詞や“泣きの進行”、分数コードを使って工夫する。どれだけ翻弄されても負けないくらいの思いを曲に込めて、末永くこの小悪魔ちゃんを可愛がってあげてください」と語り、番組は終了した。
そのほか、亀田が音楽にまつわる場所を探訪する「亀さんぽ」というコーナーでは、日比谷野外音楽堂のルーツである小音楽堂を訪れた今回の放送。次回11月14日の放送ではゴスペラーズをゲスト講師に迎え、「ハモハモ大作戦」を講義する予定だ。(向原康太)
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