うらたぬき(浦島坂田船)、多彩なパ
フォーマンスで魅せたバースデーワン
マン・Zepp Haneda公演をレポート

Uratanuki Birthday Live 2023 ~Flower~

2023.8.9 Zepp Haneda
ボーカルユニット・浦島坂田船のメンバーでもあるうらたぬきが、2023年8月にバースデーワンマンライブ『Uratanuki Birthday Live 2023 ~Flower~』を全国5都市で開催。約4年ぶりとなるフルキャパシティ&声出し解禁となった今回の生誕祭は、8月1日にリリースされたばかりのソロアルバム『Flower』の収録曲を中心にした構成で、うらたぬきの多彩さと多才さをあらためて感じることができたように思う。ここでは、誕生日当日である8月9日にZepp Hanedaで行われた東京公演の模様をお伝えする。
うらたぬき
ラグジュアリーな邸宅から、海を目指しランボルギーニのオープンカーを走らせるうらたぬき。客席をどよめかせたオープニングムービーの最後、うらたぬきが深紅のバラの花束を差し出すと……花々で美しく飾られたステージに、映像そのまま、キービジュアルと同じくボルドーカラーのスーツに身を包みカラーサングラスをかけ、バラの花束を手にしたうらたぬきが登場。1曲目は、アルバム『Flower』のオープニングを飾る「365日」だ。バースデーライブとしては久々の声出し解禁とあって、スタートから歓喜に満ちたこたぬき(うらたぬきファンの呼称)のコールが大きく響く。
うらたぬき
途端にSっ気を発動させた「ハイヒール・プリンセス」「グッデストルーラー」では、多くちりばめられたセリフでも表現力の豊かさが露わに。ダンサーとともにキレッキレにダンス、歌詞に合わせた顔文字ポーズでも沸かせた「マウントリタガール」。デカダンなムードに艶っぽい歌声が合いすぎる「偽味偽味LOVE」、リフレインするファルセットもダイナミックなダンスも映える「Jasmine」と、“花言葉”をテーマに新たな表情を見せる『Flower』に収録のナンバーも色鮮やかに咲き誇っていく。
イヤモニを外して全身でこたぬきのコールを浴びたりもした「ダンスロボットダンス」からの、「次は超キュートな曲で僕の動作がいちいちかわいいです」と前振りした「シアワセは台本の外から」では、宣言通りにかわいいが大渋滞。それはもう反則級だ。
うらたぬき
“バチェラー”風な幕間映像では、白いスーツを着こなしたうらたぬきが住まいとするプール付きの豪邸を案内、筋トレ姿も披露しつつ、最後にはローズセレモニーも。すると、「NO.1 Girl」ではうらたぬきが幕間映像と同じ白スーツで現れ、「こっちへおいで」と手招きし、胸ポケットに挿していた1輪のバラを手に生声で「結婚しようぜ」とプロポーズする場面も。かと思えば、「スイカズラ」では切ない愛、一途な想いに心が揺さぶられて、情緒が忙しい。
うらたぬき
幕間映像のオフショットムービーで和ませたあとは、なんと美脚も露わなもこもこルームウェアで登場。「うらたねこ♂」の猫ポーズや<もっとにゃでて!!!>にしても、お尻振り振りダンスはじめ小悪魔的なあざとかわいさが爆発した「可愛くてごめん」にしても、猫耳フードをかぶって歌にダンスにキュート&ラブリーを極めるうらたぬきに、誰だってハートを射貫かれてしまう。
うらたぬき
モノトーンでまとめたスポーティーコーデに着替えた「ぶーぶー!」では、ステージを右に左に駆け回って、全力でコールするこたぬきを「よくできました!」とエアなでなでしたり。「ドキドキ!席替えゲーム」では、ダンサーが運んできた学校の机と椅子で青春真っ只中な恋する顔を見せたり。「ぽこぽこたぬきに全部お任せ!」の歌詞通り、うらたぬきの手にかかればいつだって<ミラクルナイト>になる。
うらたぬき

うらたぬき

「誕生日をこんなにたくさんの人に祝ってもらえて嬉しいです。(こたぬき一丸となった「おめでとう!」を浴びて)この力をもってすれば世界を征服できるんじゃないかって思います(笑)」と、笑顔のうらたぬき。ブーゲンビリアやベルガモットといった誕生花の花言葉を用いて「愛してるよ」「好きだぜ」「結婚しよう」と甘い言葉をささやけば、悲鳴のような大歓声が上がる。
うらたぬき
赤ライトの下でダークモードにシフトした「セクトの誅罰」。<お前がいい>とこたぬきをロックオンした「愚かなオルカ」。インド風でカオスな「全愛不問コスモスナニカ」。色気増し増しで腹チラにブルゾンを脱いでノースリーブ姿になった「Pink」。ステージ前へと進み出たバンドメンバーと高揚感に身を任せ、見事なロングトーンでも圧倒した「GameChanger」「テオ」。とんでもない一体感が生まれているではないか。
うらたぬき
94歳になるという祖父との心温まるエピソードを交えつつ、「こうしてみんなと会えるのって当たり前じゃないんですよね。みんなに何度でも惚れ直してもらえるような男になりたいなと思ってますので、これからもうらたぬきを、浦島坂田船をよろしくお願いします」と頭を下げたうらたぬき。その誠実さも、多くの人を惹きつけてやまない。
うらたぬき
本編ラストは、この日の午前0時に動画公開したばかりのエモーショナルなバラード「マリーゴールドを君に捧げる」。バラの花でデコレーションされたマイクスタンドの前に立って届けてくれたその歌声には、大切にする<君>=こたぬきへの愛が満ち満ちていた。
うらたぬき
「フレ!フレ!うらたー!」コールが巻き起こり「恋のMAGIC」を歌う気満々だったうらたぬきだったが、バンドメンバー&ダンサーのお祝いコメントを収めたサプライズムービーに続いて、こたぬきがバースデーソングを、バンドメンバー&ダンサーがケーキをうらたぬきにプレゼントしたアンコール冒頭。「嬉しいけどめちゃめちゃ恥ずかしい!」と照れるその顔もまた、尊い。
うらたぬき
特段にハッピーな「恋のMAGIC」では、生声で「愛してるよ!」と叫び、客席に向け感謝感謝の投げキス。そして、「余は満足じゃ」と言ってタイトルコールしたのは、こたぬきも歌声を重ねた「Life goes on」だ。うらたぬきの声が、存在が<未来へ導いてくれる>。美しく色彩豊かな花圃を思わせる一夜、揺るがない絆と希望を確かに感じることができた。
うらたぬき

文=杉江優花
撮影=小松陽祐

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着