前編:雲隠れしてバッシングされた3人
の芸能人

不倫トラブルで休養したアンタッチャブ
ル柴田

 今でこそ少しずつテレビや雑誌などで露出機会が増えてきてはいるが、一時は引退さえもまことしやかに囁かれたアンタッチャブル・柴田英嗣。きっかけは2010年のはじめに突然発表された不可解な休養宣言だった。
 所属事務所は言葉少なに体調不良と説明するのみ。ささいな体調不良で、柴田クラスの中堅芸人に長期の休養を取らせるはずがない。その2年ほど前にも急性肝炎で数ヵ月間仕事を休み、翌年もウイルス性急性咽頭炎で入院している柴田だけに、当初は「重病説」も流れた。肝炎は肝硬変や肝細胞ガンへと進行する怖れもある、油断ならない病だ。ファンにとっては心配でならなかっただろう。しかし、本人のコメントも事務所によるそれ以上の説明もなく、さらに連絡もつかないという失踪状態となった。
 時間が経つにつれ、「鬱病説」「自殺未遂説」「借金説」「美人局説」などの新説が次々飛び出し、休業の真相を求める噂はひとり歩きを続けた。
 その1年後、無事復帰した柴田は休業の理由が「不倫が絡んだ女性トラブル」にあったことを告白。要は女性問題で不祥事を起こしたため懲罰的に仕事を干され、マスコミに突かれるのを避けて雲隠れしていただけだったのだ。体調不良という誤った情報で世間の目を眩まし、トラブルが解決したところで真相を発表するというのは、ファンの心情を考えずともどこか小狡いやり方に思える。

失踪、不倫、ヘアヌード、豊胸と波乱の
林葉直子

 不倫が絡んだ失踪騒動と言えば、元女流棋士の林葉直子もおおいに世間を賑わせた。
 わずか12歳でプロ入り。1982年に14歳で女流王将のタイトルを獲得。天才美少女棋士の名を轟かせ、まさしく順風満帆の人生だった。登り続けていた歩みにつまずいたのは1994年の6月。公式戦に2日続けて姿を現さず、林葉は不戦敗。翌日、一部メディアは失踪という言葉を使って、林葉の近況をスキャンダラスに報じた。
 実は対局の10日ほど前、林葉は将棋連盟の理事に休養願いを提出していた。「心身ともに疲労を感じて極限状態」との理由だった。理事会では特例として休養を認めたが、すでに決定している対局について話し合う必要があった。しかし理事会からの連絡に林葉は一切出ず、行方不明となってしまったのだった。
 林葉は1992年頃から中原誠永世名人と不倫関係にあった。中原が、師・米長邦雄のライバルであったことも、彼女の心身にストレスを与えたのだろう。

 まもなくすると、林葉がイギリスに渡っていることが判明。極秘に帰国すると、騒動の経緯を説明するために記者会見を開いた。「こんなに大騒ぎになるとは思わなかった」「(渡英は)将棋を世界に広めたかったから」と、中原との不倫はおくびにも出さず努めて冷静に答えた林葉だったが、「父親との不仲」「父親との非倫理的な関係」の噂に話が及ぶと、「そんな風に言われて結婚できなくなったらどうしてくれるんですか!」と激怒した。
 翌年に将棋連盟を退会した林葉は、ヘアヌード写真集を発表。豊胸手術も受けた。すっかり「お騒がせ」のイメージがついてしまったなか、98年「中原さんは会うたびに体を求めるタイプ。避妊もしなかった」と、中原と不倫関係にあったことを自ら暴露。
 留守番電話に収められた中原の肉声を公開するなど、暴露は赤裸々を極めた。中原の子供を中絶した過去も告白。「交際は続けたい」と未練がましい中原に対し、林葉は「肩の荷が下りました」とスッキリとした表情を見せた。
 その後は飲食店経営や占いなどを行っているが、2006年に自己破産を申請。今年2月には『ノンストップ!』(フジテレビ)に出演したが、重度の肝硬変であることを告白して話題となった。せめて失踪をする前に中原との関係を清算できていれば、彼女の人生も違ったものになっていたかもしれない。

(文・編集部)

オススメ書籍:アンタッチャブル柴田英嗣の日本一やかましい動物図鑑2(講談社)/柴田英嗣・著

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