「初めてのオリジナルミュージカルや
普段とはまた違うライブを楽しんでほ
しい」~座長・玉井詩織が語る『第2
回ももクロ一座特別公演』の魅力

2021年に上演が決定しながらも、新型コロナウイルスの影響で延期となっていた『第2回ももクロ一座特別公演』が、2023年11月25日(土)より開幕する。大江戸ミュージカル『CHANGE THE FUTURE!~未来を変えろ~』と、ライブショー『ももいろクローバーZ 大いに歌う 2023』の2部構成となっている新作ミュージカルの主演を務めるのは、演技に歌、アクロバット、MCと多彩な活躍を見せる“ももクロの若大将”こと玉井詩織。初日まで約2週間となったタイミングで、公演への意気込みや座長としての思いを聞いた。
■ももクロの色々な姿を楽しめるスペシャルな公演
ーー元々は2021年に上演予定だった本作。コロナ禍で延期になり、ももクロ15周年✕明治座150年というアニバーサリーイヤーに開催されます。
2年ちょっと延期でようやく開催になりました。でもこの延期があったから、明治座さん150周年、私たちの15周年というアニバーサリーが重なる年に上演できることが決まってすごく嬉しいです。普段グループで活動をしていると、もちろんリーダーが締めるところを締めてくれていますがみんなフラット。でも、2019年のももクロ一座で座長を務めた佐々木(彩夏)を見ていても、舞台の座長ってすごく重みのある、大事なポジションだと感じました。私が座長を務めるということで正直、少し不安です。学生時代も、どちらかというと副委員長とかのポジションで、自分が真ん中で引っ張っていくのは得意じゃない。でも変に気負わず、みんながいい雰囲気でできるように務められたらと思っています。前回の座長だった佐々木と、今年参加させていただいた舞台の座長だった三宅裕司さんに座長の心構えを聞いたら「美味しいものを差し入れればいいよ」と言っていました(笑)。やっぱり食べ物のモチベーションってすごいと思うので、みんなが稽古や本番を頑張ろうと思えるような差し入れをしたいです!
玉井詩織
ーー初めての『ももクロ一座』というファンの方もいると思うので、改めてこの公演の魅力を教えてください。
1部は本格的なお芝居で、2部はいつもの私たちのライブをお届けします。私たちのファンの方で、普段観劇に行かないという方にはお芝居を見にいくという新しいことに出会ってもらえるきっかけに。逆に明治座さんの作品が好きで、ももクロのライブはあまり見たことがない方もいらっしゃると思います。アイドルっていろいろなことにチャレンジできるお仕事なので、私たちがお芝居をしている姿や普段のライブを楽しんでもらえたらいいなと。前回の『ももクロ一座』では、明治座という歴史ある舞台でライブをする非日常感があって、私たち自身貴重な経験ができました。普段私たちのライブを見てくださっている方も新鮮なはず。明治座さんだから出せるももクロの新しい姿がお届けできるのかなと思います。
ーーももクロ15周年ですが、振り返ってみていかがでしょう。
私は今28歳で、人生の半分以上ももクロとして活動していることになるんです。元々すごくアイドルになりたかったわけじゃなく、あるきっかけで始めたお仕事を15年続けさせてもらっているのが本当にありがたいと思います。いろんな選択肢がある中で15年続ける選択をした自分自身も誇れることですが、「続けたい」という思いだけじゃ難しい。応援してくださる方、支えてくれる周りの方々の存在があっての15年だったと思います。人生を作ってくれた大事な15年ですね。感覚的にはあっという間でしたが、細かく振り返るといろんな挑戦、出会いや別れがありました。その経験が自分の中に蓄積されているので、決して何もしないであっという間に過ぎた15年ではないと感じます。
■初めてのチャレンジに、精一杯取り組みたい
ーー今回の公演で特に楽しみなことはなんですか?
今回は全編オリジナル曲のミュージカルです。オリジナルミュージカルに挑戦するのはメンバーみんな初めてなので、楽しみでもありドキドキするポイントでもあります。でも、私自身ミュージカルや舞台が好きで、大団円というか、みんなで歌って踊っているのをみると自分も入りたくなるんです。今回、実力あるキャストの皆さんに脇を固めていただいているのですごく楽しみです。
玉井詩織
ーー稽古の手応えはいかがでしょう。
ストレートのお芝居だと自分や役の感情で動いていいんですけど、ミュージカルは歌や踊りを見せるものでもあるので、歌に沿ってこう動くけど、感情的にはこう動かないだろうなというところがあります。ストレートとミュージカルの違いを感じ、日々学んでいます。大枠は固まって最後までの絵は見えてきたんですが、稽古中に変更があることも多いので、まだ不安要素がいっぱい。でも、みんなで作り上げているという楽しさを感じています。
ーー前回演出を務めた本広克行監督さんが、今回は総合演出を務めています。
本広監督と初めてご一緒したのが『幕が上がる』という映画でした。右も左もわからず、お芝居は何かということもそこまで理解していなかった未熟な私たちにお芝居について教えてくださった存在です。監督が初めて舞台の演出をしたのが私たちの舞台『幕が上がる』だったり、今回のオリジナルミュージカルは本広さんも初めてだったり、いろいろなことを一緒に経験させてもらっています。
実は、今回、オリジナルミュージカルになったきっかけは私らしいんです。番組で今後挑戦したいこととして話したら、まさかの明治座さんでこんなことになってしまって(笑)。多分、監督自身も「見たことのないももクロを見たい」と思ってくれていて、今回も「役として近い部分もあるけど、いつものしおりんじゃない部分を出したい」と言ってくれたり、「ミュージカルをももクロに寄せるんじゃなく、ももクロがミュージカルの世界にちゃんと入ってほしい」と言われたり。「自分にはミュージカルの演出は無理だから」と言いながらも、稽古場にはちゃんと足を運んでくれて、ここぞというときにアドバイスをくださっています。
■見た方がメッセージを受け取ってくれるような作品にできたら
ーー演じる役についてもおうかがいしたいです。
今回は異世界に行ったり現実的じゃない部分もありますが、ストーリーとしては誰もが共感できると思います。私が演じる栞里は、誰もが持っている悩みを抱える就活中の大学生。私自身と比べるとネガティブな子ですが、すごく人間味があります。大人になって夢を見ることがなかなかできなくなった、夢を口にできなくなった方にも共感してもらえるんじゃないでしょうか。
普段、見てくれる方が少しでも元気になってくれたらいいなと思いながら活動しています。私は表に出る仕事をしていますが、そうじゃない方も、周りの人を元気にしたり笑顔にしたりできる、アイドル的存在になれる可能性を持っていると思います。私たちが特別なんじゃなく、皆さんその可能性を持っているし、誰かにとってそういう存在になれていることが伝わればいいなと思っています。
玉井詩織
ーー座長として、キャストの皆さんをどう見ていますか?
本当に雰囲気が良いカンパニーで、そこは悔しいけどオラキオさんに感謝です(笑)。私たちは普段グループで活動しているので、人見知りな部分もあるんです。初めてのキャストさんが多い中で、前回から続投のオラキオさんが中心となって盛り上げてくれていて、ユーモアや明るさにすごく助けられています。作中では大友康平さんが座長役なので、物語上でびしっと締める部分はお任せしてしまっています。座長としては、ニコニコと楽しくいるのと、いろんな方とお話をするように心がけています。
ーー個性的なキャラクターがたくさん登場しますが、お気に入りのキャラクター、栞里としてこのキャラクターとの絡みが楽しいというところがあったら知りたいです。
栞里としてはオラキオさんと(百田)夏菜子演じるかなやっことのシーンが多いんですよね。うーん、誰にするか悩みますが、大友さんかな。私たちの年末のライブなどに何度も出演していただいて打ち解けてきましたが、最初はやっぱりロックスターの印象が強くて、寡黙で怖い方なのかと思っていたんです。でも普段はすごく恥ずかしがり屋でシャイな方。だけどユーモアもあって、静かにギャグを言ったりして和ませてくれます。その姿を知っているので、お芝居の中で座長という役を演じる時の風格に毎回驚かされます。座長と二人のシーンはそんなにないんですけど、栞里が一歩踏み出すきっかけをくれるキャラクターです。座長が自分の夢や思いを語るシーンは本当にずしっとくるものがありますね。あとはオラキオさんがずっとふざけていて(笑)。二人のシーンで回収しきれないボケをされて、どうしたらいいんだろうと。私の力量にかかっていると思うので頑張りたいです!
ーー最後に、皆さんへのメッセージをお願いします。
『ももクロ一座特別公演』は今回第2回目、しかも延期を経てようやく開催できるということで、楽しみにしてくださっている方がたくさんいると思います。今回は私たち自身も初めて挑戦するオリジナルミュージカル。毎日一生懸命稽古をしています。見にきてくださる方には、「2年間待って良かった」と思ってもらえるようなものを届けたいです。1部でも歌とダンスはありますが、ミュージカルとライブはまた全然違いますし、明治座でモノノフの皆さんがコールをしてくれる姿はなかなか見られるものじゃないので、1部と2部の違いも楽しんでいただけたら嬉しいです。私たちだけだと心許ないけど、素晴らしい皆さんが脇を固めてくださるので、何かメッセージを届けられたり、「観てよかった」と思ってもらえたりする作品にしたいと思っています。明治座でお待ちしています!
玉井詩織
取材・文=吉田沙奈    撮影=中田智章

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