細田佳央太 (ヘアメーク:菅野綾香、スタイリスト:岡本健太郎) (C)エンタメOVO

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細田佳央太が見つめる未来「俳優を続
けていくことが一番の目標」 連続ド
ラマW-30 「ドロップ」【インタビュ
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 品川ヒロシが自らの青春時代をベースにつづった小説をドラマ化した、連続ドラマW-30 「ドロップ」が6月2日から放送・配信される。本作は、2009年には品川が自らメガホンを取って映画化し、大きな話題を呼んだ。主人公・信濃川ヒロシを演じる細田佳央太に役作りについて、本作の見どころ、さらに俳優という仕事への思いなどを聞いた。
-細田さんが演じた信濃川ヒロシは、ヤンキーに憧れ、ヤンキーになろうと奮闘する役です。これまでの細田さんのイメージががらりと変わる役柄でした。
 そうですね。僕は基本的に争いごとを嫌うタイプですし、ヤンキー言葉を使ったり、“メンチ”を切ったこともないので(笑)、自分でもできるのかなという不安はありました。ただ、ヒロシはもともとヤンキーだったわけではなく、ヤンキーになろうとするという男の子だったので、そういう意味では演じやすかったです。
-細田さん自身は、ヤンキーに憧れを持ったことはありましたか。例えば、髪の毛を染めることに憧れたことはありますか。
 なかったです。みんなから「うらやましい」と言われるぐらい直毛なので、髪を染めると髪質も落ちてしまうと思って、やろうと思ったことはないです。今回は、役を演じる上で必要だったので赤髪にしました。
-そうすると、今回の赤髪はかなり貴重ですね。
 僕自身も新鮮でした。この役に出会えなかったら、赤髪にできなかったと思いますし、もしかしたらこれが最初で最後の赤髪になる可能性もあるので、すごくいいタイミングで挑戦できて、ありがたいです。
-芝居の面では、どのようなところを意識して演じましたか。
 ヒロシの役割上、テンポ感やツッコミの言い方が大事だと思っていたので、そこを崩さないようにと思っていました。なので、それ以外は深く考えないようにしていました。ヒロシは何をしても許されるキャラクターなので、役作りや準備をそんなにしていったということもなかったです。ただ、僕はどの役を演じるときも、その役をいとおしいと思ってもらいたいと思いながら演じているので、今回のヒロシも見た人にいとおしいな、愛くるしいなと思ってもらえたらいいなというのは意識していました。
-それは、つまりは細田さん自身が演じる役を誰よりも好きでいなくてはできないことだと思いますが、今回演じたヒロシはどんなところが魅力でしたか。
 ヒロシはヤンキーの目線にもなれるし、ヤンキーじゃない人の目線にも立てるので、二つの立場を知っているというのが、(この物語の中の)ヤンキーしかいない世界線の中ではすごく魅力的だと思います。弱い人の立場にも強い人の立場にもなれるのは、彼のいいところだなと。
-品川監督からはどんな演出がありましたか。
 最初に「原作や映画を参考にしないでほしい」と言っていただきました。それから、「ヤンキーがいない世界からヤンキーが当たり前の世界にヒロシは入っていく。これはつまり、異世界ものだと思ってくれればいい」とおっしゃっていて、すごく納得できました。今、“転生もの”がはやっていますが、この作品もヒロシの立場から見れば、確かに転生なんですよね。そう考えるようになったら、世界観に対する違和感や距離感がなくなったように思います。
-劇中では、ヒロシの突っ込みもさえていますが、品川監督から何かアドバイスはありましたか。
 突っ込みの仕方からテンポまで細かく教えていただきました。僕もこれまでコメディー作品に出演してきたので、自分なりのせりふのテンポ感を持ってはいたんですが、それだと突っ込みが印象に残らないと。例えば、「何でだよ」ってただ言うのではなく、「っ何でだよ」って「っ」を入れることで変わる。言い方一つで大きく変わるんですよ。すごく勉強になりました。
-ところで、ヒロシは進学校からドロップアウトしてヤンキーになりますが、細田さんは幼い頃から俳優の仕事をしてきて別の道を考えたことはありましたか。
 辞めたいと思ったことはないですが、最近、小さい頃からお芝居を続けてきた人と、18歳ぐらいでお芝居を始める人と、どっちがいいんだろうというのは考えます。18歳から始める方は、部活や勉強に打ち込んだり、恋愛をしたり、いろいろなことを経験できますよね? ある種、縛られた状態で過ごしてきた自分にとっては、そうした人たちの経験値の方が優れているように思うので、どっちがよかったのかなと思うときはありますが、だからといって小さい頃に仕事を始めたことは後悔していないですし、ほかの仕事に就くことも考えたことはないですね。
-今、振り返ってみて、幼い頃からの俳優人生をどう感じていますか。
 作品に臨んでいるときはあっという間ですが、何もしていないときは長く感じます(笑)。なので、ここ2、3年は本当にあっという間に過ぎた気がします。
-20代になり、今の目標は?
 シビアな話になりますが、まず“生存競争”で生き残ること。いろいろな方から、25歳までが役者の入れ替わりが大きい世代で、そこを過ぎると自然と落ち着くという話を聞くんです。自分でもそうだなと思うことがあるので、今は自分のお芝居を世間や業界の方々に認めてもらい、俳優を続けていくことが一番の目標です。
-そのために何かしていることはありますか。
 無駄にしないということです。一つの現場で、どれだけ多くのことを吸収するかが大事だと思います。ありがたいことにすてきな現場ばかりですので、当然そこに集まるキャストの皆さんもすてきな方ばかりです。なので、そこで成長していかないと、監督やご一緒したキャストの皆さんにも失礼だと思います。ただ経験を積むのではなく、その経験の中で、いかにして成長できる材料を拾い集めていくのかにフォーカスしながら現場に臨んでいます。
-改めて、ドラマの見どころを。
 ドラマ版は、映画ともまた違う、新たな「ドロップ」として確立しています。映画を見た人は懐かしいと思うシーンがたくさん出てくると思いますし、僕と同年代の人で初めて「ドロップ」を見るという人はヒロシと同じ目線を体感できると思います。ヤンキーが非現実的過ぎないものとして描かれて、どんな年代の方にも刺さるドラマになっていると思うので、ぜひご覧ください。
(取材・文・写真/嶋田真己)
 連続ドラマW‐30 「ドロップ」は、WOWOWで、プライム/WOWOW 4K/WOWOWオンデマンドで、6月2日から毎週金曜午後11時放送・配信。(全10話)※第1話無料放送

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