AnlyとCHiCOが『NARUTO-ナルト-』愛
を語り尽くす「NARUTO THE LIVE」開
催直前対談

アニメ『NARUTO-ナルト-』は、岸本斉史による同名コミックを原作とした大人気作品だ。昨年2022年には放送開始から20周年を迎え、2023年9月2日(土)・3日(日)にはこのアニバーサリーイヤーを祝したライブ「アニメ『NARUTO-ナルト-』20周年記念NARUTO THE LIVE」の開催も決定している。

木ノ葉隠れの里に住む忍者・うずまきナルトが、仲間達とともに数々の試練を乗り越えていく本作品は、2002年からTVアニメの放送を開始し、2007年からは『NARUTO-ナルト- 疾風伝』として映像化、さらに2017年からは『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS(以下『BORUTO-ボルト-』)』としてナルトの息子・ボルトを主人公とした新たな物語を描き出した。
「NARUTO THE LIVE」には長い歴史を持つ本シリーズの主題歌を歌ったアーティストが集い、パフォーマンスを見せる予定だ。会場は幕張メッセイベントホール、ファンにとって見逃すことのできない二日間となることは間違いない。
SPICEでは本ライブ出演者の中から、一際本シリーズを深く愛するAnlyとCHiCOによる対談を執り行った。『NARUTO-ナルト-』シリーズとの出会いから、主題歌に込めた想い、推しのキャラクターまで大いに語ってもらっているので、最後まで楽しんでほしい。
(c)岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ (c)NARUTO THE LIVE実行委員会

■幼少期の流行の発信源は“ジャンプアニメ”だった
――今回は「NARUTO THE LIVE」の出演者対談ということでお二人に来ていただきました。お二人は面識があるのでしょうか?
Anly:実は今日が初めましてで……。
CHiCO:同じアニメの主題歌を担当していても、なかなかお会いする機会ってないんですよ。なのでちょっと緊張しています。
――意外でした。お二人とも『NARUTO-ナルト-』ファンということなので、この対談を通して仲を深めていただければと思います。
CHiCO:そうですね、同志としてここで強い絆を築いていきたいです!
――まずはお二人の『NARUTO-ナルト-』という作品との出会いから伺いたいです。
Anly:私が初めて『NARUTO-ナルト-』と出会ったのは地元のラーメン屋でしたね。沖縄県伊江島出身なのですが、島内には数軒だけラーメン屋があって、そこの本棚に置いてあったのを読んだんですよ。当時はまだ小学生で、難しい漢字がたくさん出てくるマンガだな、ぐらいの印象でしたけど……(笑)。
CHiCO:私の『NARUTO-ナルト-』デビューはアニメでした。当時はまだ幼くて、アニメがやっていればなんでも見たい時期でした。それで視聴のルーティンに『NARUTO-ナルト-』も入っていた感じです。横並びで同時期に『ポケットモンスター』と『ボボボーボ・ボーボボ』も見ていたように記憶しています。
Anly:懐かしい! 当時はいわゆる“ジャンプアニメ”が、子供たちにとっての流行の発信源でしたからね。だったよね?
CHiCO:そうそう、だから同世代の男の子たちは「影分身の術!」とか「鼻毛真拳!」とか叫んでいました(笑)。
Anly:私の周りは「お色気の術」も流行ってたな(笑)。そこから少しすると「螺旋丸!」「千鳥!」とか言い出して「これがあの難しい漢字の技か……」って思いながら見てましたね。
――Anlyさんはアニメは見ていなかったのでしょうか?
Anly:たまたまテレビの前にいれば見る、ぐらいの感じでしたね。なので当時はストーリーをほぼ追えていなかったんですよ。物語を知ったのは、主題歌を担当することが決まり、曲作りのために観たときです。そのタイミングでいきなりハマっちゃって、二週間でマンガを全部読み、当時出ていたスピンオフまで全部買い揃えちゃって……(笑)。
――すごく圧縮したハマりかたですね。
Anly:そうなんですよ。多分子供の頃からストーリーを追っていたらこんな形ではハマらなかったんじゃないかな? 大人の読解力を持った状態で作品に触れたからこんなにも熱中できたと思うんですよね。『NARUTO-ナルト-』を流し読みしかしてなかった子供時代の自分に感謝しました(笑)。
Anly
■二人共通推しキャラ・奈良シカマルの魅力を考える
――大人になって読まないと理解できないシーンも多い作品ですからね。お二人が考える『NARUTO-ナルト-』シリーズの魅力はどこなのでしょうか?
CHiCO:「絆」だと思いますね。木ノ葉隠れの里の面々にも、それと相対する組織の面々も、各々に「絆」がある。そこからくる葛藤を全てのキャラクターが抱えているのが、この作品の魅力になっているんじゃないかと。
Anly:それなんですよ! 両陣営の登場人物全員に大切な人がいて、それが戦いの火種となっている。だから読んでいて身につまされるんですよね。その中でナルトが、ただ相手を打倒するのではなく、きちんとみんなが救われる結論を導き出すのも素晴らしい。もう教科書に載せるべき作品だと思っています。
――強い『NARUTO-ナルト-』愛が伝わってきます。推しのキャラクターはいますか?
CHiCO:私はもともとサスケのファンだったんですけど……そこからデイダラに……。
――意外なところにいきましたね!
CHiCO:我ながらそう思います(笑)。あのビジュアルが当時の私のツボにハマったんだと思うんですよね。あとあのトリッキーな感じが魅力的でした。ただ、割とすぐ出てこなくなっちゃって……。その後はシカマルファンに転身しましたね。
Anly:私は逆に最初がシカマルファンだったんですよ。冷めた態度をとっているのに、芯の部分に熱さを抱えているじゃないですか。あれは惚れる。
CHiCO:そう、特に「サスケ奪還編」で仲間がボロボロになっているのを見て泣くところとか、なんて男気があるやつなんだろうって思いましたよ……。
Anly:私、シカマルがなぜ冷めた態度とっていて、すぐに「めんどくせー」って言うかに仮説を持っているんですよ。
CHiCO:どんな仮説なんですか?
Anly:多分シカマルは頭が良すぎるから、真面目にいろんなことを考えたらどこまでも未来を予測できちゃうんですよね。でも、それをやり始めたら脳が休まる暇がない。だから「めんどくせー」ということで考えすぎないようにしているんですよ、きっと。

――なかなか深い考察ですね! 先ほどAnlyさんは「最初がシカマルファン」と言っていましたが、その後があるのでしょうか?
Anly:私の今の最推しはヤマト隊長なんですよ。アニメオリジナルストーリーである「カカシ暗部篇」で描かれた彼の過去があまりに辛くて……。にも関わらず、グレることもなくきちんと木ノ葉隠れの里で任務にあたる彼があまりに尊い、本当に幸せになってほしいと願っています。
CHiCO:もしかしてAnlyさんってちょっと拗らせている?(笑)
Anly:そうかな?
――お話伺う限り、ギャップに弱いんだということは感じましたね。
Anly:それは間違いないですね!
CHiCO
■『NARUTO-ナルト-』の海外人気を実感した意外な瞬間とは?
――「NARUTO THE LIVE」のインタビューですので、お二人の好きな『NARUTO-ナルト-』シリーズ主題歌もお聞きしたいです。
CHiCO:やっぱりORANGE RANGEさんとFLOWさんが歌った曲は好きだし、思い入れもすごく強いです。それを大前提として、あえて個人的に好きな曲をあげるなら、いきものがかりさんの「ブルーバード」ですね。前話までの暗い話が続いていたのに対し、それを払拭して心機一転爽やかに物語をスタートさせてくれた。初めて聴いた瞬間の気持ちが今でも忘れられません。
Anly:私は映像とマッチしている曲に惹かれるんですよ。『NARUTO-ナルト-』シリーズで、その完成度が一番高いと感じたのはNICO Touches the Wallsさんの「Diver」でした。水の中にナルトが沈んでいくシーンから始まって、サビの「息をしたくて」に合わせてナルトが水の中から飛び出す。あの瞬間の爽快感が最高で、いまだに映像がパッと思い浮かびます。
――後にお二人もそれぞれにシリーズの主題歌を担当することになります。オファーが来た時のお気持ちを教えてください。
Anly:私が最初に担当した「カラノココロ」は『NARUTO -ナルト- 疾風伝』の最後のオープニングなんですよね。なのでもうプレッシャーがすごかった。当時まだ新人だった私が、こんな壮大な物語を締めくくる歌を担当していいんだろうか、正直そう思っていましたね。
――シリーズの大きさが肩に乗っかっている感じがしていたと。
Anly:もちろんですよ。海外でもすごい人気じゃないですか。私、海外旅行中に「日本人でしょ! 私『NARUTO-ナルト-』大好きなんだよ!」って話かけられたことありますからね(笑)。もうただのマンガ・アニメ作品の枠を超えた世界的人気コンテンツの一つだと思って。
――そんなことがあったとは! CHiCOさんは、『BORUTO-ボルト-』の主題歌のオファーがきた時はどんなお気持ちでしたか?
CHiCO:光栄でしたね。ずっと追いかけてきた大好きなシリーズに携われる、夢のような気持ちでした。オファーがあった当時はまだ『BORUTO-ボルト-』も放送が開始したばかり、長らくナルトたちに感情移入していた私としては、保護者目線で子供たちに歌を届けなきゃ、そんな感慨が湧いたのを覚えています。
Anly:わかる! 私も「VOLTAGE」のオファーをいただいた時に同じ気持ちでした!
――『BORUTO-ボルト-』主題歌アーティストあるあるなんですね(笑)。実際に「我武者羅」を歌った時はどういった気持ちを込めたのでしょうか?
CHiCO:歌唱の際は親目線みたいなところは外して、あくまで『BORUTO-ボルト-』の主題歌という意識で歌いました。歌詞もHoneyWorksの二人が、ボルトとカワキの二人の心情を読み取って歌詞にした、ナルトが構ってくれないことに対して拗ねるボルトの気持ちなんかが反映されたものになっています。
――Anlyさんは『NARUTO-ナルト-』で「カラノココロ」、『BORUTO-ボルト-』で「VOLTAGE」、2曲を担当していますね。
Anly:本当にありがたいですね。「カラノココロ」の時はまだ10代で、自分の経験の外から曲を作るなんて器用なことはできませんでした。なのでナルトたちと私の共通するところを探り、それを膨らませる形で楽曲制作をしたんですよ。でも「VOLTAGE」制作の時は「カラノココロ」とは作り方を大きく変えています。
――具体的にはどのように制作したのでしょうか?
Anly:自分の中の感情や経験を一度横に置いておいて、ボルトたちの気持ちに寄り添って作っていきました。加えて、「カラノココロ」とリンクする部分も作りたかった。なので同じフレーズも入れたりといったこだわりも随所に詰め込んでいます。新しい手法も色々と使った、私にとってもNEXT GENERATIONSな曲になっています。
――なるほど、『NARUTO-ナルト-』シリーズの曲を担当してよかったと思った瞬間はありますか?
Anly:たくさんありますよ! その中で一際意外だったのは海外の古着屋さんで値引きしてもらったことですかね。店員さんが『NARUTO-ナルト-』のファンだったので「私「カラノココロ」歌ったんだよ」って言ったらサイン求められて、サインの御礼にってちょっと安くしてもえました(笑)。

■シリーズファンとして、出演者として、両面から「NARUTO THE LIVE」を楽しんでいきたい!
――ここまで『NARUTO-ナルト-』シリーズに対する思い出を伺ってきました。改めて、間も無く開催の「NARUTO THE LIVE」への意気込みをお聞きしたいです。
Anly:私はこれまで『NARUTO-ナルト-』シリーズのファンの方が集まる場で歌わせていただいた経験がないんですよ。なのでこういった機会をいただけたことが本当に嬉しい。全力で楽しんでいけたらと思っていますので、是非とも会場でお会いできればと思っています!
CHiCO:1人の『NARUTO-ナルト-』ファンとして今回のライブ、すごく楽しみにしているんです。特別に歌わせていただく曲もあるので、そこも楽しみにしていただきたいですね。あと、ただのファンとしてのコメントなのですが……いきものがかりさん、ORANGE RANGEさん、FLOWさんを生で堪能できるまたとない機会なので、存分に楽しんでいきたいです。
取材・文:一野大悟

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