ロイヤル・バレエ『くるみ割り人形』
はライジング・スター&若手日本人ダ
ンサーの活躍にも注目を~「英国ロイ
ヤル・オペラ・ハウス シネマシーズ
ン2023/24」

英国はロンドンのコヴェント・ガーデン、ロイヤル・オペラ・ハウス(ROH)で上演された、ロイヤル・オペラ、ロイヤル・バレエ団による世界最高峰のオペラとバレエを、特別映像を交えてスクリーンで体験できる人気シリーズ「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン」。ライブでの観劇の魅力とは一味違う、映画館の大スクリーンと迫力ある音響で、日本にいながらにして最高峰のオペラとバレエの公演を堪能できる、至福のひとときが味わえる。今シーズンは「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2023/24」として、全8作品<バレエ4作品/オペラ4作品>が届けられる。
2024年2月16日(金)より、TOHOシネマズ 日本橋ほか全国で1週間限定公開されるのが、ロンドン冬の風物詩として愛されるロイヤル・バレエの『くるみ割り人形』だ。本作の見どころを、舞踊評論家・森菜穂美氏の解説とともに紹介する。
【動画】The Royal Ballet: The Nutcracker 2023 cinema trailer

ロイヤル・バレエで上演されているピーター・ライト振付の『くるみ割り人形』は数ある『くるみ割り人形』の中でも、物語がしっかりしているドラマチックさ、夢と冒険がいっぱいのファンタジー性、華やかな金平糖の精の場面で、最も人気のあるプロダクションの一つであり、1984年に初演されて以来、570回以上も上演されている。チケットも発売と同時にすべての公演が売り切れるほどだが、本拠地ロイヤル・オペラ・ハウスでしか上演されていない。それを日本の映画館で観ることができるのが、このシネマシーズンの魅力だ。
Anna Rose O’Sullivan and Marcelino Sambé of The Royal Ballet in The Nutcracker (c) 2023 ROH.
多くの『くるみ割り人形』では、クララ役を子役ダンサーが踊り、2幕ではお菓子の国の祝宴のお客様として座っているだけという演出が主流だ。だがロイヤル・バレエのピーター・ライト振付『くるみ割り人形』では、「クララと、くるみ割り人形から元の姿になったハンス・ピーターは、雪の場面や、お菓子の国における各国の踊り、さらには花のワルツの中でもパワフルに踊って、最初から最後まで大きな存在感を見せている。各国の踊りは、時代に合わせて改訂が加えられ、ロシアや中国のダイナミックな動きは特に観客を沸かせている」と森氏は本作ならではの見どころを語っている。
Anna Rose O’Sullivan and Marcelino Sambé of The Royal Ballet in The Nutcracker (c) 2023 ROH. Photographed by Andrej Uspenski
今回、クララを演じるのは、2018年に入団して以来、頭角を現しているソフィー・アルット。清楚な可愛らしさと共に知性も感じさせ、柔らかい動きが魅力的で卓越したクラシック技術を持つ。
Sophie Allnatt of The Royal Ballet in The Nutcracker, The Royal Ballet (c) 2023 ROH.
ハンス・ピーター役には、若手ソリストのレオ・ディクソン。シネマ上映の『ドン・キホーテ』ではワイルドなロマの首領、また別の公演ではエスパーダ役デビューも果たした期待の星だ。
Leo Dixon as Hans Peter with Taisuke Nakao and Joshua Junker in the Russian Dance, The Nutcracker (c) ROH 2023 Photographed by Alice Pennefather
森氏は「これからの成長が期待される〝推し“を見つけることができるのもシネマの魅力である。」とオススメしており、ロイヤル・バレエのライジング・スターにも是非注目していただきたい。
毎回日本人ダンサーの活躍を見ることができるのを楽しみにしている人も多いはず。冒頭、鮮やかな跳躍で目を奪うドロッセルマイヤーのアシスタント役は、2013年に世界最大のバレエコンクールであるユース・アメリカ・グランプリのホープアワードを10歳で受賞した五十嵐大地が演じている。五十嵐は今シーズン、ハンス・ピーター役にも抜擢されており成長が目覚ましい。
1幕では兵士、2幕ではロシアを演じた中尾太亮は今シーズンソリストに昇進し、ハンス・ピーター役を演じているホープで、美しいつま先や高い跳躍が見もの。
Taisuke Nakao in The Nutcracker (c) ROH 2022. Photographed by Asya Verzhbinsky
中尾と対で踊るヴィヴァンデール(人形)、そして花のワルツのリードを踊る佐々木万璃子は、金平糖の精、そしていよいよ4月には『白鳥の湖』で待望のオデット/オディール役を演じるなど、確実にプリンシパルへと近づいており、確かな技術のみならず華やかさも身につけてきた。
Mariko Sasaki in The Nutcracker Photographed by Andrej Uspenski
世界最高のロイヤル・バレエのトップダンサーによる、バレエの魔法に夢見心地の2時間36分をぜひ映画館で過ごしていただきたい。
※森菜穂美氏(舞踏評論家)による『くるみ割り人形』解説全文は下記URLにて閲覧可能です。

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