Uru「紙一重」の歌詞が意味する「地獄楽」の世界観と魅力

Uru「紙一重」の歌詞が意味する「地獄楽」の世界観と魅力

Uru「紙一重」の歌詞が意味する「地
獄楽」の世界観と魅力

Uru『紙一重』がTVアニメ『地獄楽』主題歌に抜擢
『紙一重』は、2023年4月15日に配信リリースされたUruのデジタルシングルです。
TVアニメ『地獄楽』のエンディングテーマにも起用され、Uruの儚げな声が印象的な『紙一重』。
『地獄楽』は賀来ゆうじ原作の漫画で、少年漫画らしいバトルや派手なアクション、個性的な造形の化け物が多々登場する作品です。
死罪人と首切り執行人、異形の敵に、正体不明の少女など、登場人物たちそれぞれが個性的。
見た目こそ特徴の強いキャラクターばかりですが、人も化け物も繊細な心を抱え、葛藤し、誰かを愛し、恐怖を抱いているという点では変わりません。
ビジュアルで惹きつけて起きながら、読み込むほどに深みを増すストーリーの作りは見事。
化け物を前に、毎週命を懸けた激闘が繰り広げられます。
どれほど命が散っても、涙が流れても、物語の最後を彩るUruの歌声がすべてを包み込んでくれます。
Uruが作詞作曲を手がけた曲は、繊細で、心の動きを丁寧に描くものばかり。
『紙一重』もまた、『地獄楽』の世界をそっと包み込むような、繊細で暖かな歌詞が並びます。
では早速、『紙一重』という楽曲に込めた想いを考察していきましょう。
立場を越えて歩み寄ることで見えてくるもの
紙一重 歌詞 「Uru」
https://utaten.com/lyric/ym23041222
重ね合わせてはみ出した部分を切り落とす。
ごく自然な、ありふれた光景ですが、いらない部分を切り捨てるという作業が、社会からはみ出し、切り捨てられる存在となった画眉丸たちと重なります。
いらないはずの部分を拾い上げ、つなぎ合わせてくれる「あなた」。
それは死を待つばかりだった画眉丸たちの前に提示された、生きる可能性そのものではないでしょうか。
紙一重 歌詞 「Uru」
https://utaten.com/lyric/ym23041222
同じ人間同士でも、心というのは人それぞれ。
家族でも、互いに想い合っている関係でも、すべてを分かり合えるわけではありません。
それでも、分からないからと切り捨てるのではなく、歩み寄り、理解しようとする姿勢に愛を感じます。
紙一重 歌詞 「Uru」
https://utaten.com/lyric/ym23041222
画眉丸たちの前にあるのは「死」と、僅かな「生」への希望。
罪人たちの中でたった一人、生きる権利を勝ち取り、愛する妻の元へ帰る。
「明ける明日」「儚い夢」という歌詞に、切実な願いを感じます。
人として生きようとする画眉丸に寄り添う愛情
紙一重 歌詞 「Uru」
https://utaten.com/lyric/ym23041222
誰かの力になりたいと思う時、自分の弱さが情けなくなることもあるでしょう。
「今の私はあなたのため何ができるだろう」という歌詞は、画眉丸の力になりたいという佐切の想いとリンクします。
死罪人と打ち首執行人という関係でありながら、妻を想う気持ちや画眉丸が抱える辛さに共感している佐切。
首切り執行人という仕事に悩みを抱える佐切だからこそ、人間らしい感情を見せた画眉丸に寄り添いたいと思ったのかもしれません。
紙一重 歌詞 「Uru」
https://utaten.com/lyric/ym23041222
「がらんの画眉丸」と恐れられながら、人間らしい感情に戸惑う画眉丸。
その心を誰よりも素直に受け止め、愛したのは妻です。
本人すらも気付かない心の動きに気付き、画眉丸に人の心を呼び起こさせた、重要な存在だといえるでしょう。
紙一重 歌詞 「Uru」
https://utaten.com/lyric/ym23041222
「がらんの画眉丸」として人の命を奪い続けた画眉丸は、自分自身の感情に気づくことができなくなっていました。
本当は痛みを感じているのに、自分には感情などないと決めつけ、心の叫びから目を背けてきました。
しかし、妻と出会って、彼女のまっすぐな優しさに触れることで、過去の自分と決別する覚悟を決めることができたのです。
人は変われるということを気付かせてくれた妻の存在は、画眉丸にとってかけがえのない存在だといえるでしょう。
紙一重 歌詞 「Uru」
https://utaten.com/lyric/ym23041222
これまで命令のままに人の命を奪ってきた画眉丸は、妻という特別な存在に出会い、人らしい感情に目覚めます。
しかし、忍びの道を捨てるという選択により、画眉丸も妻も辛い思いを強いられることとなります。
不死の薬を巡り、画眉丸は幾度も命の危険にもさらされます。
心身共にボロボロになっても、一途に互いへの愛を持ち続ける二人。
どれほど過酷な旅になろうとも、画眉丸が無事に妻の元へ帰ることを願わずにはいられません。
『地獄楽』という作品が持つ奥深さを楽曲に表現した『紙一重』
どれほど近くにいても、互いを想い合っていても、他人の心を完全に理解することはできません。
まさに紙一重。
僅かな心のズレがすれ違いを生むのか、寄り添う気持ちになるのかは、人それぞれです。
相容れないはずの佐切と画眉丸のように、相手を理解不能な存在だと切り捨てず、同じ人間として受け入れることができれば、歩み寄れることもあるのでしょう。
『紙一重』は、人と人が思いやる心の暖かさ、慈悲深さを歌っていますが、それは画眉丸を思う佐切の想いそのものです。
忍としてではなく人として、妻を想う画眉丸。
首切り執行人としてではなく一人の人間として、画眉丸の幸せを願う佐切。
二人の間に流れる感情が、愛情とも恋心とも違う、複雑なものなのでしょう。
目には見えず、言葉にもできない、けれど互いを思い合っている。
地獄のような島で、自分の無罪を勝ち取るために始まった任務。
それはいつしか、人を思いやる心を育て始めました。
『地獄楽』という作品の奥深さを、『紙一重』という楽曲は見事に表現しているのです。
▲Uru-『紙一重』 TVアニメ「地獄楽」エンディングテーマ【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
▲Uru-『紙一重』TVアニメ「地獄楽」ノンクレジットエンディング【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

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UtaTen

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