L→R ニシオカケンタロウ(Ba)、ヤマトパンクス(Vo&Gu)、福島カイト(Gu)、カズキ(Dr)

L→R ニシオカケンタロウ(Ba)、ヤマトパンクス(Vo&Gu)、福島カイト(Gu)、カズキ(Dr)

【PK Shampoo インタビュー】
人は再定義を繰り返して、
成長していく

インディーズでの十分な実績と破天荒な武勇伝を引っ提げ、メジャー1st EP『再定義 E.P』をリリースしたPK shampoo。日々の生活や風景、心の機微を独自の視点で描く歌詞世界、胸に響く叙情的なメロディー、言葉にできない感情を表すバンドサウンドなどが詰まった、人生をネタにしてクリエーションする覚悟も感じさせる最新作について、ヤマトパンクスに訊く!

ヤマトパンクスでありたい、
自分そのものでありたい

11月に開催されたPK shampoo主催のサーキットイベント『PSYCHIC FES』、めちゃくちゃ良かったです! ラインナップも良かったし、どの会場も盛り上がっていたし、大トリを務めたPK shampooはパンパンに埋まったZepp Shinjukuのフロアがうねりを起こしていて、“こんな光景見たのは何年振りだろう?”と思って嬉しくなりました。

あ~、ありがとうございます。先輩とか友達とかもみんな出てくれて、イベントとしては大成功だったと思います。僕らは2020年に初めて渋谷 CLUB QUATTROでワンマンをやって、そこでパンパンになったから“よっしゃ!”と思った次の日にコロナが来て、シングル(2020年4月発表の「新世界望遠圧縮」)を発売した日に緊急事態宣言になってタワーレコードが閉まって、そっからライヴも制限がある中でやってきたから、このイベントでは呼びたいバンドに声をかけて、やりたい曲をやって、お客さんもキャパギリギリまで詰め込んで…単純に壮観だったし、エモかったですね。感動的な一日でした。

お客さんもそれを求めている渇望感ありましたしね。

我々もこんなことやったことがなかったんで、いろいろトラブルがあったんですけど、反省点も嬉しかった点も次につながればいいかなと。最初はもっと楽観的に考えていたんですよ。会場を4箇所押さえて、そこでライヴしてもらえばいいくらいに思っていたら、実際はそうはいかなくて。僕自身も駆けずり回ったし、大変は大変でしたけど、終わったあとは“どれくらいしんどいかは分かったから、もう一回やりましょう”と言えて。周りの人たちも面白がってくれて“やろうやろう!”と言ってくれたので、それは大きかったかったですね。

変な話ですけど、クアトロを満員にして“よし、ここから!”ってところで、コロナのパンデミックが起きましたけど、その勢いのまま行っていたらどうなっていたと思います?

う~ん…Mr.Childrenみたいになってたんじゃないですか?(笑)

あははは。その後、コロナ禍で修羅場もくぐって、いろんな経験をする機会もあったわけじゃないですか。結成3年目くらいで、それなしに行っていたらミスチルになっていたと(笑)。

サザンオールスターズになっていたのか?(笑) …どうなんですかね? 自主でやっていて、完全無所属で、シーンの中では異質の存在やったと思うんですよ。結果的にメジャーデビューや事務所に所属とかの話になったけど、キャパ半分とはいえ新木場STUDIO COASTでワンマンをやれたり、SNSでは偉そうなこと言って炎上したり、ラジオ番組をやったりして、“なんやねん! こいつ”みたいな感じやったと思うから。確かに“コロナがなかったらどうなったかな?”とは思いますね、コロナ前はお客さんが倍々に増えてたし、手応えは感じていたので。

その後、世界がああいった状況になってしまったから、その現実を受け入れるしかないですけどね。

そうですね。俺だけがそうやったら悔しいですけど、世界中がそうやったからしょうがないですよね。

今作を聴いて改めて思ったのは、PK shampooの作品ってヤマトパンクスの生き様であり、死に様だということで。“人生はネタ作り”という感じで、そんな人生の浮き沈みから日々の小さな出来事や心の機微を独自の視点で反映していて、どうしようもない一日も歌に昇華できているから聴き手に響くんだと思いました。

僕は欠落が多い人間で…それこそ中学くらいから不登校とかじゃなくて、朝起きれなくて学校に行けなかったり、高校も全日程遅刻していて完全に留年のはずだったんですけど、“お前みたいな奴は出ていけ!”みたいな感じで追い出されるように卒業できたり。ここでは言えないこともたくさんあって、自分でもなんとかしようと思うんですけど、どうにもならなくて。僕、もともと落語家になりたかったんですよ。断トツで立川談志が好きだったんで。落語が好きっていうより、あの人の生き様が好きだったんですよね。落語とか何か一芸に秀でて、それで自分の欠落した部分を覆い被すか、それをひとつの個性にしていくしかないと思っていたんです。欠落とかおかしいところを奇抜やと言いきって、個性や芸にしてしまうものにはずっと憧れているし。今は日常に起こる嫌なことを曲じゃなくても、ラジオで面白くしゃべるでも、SNSに投稿するでもいいけど、表現できていると思っているんですよ。そういう意味では、自由度の高い活動をさせてもらっているし、ミュージシャンではあるんですけど、それよりもヤマトパンクスでありたい、自分そのものでありたいという気でいます。
L→R ニシオカケンタロウ(Ba)、ヤマトパンクス(Vo&Gu)、福島カイト(Gu)、カズキ(Dr)
EP『再定義 E.P』

OKMusic編集部

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