手越祐也が同世代アーティストとコラ
ボ、ミニアルバム『絆 -KIZUNA-』発
売記念インタビュー

2021年7月7日にソロデビューして以降、音楽番組『スぺプラ手越』などを通して様々ジャンルのアーティストたちと共演してきた手越祐也。これまで『スペプラ手越FES.2022』や『2ペプラ手越 TWO MAN ZEPP TOUR』でアーティストたちとの対バンやツーマンライブを行ってきた彼が、満を持してコラボ作品をリリースする。参加したのは田邊駿一(BLUE ENCOUNT)、金井政人(BIGMAMA)、眉村ちあき、山田海斗・竹中雄大(Novelbright)、マイキ、井上竜馬(SHE'S)といった、同世代のアーティストたち。そんな彼らからの「素晴らしいプレゼント」となったミニアルバム『絆 -KIZUNA-』について話を訊いた。
手越祐也
──1月24日リリースのミニアルバム『絆 -KIZUNA-』は、音楽を通じて手越さんが出会ってきた方々が楽曲を提供しています。みなさんにはどんなリクエストをしたのでしょうか?
バンドやソロシンガーといった、ご自身でも音楽の表現をされているアーティストばかりなので、あまり多くのことをリクエストしてしまうと、楽曲提供をお願いする意味がないですから。基本的にはすべてお任せしています。僕から唯一リクエストさせていただいたのは、大枠のところですかね。全部がラブバラードになってしまう可能性もありますから、似たものにならないように。例えば(眉村)ちあきちゃんには「ちあきちゃんっぽいラブバラードがいいな」とか、Novelbrightのふたりには「社会に向けてのメッセージや強い意志を曲にしてほしい」といった、大枠のリクエストだけさせていただきました。
──曲が出揃ったときに、どんなことを感じましたか?
スぺプラ手越などで共演して、すぐ隣で僕の歌声を聞いてくれている人たちなので「手越に歌わせるんだったら、こういう曲がいいんじゃないかな」と思って作ってくれたことがひしひしと伝わってきました。一つひとつの曲に、それぞれのアーティストの個性が強く出ていて、オールスターみたいなアルバムになりましたね。
──「こういうアプローチでくるか」と思った曲などは?
金井(政人)くんの「face to face」と、ちあきちゃんの「Lover」に共通するのが……これまで歌ってきた僕の曲って、ハイトーンで声を張るものが多いんですよね。サビに高いところの音をパーンと出す感じ。でも、このふたりは「ハイトーンだけじゃなくて、手越さんのレンジの広さを引き出すような曲にしたい」と、たまたまなんですけど、同じことを言っていて。「face to face」は元々このアルバムで出しているキーの曲でしたが、「Lover」は仮歌のちあきちゃんのキーから始まって、半音ずつ下げて歌ったバージョンを6つくらい送って「どのキーがいい?」と聞いたんです。そうしたら、僕が「これを選ぶかな?」と思っていたものよりも低いキーをちあきちゃんが選んできて。「この曲は“君”を追いかける弱い手越さんでいてほしいから、『どうも手越です!』みたいに張る感じじゃなくて、張らないレンジで弱々しさを表現したいです」と言ってくれたんです。それってやっぱり、僕の歌声をすぐ隣で聞いたり、一緒にトークしたアーティストだからこそできる提案じゃないかと思うんです。
──「face to face」は中性的なヴォーカルが印象的でした。
レコーディングが始まって何度か歌ってみて、「この曲は地声でガーンと出すんじゃなくて、ブレッシーな歌声の煌びやかな部分を出したほうが良さそうだな」と思ったんです。息を多めにしたほうが、女の子特有の儚さが出るだろうし。全体のキーがそんなに高くないなかで、「見た目の綺麗~」のところでわざとオクターブ上の声も出しているんですが、そこも強く歌うんじゃなくて、女の子っぽい声の出し方を意識して歌いました。
──レコーディングで歌っていて「気持ちいい」と特に思った曲は?
「everlasting」と「My Own Beat」かな。超気持ちいいです(笑)。「everlasting」は“チーム手越”のバンマスSinさんが編曲してくれて、いつもツアーを一緒に回ってくれるバンドメンバーが演奏してくれたので……バンドレコーディングにも全部立ち会いましたが、「たぶん俺はこういうふうに歌うと思うから、こんな感じで弾いてほしい」っていうのをその場でSinさんにリクエストしました。作詞・作曲してくれた田邊(駿一)くんの仮歌だと、サビも結構ファルセットで歌っていたんですね。でも、Sinさんのアレンジを聞いて「地声で張ってもいいな」と思って、1番と2番のサビは地声とファルセットを織り交ぜて、歌詞に込められた儚さやこれまでの苦労をイメージして歌うようにしました。対して最後のサビは、それらをふまえたうえで仲間やファンのみんなが居てくれていることに「ありがとう! みんなでここから一緒に進んで行こうぜ!」という決意を込めて……転調して半音上がるんですが、地声でパーンと音を出して、思いを解放するようなイメージで歌っています。バンドレコーディングに立ち会ったからこそ、自分が表現したいものやそれを可能にする歌い方が明確になって、歌っていてもすごく気持ちよかったです。「My Own Beat」もSHE'Sらしい、本当に美しいメロディーラインの歌詞で。「everlasting」と同様に、僕のことやファンのみんなのこと、今僕が進んでいる道のりなどを歌にしてくれた楽曲なので、歌うときに気持ちも入りやすいですし、なにより僕はサビのメロディーが大好きなんです。「愛してる」で曲が終わるのもいいし、キレイな曲で気持ちよく歌えました。
──「Gluttony」は速いテンポのロックサウンドで、歌うのが難しそうだなと思いました。
キーがとにかく高い! 速いし、息継ぎができるところがないし(笑)。本当に大変な曲だけど、歌っていて超楽しいんです。こういう曲は表現の仕方が無限大なので……ライブではディストーションボイスでガーンと歌ってもいいし、あえて引いて歌ってもいいし。その日のステージから見える景色だったり、自分のテンションによって歌い方が変わる曲だろうなと思っています。早くリハで歌ってみたいです。腹筋が超キツくなる曲ですけどね(笑)。僕、Novelbrightの(山田)海斗と(竹中)雄大にちゃんとリクエストしたんですよ。「踊りながらハイトーンで歌う曲を連発して、息が上がった状態で次の曲を歌うこともよくあるから、そのへんも考えて作ってね」って。でも、やっぱり超えてきちゃいましたね(笑)。彼らも僕と共演しているので、「手越さんだったらコレ歌えるだろうって、張りきっちゃいました」って(笑)。そうやって作ってもらえるのは本当にありがたいですし、共演したことがなかったら、こんなに難易度が高い曲は作ってもらえないと思います。
──実際に共演して、ヴォーカリストとしての手越さんを知っている方たちだからこそできた曲の数々なんですね。
楽曲提供ってよくありますが、実際にその人と共演して楽曲提供をすることって少ないと思うんです。でも今回の『絆 -KIZUNA-』という作品は、すぐ隣で僕の声を聞いたり、僕の人間性を知ってくれた人たちからの素晴らしいプレゼントなので、作品としての重みや詰まっている熱量がハンパないですよね。好きな音楽や聞いてきた曲も、やっている音楽だって違うみんなが僕にプレゼントしてくれた曲たちには、これまで僕のなかになかった音の成分もたくさん入っています。それらを自分の曲として歌えることがすごく嬉しいですし、次のツアーに向けて練習していくなかで、どんどん吸収していければいいなと思います。アーティストとしても、ヴォーカリストとしても、スキルアップするためのいろんな栄養を与えてくれる6曲なんじゃないかなと思います。
──ちなみに、曲をお願いしてからどのくらいの時間で手越さんのもとに届いたのでしょうか?
アーティストによってスピードの違いはありますが、曲をお願いしてからレコーディングが完全に終わるまで、1か月から2か月くらいだったと思います。例えば「everlasting」を作ってくれた田邊くんに関しては、スぺプラ手越でBLUE ENCOUNTと対バンしたときに少し話して、「こういうイメージなんだよね」、「オッケー。とりあえず2、3曲書いてみるね」ってところから始まったり。ちあきちゃんは「手越さんって好きな言葉ありますか?」みたいなことをいくつか聞いてくれたり。みんな僕のことをよく理解してくれているので、やり取りもすごくスムーズでした。
──コラボ作品を作りたいという思いは以前からあったのでしょうか?
ありました。それはスぺプラ手越という番組のおかげですが……MCとしてゲストアーティストの音楽史を調べて、インタビュー記事を読んで、曲を聞き込んでから番組に臨むので、相手のことをすごくたくさん知れるんです。そのうえでセッションやトークをして、「今日は楽しかったね! また何か一緒にやりましょうよ!」ってなるんですが、僕は社交辞令で終わらせたくなくて。せっかくのご縁で素敵な時間を共にできたからには、絶対にまた一緒に何かやりたい。その思いをすぐ行動に移せるのが、いま僕が置かれている環境の良いところであって。だから、実現させるまでのスピードはすごく速かったです。
『絆 -KIZUNA-』(TYPE-A)
──暗闇に差し込む光の上に立つ手越さんの姿をとらえたTYPE-Aのジャケットと、明るい窓際で穏やかな表情をみせる手越さんをとらえたTYPE-Bのジャケット。これらのビジュアルに込めた思いとは?
まず、2種類作ることは決まっていたので、差別化をしたかったのが大前提にあります。Aは『絆 -KIZUNA-』という作品を表現したビジュアルで、Bは……僕の顔が好きなファンの子たちに向けたビジュアルです(笑)。やっぱりねえ?「引いて全身を撮った写真じゃ物足りない! 顔がもっと見たい!」っていう子たちの欲求も満足させてあげたいじゃないですか。そのためにBのビジュアルを作りました。Aのビジュアルについては、「絆」というタイトルにもかかってくるんですが……独立した当初は僕の周りから去っていく人がたくさんいて、「え? こんなにいなくなるもんなの?」って闇を一度味わって。でも、努力を怠らずにソロ活動をやっていくうちに、サポートしてくれる人が周りに増えてきて、闇のなかに光が差し込んできたような気持ちになったんです。その光が今はぶわーっと広がってきていることを感じていて、そういった思いをビジュアルに落とし込んだのがAのジャケットです。丸一日、色んなシチュエーションで撮影して、光と影の感じも試行錯誤して、「これだ!」と思ったものを選びました。
『絆 -KIZUNA-』(TYPE-B)
──AとB、それぞれに昨年11月に行った『手越祐也 BIRTHDAY LIVE 2023』のスペシャルアレンジ音源がボーナストラックとして入っていますね。
僕はライブ毎に歌い方や表現を変えるので、ライブに来てくれたファンのなかには「ライブでの歌い方が好き」という方も結構いるんですよね。もちろん、リリースした音源も自信作なんですが、昨年10月に『手越祐也 LIVE TOUR 2023「CHECKMATE」』のライブデジタル音源を配信リリースしたときに、ものすごい評判が良かったんです。「やっと移動中にもライブの音源が聞けるようになって嬉しいです」って言ってくれる方たちもいましたから。今回ボーナストラックに入っているのはBillboard Live YOKOHAMAという素晴らしい音響空間で行われたライブの音源なので、より楽しんでいただけると思います。このときのライブって、バンマスのSinさんにプロデュースを丸投げしたんです。普段は僕が全部やっているんですが、「俺のバースデーだから、Sinさんがプロデュースしたライブをプレゼントしてよ」って(笑)。アレンジも曲順も構成も全部Sinさんが考えてくれた、僕のなかでは特別なライブだったので……なかでも、自分で作詞・作曲した「プロポーズ」、ギターと歌だけで聞かせる「CLOSE CALL」、スキャットを入れた「Just Right」、Sinさんのピアノと奏でる「サイダー」、この4曲をボーナストラックに入れたらいいんじゃないかなと思いました。僕自身、今もこのボーナストラック4曲をずっと聞いています。
──2月1日から、本作をひっさげて『手越祐也 LIVE TOUR 2024 絆 -KIZUNA-』が始まります。
全国5か所、2公演ずつのツアーを予定していますが、1日目と2日目のセットリストを変えるのが大きな目玉となっています。すっごく大変なんですけどね!(笑)被る曲もあるとはいえ、準備が倍近くいりますよね。当たり前なんですけど(笑)。
──なぜチャレンジすることになったのでしょうか?
なんでだろう?(笑)。昨年8月にやった『手越祐也 Symphonic Concert 2023 Vol.2』で、昼公演と夜公演のセットリストを変えたんですよね。そうしたら、来てくれたみんなに喜ばれちゃって(笑)。それに慣れるのも良くないと思うんだけど……周りのスタッフたちも「大変だけど、やるしかないですよね」と言ってくれたので、「じゃあやるか!」って感じですね。セットリストが違うと、同じ曲だからといって同じ照明じゃダメですから、やっぱり全部が倍になりますよね(笑)。でも、1日目と2日目が違う内容だなんて、来てくれた人にとっては絶対に楽しいじゃないですか。大変だけどやるしかないです。今の僕だからできることだと思うし、僕にしかできないと思うのでね。
──ミニアルバムのリリースとツアーから始まる2024年ですが、どんな1年になりそうですか?
ソロデビューしてから今まで、「去年のほうが良かったな」と思うことが一度もないので、2024年もきっとそうなると思っています。僕としてはこれまでと変わらず努力を続けながら、蓄積されてきた実力や経験を思いっきり発揮して、ファンのみなさんや周りの人たちを楽しませたいですね。きっとすごく良い1年になるでしょうし、みんなで最高の1年にしたいですね。
──最高の1年の始まりは、ミニアルバム『絆 -KIZUNA-』からですね。
いつも応援してくれているみんなにとっても、僕との絆をさらに深めてくれるようなアルバムになると思います。欲を言えば、これまで僕の音楽を一度も聞いたことがない人や、楽曲提供してくださった各アーティストのファンの方にも……配信でもいいので聞いていただきたいです。本当に素晴らしい楽曲をみなさんに作っていただいたので、きっと何かしら刺さるところがあるんじゃないかと思うんです。そうして少しでも興味を持ってもらえたら、ぜひライブにも来ていただきたいですね。僕自身、手越祐也の真骨頂はライブにあると思っているので、みなさんに作っていただいた素晴らしい楽曲たちをさらに輝かせるライブパフォーマンスをお見せする自信があります。
取材・文=とみたまい  写真=フォーライフミュージック提供

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