浦島坂田船「4人とcrewで作り上げて
きた10年間です」 10周年を記念した
初のさいたまスーパーアリーナ公演、
夢の一夜をレポート

浦島坂田船 10th Anniversary 〜Memorial Live〜

2023.4.29 さいたまスーパーアリーナ
10年かけて築き上げた特別な居場所。それは、浦島坂田船とcrew(浦島坂田船ファンの呼称)にとってあまりにもかけがえのない宝物だ。
うらたぬき志麻となりの坂田。センラからなる4人組男性ボーカルユニットの浦島坂田船が、2023年4月29日に『浦島坂田船 10th Anniversary 〜Memorial Live〜』を埼玉・さいたまスーパーアリーナにて開催。事前に行われた楽曲と衣装の人気投票結果を反映した構成で、驚きの演出もふんだんにちりばめられたスペシャルな記念日の模様をお伝えする。
オープニングムービーに詰まっていたのは、2013年から現在に至るまで、日本各地のステージに立ってきた浦島坂田船の勇姿。今回のさいたまスーパーアリーナ公演をもって全47都道府県での公演開催を達成した浦島坂田船、その足跡をあらためて辿れば早くも胸がいっぱいだ。
浦島坂田船
待望の1曲目は「Carry Forward」。人気投票1位の海賊船衣装をまとったメンバーがステージ上段に登場し、メンバーカラー4色の花火がステージ前に打ち上がると、大歓声が上がる。
crewに向け笑顔で手を振りながら歌った「アイドルっぽい曲を作った。」。となりの坂田。が「みんなの声聞かせてくれるよね? 一緒に歌おう!」と呼びかけ、メンバー4人が大きなステージに広がって歌った「Dreamer」。ダンサーとともにキレッキレに踊る「花鳥風月」。人気投票が反映されたセットリストはしょっぱなからとても豪華で、メンバーカラーを灯したペンライトを振るcrewにしても、曲それぞれにきっとさまざまな思い出を重ねているのではないだろうか。
浦島坂田船
この日のさいたまスーパーアリーナは、約26,000人を収容した「スタジアムモード」。メインステージからアリーナ客席後方まで伸びる花道、横に通る花道が“十”を想起させて、その真ん中にはセンターステージが。名だたるアーティストが立ってきた大舞台に、今4人も立っているのだ。とはいえ、MCともなればいつも通りの気ままで緩めなトークを繰り広げてしまうのが浦島坂田船。10年で歌やパフォーマンスはどんどん磨かれ進化しても、仲睦まじさや自由なところはちっとも変わらない。そこがまた、浦島坂田船らしくていい。
「最強ライバル」ではメンバーがトロッコに乗り込んでアリーナ通路へ向かい、客席に向け笑顔で手を振ったり、指をさしたりしてたっぷりファンサ。メンバーがセンターステージに移動、コール&レスポンスでますます一体感を高めた「千本桜-guitar rock arrangement ver.-」から色気大爆発な「Beetle Battle」と、客席の熱気はどんどん上昇していく。
ソロ&コラボコーナーでは、となりの坂田。が和衣装を、うらたぬきが猫衣装を、センラがキョンシー衣装を(ちなみに<センラくんのちょっとイイとこ見てみたい>ではセンラが見事な小手返しを披露し裏返ったパンケーキには“10”の焼き目が!)、志麻がゾンビ衣装を着て、ソロ/コラボの人気投票1位曲を披露。うらたぬきととなりの坂田。が手でハートマークを作ったり、となりの坂田。がうらたぬきをバックハグしたりした「Trip-Trap, Love Trap!!」にしても。「すげー絶景やな」と客席を見つめ感嘆するセンラに、「これ全部志麻センのオンナやで?」と志麻がドヤ顔を見せた「#嘲笑ポラロイド」にしても。crew大興奮&大歓喜だ。
うらたぬき
志麻
となりの坂田。
センラ
クレーンに乗ったうらたぬきととなりの坂田。がスタンド席に接近した「花吹雪」。人気投票2位の『V-enus』衣装をまとった4人が、船に見立てた電飾きらめくフロートに乗り込んでアリーナ通路をぐるり1周した「Sailor’ s High」。たたみかけられる驚きの演出に、楽しいが加速していく。
さらに、10曲が連なったスペシャルメドレーの強いこと強いこと。楽曲に恵まれ、それをしっかりと自分たちのものにしてきた浦島坂田船、そんな彼らに惹かれ応援してきたファンの深い愛。浦島坂田船とcrewが共に歩んできた10年は、本当に尊い。

うらたぬき、となりの坂田。

「とんでもない体験をしてます」「「10年後にたまアリに立つよ」って言っても10年前の自分は信じないだろうな」と、感無量な様子の4人。「そらに、ひらり」「花や、花」では、上昇するゴンドラに乗り光の海を見下ろしながらていねいに歌声を重ねつないでいった。さらに、今度は志麻とセンラがクレーンに乗ってスタンド席に接近した「恋色花火」。思い出いっぱいな写真や動画がステージ後方スクリーンに映し出された「君まであと何メーター」。「10年間、思い出たくさんありがとうございました。これからも一緒に思い出を作っていきましょう!」とうらたぬきが呼びかけた「Mermaid」。crewは、4人の姿を歌声を目に耳に心にしっかりと刻んでいく。
浦島坂田船
活動をやめようとしたとき引き留めてくれたメンバーに「ありがとう」を伝え、「この10年間が僕の人生だって言える。それはメンバー、支えてくれたあなたのおかげ」と断言したセンラ。「いつだって力をくれるのはcrewのみんな。素敵な毎日をいつもありがとう」と穏やかな笑みを浮かべたとなりの坂田。メンバーひとりひとりとcrewに「ありがとう」と言い、「4人とcrewで作り上げてきた10年間です」と胸を張った志麻。「活動してきてよかった。みんなが応援してくれたおかげで浦島坂田船の活動を通して生きる意味を見つけられた。みんなと一緒に生きていいんだって思えた」と胸の内を吐露したうらたぬき。本編最後の「Shoutër」、メンバーとcrewが気持ちひとつにした全力の<Yeah!>は万感胸に迫るものがあった。
浦島坂田船
ファイヤーボールが豪快に噴き上がった「Peacock Epoch」でスタートしたアンコール。「おまえたちは俺たちの生きる理由なんだよ!」とうらたぬきが叫び、4人が生声でタイトルコールしたのは「SAILING!!!!!」だ。まさに彼らは、<最初で最後の最高のメンバー>。愛するcrewとともにこの先何年も笑っていてほしいと心から願う。
2023年7月から9月にかけては、全国11都市17公演の『浦島坂田船 SUMMER TOUR 2023 Plusss』を開催。crewの応援を原動力に、浦島坂田船はこれからも大海原を堂々と賑やかに進み続けるに違いない。

文=杉江優花
撮影=小松陽祐(ODD JOB)、加藤千絵(CAPS)

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