[ kei ]、今年最後のワンマンライブ
公式レポート到着 次回2月公演のア
ートワーク&詳細を解禁

12月24日に渋谷STREAM Hallで開催された[ kei ]の2023年最後のライブのオフィシャルレポートが到着した。

[ kei ]が2023年を締めくくる今年最後のワンマンライブ『-232』を12月24日、東京・渋谷STREAM Hallにて開催した。
BAROQUE無期限活動休止後、ギタリストとして、シンガーとして、さらには音楽家としても進化し続けている[ kei ]にとって、2023年は決断続きの1年となった。まずはアーティスト名を圭から[ kei ]へと変更。その後[ kei ]としてのデビューシングル「MIRACLE」発売後は、長年所属していた事務所からの独立を発表。そうして独立後、新しい門出となった自身のバースデーライブには『-365』というタイトルをつけ、1人になった自分はアーティストとしてどんな“可能性”があるのか。そのポテンシャルに、この瞬間から1年間かけて挑んでいくという決断のもと、ここから逃れられないように自らにカウントダウンを課すという大勝負に出た。そうやって、誕生日から始まった[ kei ]のカウントダウン。その数字をタイトルに掲げたのが、今回のライブ『-232』である。
そもそもBAROQUEというバンドがヴィジュアル系のなかで、革命的で異色な存在であったように、ソロになった[ kei ]もまた、ギタリストでありながらシンガーという肩書きを背負ってセンターに立ちながらも、そのライブは「これはどんなジャンルの音楽なんだろう」と思わせる独自のカラーを放っているのは明らかだ。
前回から約3カ月のインターバルをおいた『-232』。
本公演のなかで、新しさを感じたのはとくに前半戦だった。サポートメンバーの植木建象(Dr)、高松浩史(Ba/ The Novembers, Petit Brabancon)とともにステージに現れた[ kei ]は、1曲目からいきなり新曲「LADY BLUE」を初アクト。ヴォーカリスト=自分を想定して作ったこちらは、冬のアップチューン。続けて、バースデーライブで初披露したトロピカルな「PIXIE」を披露すると、季節はいっきに夏へとシフト。2曲歌ったところからインスト「longing star.」ではヴォーカルがギターの旋律に入れ替わる。開放感たっぷりに身体を高揚させていくビート、ギターフレーズでオーディエンスを天空まで羽ばたかせていったあとは歌とインスト、両方の側面を持った「the blueroom.」の一風変わった変拍子のエレクトリックサウンドで、観客の心の奥底にある歪んだ世界の扉をノックして鍵を外す。そして、インスト「eve.」で、イノセントで幻想的かつ神秘的な世界と、絶叫するように泣き叫ぶギタープレイを交互に浴びるうちに、観客たちはいつの間にか自分の中で歌とインストの境目がなくなっていることに気づく。これが[ kei ]のライブマジックだ。
このあとステージからリズム隊がいなくなると、当日までシークレットだった公演数日前に急遽発表されたピアノのクロサキヒロミがゲストとして登場。そうして、クロサキのピアノをバックに、ギターをハンドマイクに持ち替え、[ kei ]が歌い出したのは「YOU」だった。歌もの、インストに続いて、この日はピアノ演奏をバックに[ kei ]がフロントでハンドマイクを持って熱唱するパフォーマンスも飛び出した。ライブは始まったばかり。なのに、サウンドもパフォーマンスの形も曲ごとにどんどん変化していく。こんなライブができてしまうギタリストは他にはいないだろう。「YOU」でとびっきりスイートな言葉を歌にのせ、オーディエンスにプレゼントしたあとは「ロマンチックな空気はここまで。ここからはどん底までいくよ!」と[ kei ]はフロアにいい放ち、ギターを構えてインスト「monolith.」へ。
さっきまで甘くロマンチックな気分に浸っていた世界は木っ端微塵に消えてなくなり、観客たちは時空が歪んでいくなか、地獄の底を彷徨うサウンドのなかに身を置くことになる。そうして、次のインスト「empyrean.」では天空に天使が舞うようなファンタジックでサイレントな音と、人間のドロドロした感情のようにアンサンブルが絡み合って暴走(この日は3人のスイッチが入り、かなりのそのモードに!)していくサウンドを一挙に浴びることに。バンドサウンドと同時にギターの様々なエフェクト音、同期音も重要視する[ kei ]のステージでは、どんなにサウンドが変わろうが、音響システムが積み重なった音の繊細まで丁寧に拾って聴かせてくれるため、フロアで曲を聴いているとサウンドがより立体的に浮かび上がり、脳内や心のなかで彼の音楽がヴィジュアル化されていく。そこも、彼のライブの魅力だろう。
こうして、歌ものだろうがインストだろうが、天国から地獄、心の奥底の宇宙から天空の宇宙までなんでも受け止められる状態にオーディエンスがなっていったところで、[ kei ]はこの日2曲目となる新曲「TRUE STORY」を初パフォーマンス。スローなテンポで始まり、途中からアップテンポへと切り替わるポップチューンの歌唱を届けたあとは、四つ打ちのグルーヴィーなリズムとギターが激情的なプレイで激しくぶつかりあうインスト「the sin.」、そこからバースデーライブで初披露したメロディーメーカーとしてのセンスを感じさせる歌もの「THE CURSE」へとつないでみせた。
ここまでひたすら演奏してきた[ kei ]は、この後トークコーナーへ。本公演のセットリストについて「いつもと違う感じがしない?」とフロアに問いかけ「それぞれ曲のつながりを考えて作ったんだけど。落差、ヤバイね。いつものことだけど。森羅万象がこの世の中。闇を知ってるからこそ光が生きるんだよ」といってニヤリ。そうして「ここからは定番曲。曲にまみれて、眠りたい。眠りたい?」と自分の発言を観客と一緒に笑い飛ばしながら「今年最後のスーパージャンプを!」とフロアを煽り、「STAY」からライブは再開。
ハッピーな笑顔を浮かべ、観客たちが一斉にクラップとジャンプを繰り出すキラキラのポップチューンで一気に場内のテンションをあげていく。しかし、そのあとはダークで無機質なビートとトランシーなシンセが不穏な空気の中で鳴り響く「SIN QUALIA」で、キラキラを一撃。ここで悪魔を召喚したあとは、スピーディーな「I LUCIFER」で本能の衝動まま荒れ狂うようなエキサイティングなステージへと駆け上がる。興奮したフロアから歓声と拍手が湧き上がる中、[ kei ]は着ていた黒いジャケットを脱ぎ、白シャツ姿になって次の「cry symphony.」を歌唱。美しいサウンドスケープに吸い込まれ、脳内に壮大な宇宙が広がったところに「MIRACLE」を投下。それをバラード「ETERNAL HEART」へとつないでいき、やさしい温もりときらめきで場内を包み込んで本編は終了した。
アンコールに呼ばれて出てきた[ kei ]は、今回の会場について、これまで歌もの、インストものを分けてライブをやってみたり、今回であれば新曲を初披露したりと「毎回、挑戦の場だった」と振り返る。そうして、バンドのギタリストから先のいまの人生。アーティスト[ kei ]の人生について「みんなにやらせてもらってると思ってる。そういう意味では感謝しつつも、満足せず、これからもみんなの人生を豊かにできたらなと思って来年も突っ走っていきます」とファンに伝えた。そうしてアンコールはライブで初めて「mercy rain」をプレイしてみせ、この曲で今年最後のライブを締めくくった。
終演後には、ロビーに新しく貼り出したポスターを通じて、2024年2月18日(日)、東京・KMP PARADISE HALLで開催するライブ『-174』のアートワークとチケットの詳細を解禁。こちらの特典付きの[S]スタンディングチケットは[ kei ]official member’ s site【SYNERGY】のPREMIUMU会員、STANDARD会員のみ先行受付で購入可能となるので、チケット購入を希望する方はこの機会に、ファン歓喜必須のここでしか見られない、 [ kei ]のコンテンツが大充実の【SYNERGY】への加入をおすすめする。
文=東條祥恵 ライブ写真=尾形隆夫

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