スープストックトーキョー公式ツイッター(@SoupStockTokyo)より

スープストックトーキョー公式ツイッター(@SoupStockTokyo)より

「居場所がなくなる」とスープストッ
ク離乳食を批判する女性に知ってほし
い子連れのほうが居場所がない現実

食べるスープ専門店「スープストックトーキョー」が離乳食の無償提供をスタートしましたが、これに対して一時期ネット上で批判する女性たちの声が上がりました。自分たちが落ち着いて食事できる場が減ってしまうとのことでしたが、それでいうと、子連れ客のほうが選択肢がはるかに少ないことを知ってほしいです。
赤ちゃんモデルの写真へ辛辣なコメント 4月25日、食べるスープ専門店「スープストックトーキョー」が、離乳食の無償提供を始めました。乳幼児をもつ親からすればありがたいことこの上ないですが、これを告知する下記のツイートが投稿されて、一部で批判が巻き起こりました。
「小さなお客さまへ 4月25日(火)より、Soup Stock Tokyo全店で離乳食・キッズセットの提供をはじめます。 離乳食(後期)の無料提供を全店で行うことになりました。もう少し大きくなったお子さまにはキッズセットのご用意も。ぜひ家族一緒にスープの時間をお楽しみください。」
 このツイートには赤ちゃんのイメージ写真も添付されていたのですが、これに対して、
「私子供好きじゃないから、一枚目の写真見ただけで生理的に無理。汚い口元から一重まぶたから何まで、無理だ。赤ちゃんモデルに罪はないのに悪いけど、無理なものは無理なんだ。もうスープストック行きません」
 と反応するツイートが。
 赤ちゃんの写真はスプーンからスープを飲んでいるもので、口元にはスープが垂れていますが、いたって普通の可愛いもの。スープが垂れている口元も、子育て経験のある方なら可愛いとしか感じられないものだったので、このツイート主が激レアキャラなのかと思いきや、賛同するツイートもチラホラ。
「同感です。本当に近寄りたくも見たくもない『あなたも昔こうでしたよ』とかそういうことじゃないんですよね…スープストック好きだったのに残念ですね」
「食事中にこんなのが視界に入ったら一気に食欲なくなる」
「全文心底同意します。本当に子供が苦手なので子供のいない店を選んでいくだけ。そして子供が苦手なのを異常と言われるのも違和感しかないです。」
「飲食店の画像でこれはないですよね…普通に汚いので潔癖な人間からするとグロ画像です…あと昔あなたもこうでしたって言ってる人論点ずれ過ぎて怖いですね…」
「私はこのツイに完全同意なんだけどこのツイにピキってるキショキショ人間の多さよ 醜いね やっぱ人間なんて全員醜いわ 滅びよう、人類 キモブス人間を量産するな」
 などなど。赤ちゃんモデルの親御さんはこれらの投稿を見たら嫌な気持ちになるでしょうね……多分見てますよね……。
一人女性客より子連れ客のほうが食事の場がない それはさておき、スープストックは女性が一人で入ることができて、男性の視線も気にすることなく、乳幼児の騒々しさに煩わされることもなく、食事をすることができるお店だったのに、そんな場が今回の離乳食導入で失われてしまう、ということに憤っている方が一定数いるようです。今回の騒動で「スープストックは女性の吉野家」という表現も話題になりました。
 確かに、上記のツイートのように、乳幼児が嫌いだという方にとっては、離乳食導入は許せないことなのかもしれません。そういった女性にとっては数少ない憩いの場だったのでしょう。とはいえ、「数少ない場」ということであれば、子連れの親が入ることができる飲食店というのも限られています。むしろ堂々と入ることができる店のほうが少ないでしょう。
 まず、子連れ禁止と謳っている店は当然入れません。カウンターのみの店も椅子の形状的にまず入ろうとは思わないでしょう。カウンターのみでなかったとしても、子供が椅子に座った時に、テーブルが高すぎるとスムーズに食事ができないので、入るのを躊躇ってしまいます。子供を膝に乗せれば高さ的に食べられなくもないですが、そうすると今度は親側が食べるのが困難に。麺類なんかは子供を膝に乗せたままだと非常に食べづらいですし、特に熱い汁物とかは万が一子供にかかったら怖いので、まず注文できません。焼肉屋とか鉄板がある店も子供が触ってしまうと怖いので無理。喫煙可能な店も無理。
 ベビーカーが入れないような通路が狭い店も無理。ベビーカーだと、エレベーターがなく階段のみで2階以上や地下にある店も、ベビーカーを運べないので無理。あと最大の問題は、子供は好き嫌いが多いこと。小さいうちは、とかく食べられないものが多いので、この店入りたいけど子供が食べられそうなものが何もない……ということが少なくありません。なので、親がその時食べたいものが入るお店に入るなんてことはまず無理です。で、結局外で食事をすることになった場合、子供が好きなメニューが充実しており、子供用の椅子があるファミレスに行かざるを得ないことが多いのです。
 確かに、外で一人で食事をする場所が少ないと思っている女性も多いのかもしれません。しかし、説明したように、確実に子連れ客のほうが、食事をする選択肢は限られます。ちなみに飲食店に限らず、子連れなら映画館も行けないですし、ライブやコンサートも行けません。趣味という趣味は難しくなります。友人に会うのすらままなりません。そんな選択肢の少ない子連れ客にとって、一つ外食の選択肢が増えることを、スープストックを批判している方々は許容してあげてもいいのではないでしょうか。まあ、子連れは外に出るな、外食するな、と主張するのであれば、もう何を言っても無駄ではありますが……。

ほんこんさんもスープストック騒動に言及 とはいえ、この騒動にいっちょかみした一人が、お笑い芸人のほんこんさん。ほんこんさんはこのスープストックの取り組みへの批判について、
「自分ら一人の時間欲しかったら夜行ったらええやん」
「子供なんかギャーギャーすんのが仕事や。ほんで、そんな大きくないやん、離乳食食べてる子。何様やと思うねん、自分ら」
 などと自身のYouTubeチャンネルで言及。スープストックの取り組みへ批判する意見に強く物申したわけですが。ほんこんさんといえば、いわゆるネトウヨ的な主張で話題を集め、その主張には、特に政治的な主張には、ほぼほぼとんちんかんな内容だとツッコミを受けることでおなじみです。そんなほんこんさんがスープストックの離乳食の取り組みを擁護したことで、もしかしたら、この論争の風向きも変わってしまうかもしれません。

文/田崎寿司郎

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