「時を超えた雅、京に響かせる」 『
平安神宮 月音夜』28日出演・東儀秀
樹のオフィシャルインタビューが公開

中秋の名月のもと、雅楽からアイドルまで幅広い音楽を楽しむ『平安神宮 月音夜(つきおとよ)~京都名月コンサート2023』が9月28日から10月1日までの4日間、平安神宮(京都市左京区)大極殿前特設ステージで開かれる。出演する8組のアーティストに今年初めての開催となるコンサートへの思いを聞いた。
東儀秀樹はこれまで、自身のコンサートのほか、平安神宮の『紅しだれコンサート』など京都で演奏活動を重ねてきた。近年は息子・典親(のりちか)とも共演している。東儀家にとって、雅楽師の立場からも京都は縁の深い地だ。どんな印象を持っているのだろうか。
「京都では太古から私の先祖が雅楽を演奏し、宮廷文化の一翼を担っていた。その歴史と、京都ならではの景観に、笙(しょう)や篳篥(ひちりき)の音色が溶け込みやすいと感じる。聴く人にとっても京都でこういう音を楽しむのはいいなという感覚があるのでは。平安神宮の建物や木々も、京都ならではの空気を醸し出してくれる」
古典にとどまらず、現代風にシンセサイザーを使ったり、ロック調の曲を演奏することもあるが、演奏時の思いを問うと「雅(みやび)を意識する」という。「ロックの中にも千年前の楽器の雅が表れて、聴く人に届けば。古代の人は花が咲いたとか月がきれいだと感じたら音楽を奏でた。その優雅さも表現したい」
今回のコンサートで東儀の音楽に初めて接する人もいるだろう。雅楽を知らない人のため、曲間に雅楽や楽器の歴史・文化的価値などを説明する予定だ。「好奇心がかき立てられ、より深く音楽の世界に入ってもらえるのではないか」
あらためて、東儀秀樹の音楽をどう定義するか尋ねた。「古代の感覚では、音楽はそれだけで存在するのではなく、宇宙や自然と一体のものだった。ドレミファソのソの音は青色に対応し、人間の臓器では肝臓と波動がいいとか、ミの音は白に対応し、季節なら秋を表すとか、音楽と森羅万象がつながり、音楽が万物をとりまとめていた。TOGISM(トウギズム)という言い方をするが、その感覚を現代にも生かすように演奏している」と思いを込めて語った。

東儀秀樹(とうぎ・ひでき)
東儀家は1300年間雅楽を世襲してきた楽家。宮内庁楽部在籍中、篳篥(ひちりき)などを担当。今年3月、ニューアルバム『NEO TOGISM』リリース。

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