規格外のフットワークを見せたBREAK
ING!超人対決が実現したALL STYLES
!マイナビDANCEALIVE 2023 FINAL B
REAKING&ALL STYLES ハイライトレビ
ュー!

2005年に「DANCE@LIVE(ダンスアライブ)」として日本で誕生し、18年の歴史を持つ世界最大規模のストリートダンスバトル「マイナビDANCEALIVE 2023 FINAL」。今年もバトルを中心に豪華なブースやショーケースが用意されダンスフェスとして盛大な盛り上がりを見せた。メインコンテンツとなるダンスバトルでは、6つのカテゴリーで熱いドラマや名勝負が繰り広げられた。今回はマイナビDANCEALIVE 2023 FINALを振り返り、BREAKING&ALL STYLES SIDEのハイライトを紹介していく。
2024年パリオリンピックの新競技「ブレイキン」に社会的注目が高まる中、マイナビDANCEALIVE 2023 FINALもJDSF(公益社団法人日本ダンススポーツ連盟)が主催する”全日本ブレイキン選手権”のパートナー大会となりバトルの結果がポイントランキングに反映され、選手選考に影響する重要な大会となった。歴史あるバトルのイベントの優勝という栄誉だけでなく世界へ続く道としても開かれたBREAKING SIDE。ジャッジシステムは他のカテゴリーと異なり、専門の3名のジャッジが担当する。
そして頂上への道が最も困難と言われるのがALL STYLES SIDE。過去のDANCEALIVE FINALの各カテゴリ優勝経験のあるダンサーをはじめ、世界中で活躍するダンサー、各世代を代表する勢いのあるダンサー達が集まり、不退転の戦いが繰り広げられる。
BREAKING SIDEでは、SEEDダンサーKouske (Keshiki)が、静かでありながら独自性の高い表現を軸に、タットやウェイブなどを巧みに取り入れたフットワークで見事優勝を飾った。「Extra House」や「21.5」から始まり「WASEDA BREAKERS」、「King Ark」と、大きな船に乗り込み世界で大航海を続けてきた。今回初出場にして勢いのある若手たちを倒し、見事辿り着いた優勝は本人もまったく想像していなかった最高の景色であったろう。
ALL STYLES SIDEでは、Hozin (WORLD FAME US)がPOPPIN’を主軸にしたダンスで強豪たちとの激戦を制し、見事優勝を飾った。世界でも実績を残す韓国を代表するダンサーであり今回SEEDダンサーとして初出場、数々の名勝負を繰り広げた。ストイックに磨き上げたブガルーのスキル、時折見せるスタイリッシュな表現を武器にトーナメントを登り詰めた。
FINALIST 8名中4名がDリーガー!熱い真っ向勝負
BREAKING SIDEではFINALIST8名中4名がDリーガーという豪華な顔ぶれに加え、関西を代表するカリスマB-BOY m0nm0i、今回のMYNAVI STAGE GUESTとしてMONSTER ENERGY BREAKERSにも所属するTOAとSEEDダンサーのBboy Bowzee。そしてレジェンド世代からKouskeと、誰が勝っても初優勝、そして誰にも勝敗の予想が付かないスタートとなる。
BREAKINGでは各々がかっこいいと思うダンスを見せ合い自分が一番であると主張する態度(アティチュード)が伝統だ。お互いリスペクトしつつも、勝負の舞台では自分が一番だと示すため過激なジェスチャーなども飛び出してくる。BEST8からどのバトルもバチバチの戦闘態勢で行われ、派手なアクロバットやパワームーブ、練り上げられたフットワークと、自身が積み上げてきたものを披露していく。
BEST8の注目すべきバトルはSEEDダンサーとして登場した世界的ダンサー Bboy Bowzeeと、前日予選で優勝し昨年に引き続きFINALの舞台に立ったSHOSEIの一戦。Bowzeeは握手をスルーするアティチュードから、しなやかな体幹と筋肉を使ったダイナミックなパワームーブとフットワークを複雑に混ぜ込みスキルを見せつける。対して、勢いのあるパワームーブをスムーズかつ見せ場を盛り込みながら積み上げていくSHOSEI。海外勢が有利と思われたフィジカルのフィールドで真っ向勝負をしかけ、見事2対1でSHOSEIが勝利した。
エネルギッシュvsアーティスティック
準決勝のTOA vs Kouskeの戦いは、エネルギッシュなダンスとアーティスティックなダンス、まさに対極の戦いとなった。
JDSFの強化選手にも選ばれ、新世代のエースとして世界的な活躍が期待されるTOA。フットワークもパワームーブも鋭さを放ち、オールラウンダーと呼ぶに相応しくすべてを高いレベルで繰り出す。ムーブとムーブの間には、TOAの独自性を象徴するTOA POSEも飛び出し、しっかりとTOAらしさを見せつけ、会場を沸かせる。
一方ベテランKouskeはグルーブを遮るようなエントリーで会場の注目を集める。先ほどまでの勢いのあったステージを自分のペースに染め上げ、フロアムーブでは回転や繰り返しを崩さないまま手技や足技、そしてウェーブや足抜きを多用した見たこともないようなギミックを見せつける。「憧れの先輩たちに影響を受け、いろんなヒントを取り込み自分なりに熟成させた」というスタイルは、逆に真新しさすら感じさせ、会場の歓声は驚きを表すどよめきに変わった。
ブレイキンのセオリーを開拓してきたレジェンド世代として、さらに追究してきた「セオリー崩し」を見事に披露した結果、Kouskeに軍配が上がった。
螺旋構造を表現する規格外のフットワーク、「直感を信じて」掴んだ優勝
決勝戦の相手は、準決勝でTETSUとのDリーガー対決に勝利し、前日予選に続き2日連続での優勝を狙うSHOSEI。
1stムーブではSHOSEIが飛び出し、エアーからエルボエアー、ハイスピードなスピンのコンボから正確なフリーズ。15秒で会場をロックし、さらに勢いあるフットワークと軟体を武器に爆発力のあるムーブで会場を熱狂させる。
Kouskeはスローにビートをとり、エントリーからボディーウェーブやアイソレーション、ツイストなど遊びを取り入れ貫禄を見せていく。フロアでは静かで綺麗なステップから足首や手首を使ってトリッキーなムーブのオンパレード。SHOSEIに引っ張られた会場の空気を上書きしていく。
2ndムーブ、曲がチェンジした瞬間にSHOSEIは飛び出し、エアーはベーシックステップだと言わんばかりにダイナミックなパワームーブを軸にダンスを組み立てていく。時折はさむフットワークのトリックやハードヒットなどで見事に音を掴みながら、実直に全力をぶつけ会場を沸かせる。
Kouskeのラストムーブでは、腕や膝など関節の立体的な回転、そしてフリーズから「DNAをイメージした」という螺旋状にうねりながら伸ばされていく足に会場は息を呑む。全身でタットをするようなフロアムーブは、玄人を唸らせる規格外の完成度だ。結果2vs1でKouskeが見事に勝利。試合後、この時の心境を「迷うことなく直感を信じてバトルに参加した。国技館は全てのエネルギーが中央に向かう特別な会場。いかにいつも通りをキープするかの勝負でもあった。」と語ってくれた。
空間が震える、バファリンvsGUCCHONの好勝負
ALL STYLES SIDEは8名中6名がPOPPIN’を主軸にしたダンサーという顔ぶれで、一音一音にいかに魂を込めて表現するかが重視されるカテゴリとも言える。中でも前日予選を優勝しFINALに進んだGUCCHONは、まさに音と一体化するような独自の表現力でダンスアライブにおける最多優勝記録を持ち、今回も優勝候補として注目を集めていた。
BEST8、5度目のファイナリストとして登場したバファリンとGUCCHONの試合に会場は大盛り上がりだった。持ち前のハードヒットやバイブレーションを武器に、どんなムーブを見せてくるかわからないバファリン。対して独自に進化を遂げたブガルーとアニメーションスタイルをベースに、踊るだけで時空が歪むような錯覚を起こすGUCCHON。バファリンがフロア技を展開し遊び心とストイックに磨き上げられたスキルで会場を沸かせると、GUCCHONもキープが難しい体勢から音が体を通して増幅されていくようなダンスを見せる。
好勝負の末GUCCHONが勝利を手にすることとなったが、どちらもヒットを打てばその音に合わせて空間が震えるほどのパワーと表現のぶつかり合いで、初戦から決勝戦のような盛り上がりを見せていた。
奥深さの饗宴、STYLE OF FUSION対決が実現
GUCCHONが進出した準決勝では、SEEDダンサー、そして最年長ファイナリストでもあるPEETとの、STYLE OF FUSION対決が実現した。STYLE OF FUSIONは「ダンスの神様」SEIJI率いる国内最高峰のクルーの一つ。BOPPIN'と呼ばれるロボットダンスを中心にしたPOPPIN'で人間離れした表現や空間を見せるチームという印象だ。そのSEIJIに認められたメンバーの二人がこのMYNAVI STAGEでぶつかり合う、相当レアな対戦カードとなる。

アーティスト

Dews

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