【亜咲花 インタビュー】
個性を出していかないと、
亜咲花が歌う必然性がなくなる
アニメソングの歌詞を書くと
作品に対する理解度がより深まる
本作は聴きどころが満載のアルバムですね。
アニメタイアップの曲もたくさん入っていますからね。
『ゆるキャン△』のファンのみなさんにとっても必聴盤だと思います。
私は『ゆるキャン△』に出会うまでは明るい曲を一切歌ってこなかったですし、長期にわたってかかわらせていただく作品もこれが初めてだったんです。先のこと、未来のことも考えながら歌える幸せをずっと感じています。“3期に備えて今回の曲はこうしよう”とか、逆算をして作ることもできるんですよね。
このアニメのファンのみなさんは“『ゆるキャン△』の歌と言えば亜咲花”という印象になっていると思います。
“この作品と言えば亜咲花”というのが、それまではなかったんです。大きな発言にはなってしまいますけど、『ゆるキャン△』は人生のパートナーに近い作品ですね。
『ゆるキャン△』の歴代のオープニングテーマは、さわやかな朝がとてもよく似合います。
知らなかったです(笑)。
朝はとっても弱くて(笑)。でも、通勤の時とか朝のお散歩の時に聴くと、よく言っていただいています。
映画『ゆるキャン△』のオープニングテーマ「Sun Is Coming Up」も、さわやかな朝、澄んだ空気、青空がイメージできます。
今までの曲はキャンプに行くまでのワクワク感、ドキドキ感をメインにしていたんですけど、映画ではキャラクターたちも大人になっているんです。大人だからこそ楽しめることのイメージにフォーカスをした曲ですね。
ホーンも入っていてスタイリッシュな雰囲気がありますね。モータウン風味というか。
間奏のところはみんなで手拍子できるような感じにしたかったんです。ライヴで歌うと分かるんですけど、『ゆるキャン△』の曲はアニソン独特の“オイ! オイ!”とかけ声をあげる感じがもともとないんです。みんなと手を振ったり、クラップをしたりして楽しむものになっているので。この曲もライヴでみなさんに手拍子をしていただけるように間奏の部分を分かりやすいリズムにしています。
『日清カレーメシ』×『ゆるキャン△』コラボソングの「Easy Life, Easy Curry -カレーメシのうた-」はカレーメシが食べたくなります(笑)。
ですよね(笑)。CMソングは初めてでした。“カレーメシの良さをどういうふうにお届けしよう?”といろいろ考えましたね。カレーメシをレコーディングの前日の夜、当日の朝に食べて、お昼にスタジオでも食べました。そこまでしないと歌に説得力が生まれないと思ったんです。
「See The Light」はプレイステーション 4/Nintendo Switch『ゆるキャン△ Have a nice day!』のオープニングテーマですね。
これはおそらくみなさんがイメージする『ゆるキャン△』の曲の雰囲気が詰まっていると思います。
亜咲花さんの歌声も『ゆるキャン△』のイメージそのものになっていますよ。
嬉しいですね! MVを録る時、キャラクターの髪型を意識しているんです。志摩リンちゃんを意識しておだんごにしたこともあります。
『ゆるキャン△』以外にも素敵な作品と出会い続けていますね。TVアニメ『賢者の弟子を名乗る賢者』のオープニングテーマ「Ready Set Go!!」は、亜咲花さんが書いた歌詞も作品にとても合っていると思います。
ありがとうございます。作詞もさせていただけたのがとても嬉しかったです。アニソンを歌う時は原作を読んだりしてからレコーディングをするんですけど、歌詞を書くと作品に対する理解度がより深まりますね。
《逆境でも楽しめるかは自分次第》《二度とない一度きりの人生 楽しんだモノ勝ち》とか、亜咲花さんの人生観も伝わってくる曲です。
“チャンスを逃すと次のチャンスは二度と訪れない”と思うくらいじゃないといけないんですよ。それくらいの覚悟を持って臨むことで、何事もスムーズに進むと思っているので。
第8話のエンディングだった「バラッド」も作詞をしていらっしゃいますが、親御さんへの感謝の気持ちも込めていますよね?
おっしゃるとおりです。第8話のエンディングで流れるというのはお聞きしていて、歌詞に入れるキーワードをいただいたんですけど、家族に“ありがとう”とか“ごめんね”とか気持ちを伝えられる回数って限られていると感じたんですよ。こういうことを伝えるのが照れくさい人もいると思うんですけど、そういうみなさんの背中を押す機会にもなったらいいなぁと。この曲は音の高低差がすごいので歌うのは大変なんですけど、ライヴを楽しみにしていてください。