人気漫画が初の舞台化!校條拳太朗主
演の舞台『珈琲いかがでしょう』製作
発表会見レポート

舞台『珈琲いかがでしょう』が2023年5月17日(水)から東京・シアター1010で上演される。
原作は『凪のお暇』などで知られるコナリミサトの『珈琲いかがでしょう』(マッグガーデン刊)。店主の青山一(あおやま・はじめ)がさりげない言葉で人々を癒し、優しくもほろ苦い人情珈琲群像劇を描いた本作品は、2014~15年にかけて『WEB コミック EDEN』で連載され、2018年にはアニメ化された。まるで癒しとほろ苦さが共存する至高の珈琲のようなストーリー……かと思えば想像もつかない急展開を見せる、今なお高い支持を受けている人気漫画だ。
2021年にはテレビ東京にて、中村倫也主演で実写ドラマ化。今回は、脚本・演出を菅野臣太朗が担当し、主演・校條拳太朗、ヒロイン・太田奈緒、そして花陽みくを迎え、シアター1010にて舞台化される。
4月21日(金)、足立区内にあるカフェで会見が行われた。その様子を写真と共にお伝えする。
コーヒーを飲んで心が和らぐ……観終わった後にコーヒーが飲みたくなる……
太田奈緒、校條拳太朗
ーーまずはご挨拶をお願いします!
菅野臣太朗(以下、菅野):本日はお忙しい中ありがとうございます。 スタッフ側として、この作品のこの舞台の作品の目線、構成、魅力などを語らせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
校條拳太朗(以下、校條):青山一役の校條拳太朗です。本日は足を運んでいただきありがとうございます。よろしくお願いいたします。
太田奈緒(以下、太田):垣根志麻役の太田直央です。本日はありがとうございます。 稽古みんなで頑張りますので、ぜひ素敵な記事にして書いていただけたら嬉しく思います。よろしくお願いします。
花陽みく(以下、花陽):礼役をさせていただきます。花陽みくです。今回、出演のほかにも、北千住のカフェ巡りなどもさせていただきました。その点についても、皆さんいっぱい聞いていただけたらと思います。よろしくお願いします。
菅野臣太朗
ーー菅野さん、簡単にストーリーをご説明いただけますか?
菅野:目につくタコマークの移動式コーヒー屋さんのお話です。店主の青山一が全国各地を回って、例えば仕事だったり、家庭だったり、社会だったり、そういうところで疲れた日本人にですね、1杯のコーヒーを飲んでもらって、そこで癒されたり、人の大切さや人を思う気持ちを生み出したり、思い出したりしていくというお話になっております。
今回は舞台版ということで、コミックの全部のストーリーを再現するのではなく、舞台でしか観られない『珈琲いかがでしょう』を目指して、登場人物をピックアップして、舞台版として描いております。原作とは少し違う部分もありますけれども、原作のコナリ先生と一緒に脚本を一緒に作らせていただきました。先生も楽しみにしているということだったので、舞台ならではの、舞台でしかできない表現を楽しみしていただけたらなと思います。
ーー菅野さん自身は、ワインやチーズをテーマにされた舞台も手掛けていらっしゃいますが、 今回、このコーヒーを題材にした舞台のお話が来たときはどう思われましたか?
菅野:僕が演劇を作るときのモットーは、演劇で日本を元気にするということ。その中でチーズとかワインとかずっとやってきたんですけども、今回、コーヒーを題材にするということで、食と演劇というものが僕の中で興味ある結びつきでした。
プロデューサーに原作をいただいて、コーヒーを飲んで、人の心が和らぐ。そして、観てくれた人がまたコーヒーを飲みたくなって、劇場を出た後に、友達や家族にも優しくなる。そんな輪が広がる気がしました。それで今回、こちらのお仕事を引き受けさせていただき、ありがたく脚色をさせていただきました。
校條「自分でコーヒーを挽くようになりました」
校條拳太朗
ーー校條さんが演じるのは青山一役。今回どのように演じていきたいと考えていらっしゃいますか?
校條:原作を読ませていただいて感じたのが、青山一と出会う人々は、それぞれいろいろな事情があるんですけど、共通してやっぱりほっとした気持ちになっているなということです。今、この現実の世の中でも、いろいろな仕事があって、皆さん仕事の合間に休憩をして、コーヒーを飲んだり、まぁコーヒー飲めない人は紅茶を飲んだりすると思うんですけど、そんなひとときになれたらいいなと思います。(演じる青山役は)「コーヒーが似合うキャラクター」というよりも「コーヒーそのものに近い存在」かなと思うんです。僕自身、よりコーヒーを知って、飲んで、癒される感情や空気感を青山の中に生んで作っていけたらと思っています。
ーーちなみに校條さんは、コーヒーは好きですか?
校條:はい。もともと缶コーヒーは好きでした。自分で豆を挽くことはなかったんですけど、この役を演じることが決まってから、自分でもミルを買いました。(花陽さんの方を見ながら)先輩に勉強させていただきながら、いつか自分のブレンドを作りたいなぁと思っています!
太田奈緒
ーー太田さんは、心が疲れたOLの垣根志麻役を演じられます。どのように演じていきたいと考えていらっしゃいますか?
太田:私はドラマを拝見したんですけども、垣根は心の疲れみたいなものを感じている役なんですが、皆さんもきっと学校に行ってあったこととか、仕事に行って辛いことがあったとか……そういう部分で共感できるところがたくさんあるのかなと思います。なので、舞台上で繊細に、感じたことを表現できればいいなと思います。
ーー太田さんはコーヒーは好きですか?
太田:カフェラテは好きだったんですけど、ブラックコーヒーは全く飲めなかったんです。でも顔合わせのときに、みくさんが、作品の中にも出てくる“コピ・ルアク”という幻のコーヒーを挽いて、みなさんに振る舞ってくださったんです。それでブラックコーヒーを初めて飲めるようになりました。これも何かのご縁だと思うので、これを機に、コーヒーの先輩方がたくさんいらっしゃるので、教われたらなと思います。頑張ります!
花陽みく
ーー花陽さんはバリスタもされているということですが、今回のコーヒーの舞台のお話が来たときのお気持ちは?
花陽:私はコーヒーが好きすぎて、バリスタになってしまった人間なので、今回お話いただいたときは、まず耳を疑い、何回も聞き直しました。舞台とコーヒーがセットになっているなんて……神様、ありがとうと何度も叫びました。それぐらい嬉しくて!
私自身、女優業をするにあたって、コーヒーは癒しの存在だったんですけれども、それがどんどん好きになっていって。コーヒーはこんなに素敵なものなんだよと、もっと皆さんに知ってほしいと思い始めていたタイミングだったので、今回の舞台を通して、「あ、こんなコーヒーがあるんだ」といろいろな人に知ってもらえたらなと思います。コーヒーが好きな人も、お芝居が好きな人もどちらも楽しんでもらえたらいいなと思っています。
ーー花陽さんは礼という役を演じられますが、どのような役になりますか?
花陽:はい。これんだけコーヒーのことが好き好き言っているんですけど、舞台上では一切コーヒーは淹れないんです(笑)。礼は画家になりたくて、東京で頑張ると意思を持って出てきた女性なんですけれども、途中で挫折やいろいろな経験をして、心が荒んでしまいます。そんなときに青山さん、そして青山さんが淹れてくれるコーヒーと出会い、ドロドロしたものが一気に流されて、明日からまた頑張ろうという希望をもらった女性ですね。
今回はオムニバスになっていて、私が演じる礼以外も、いろいろな人たちが青山さんに助けられていくのですが、お客様の方にも礼と同じように感じて、一緒に体感してもらえたらなと思います。
キッチンカーが舞台上に?コーヒーの香りが漂う舞台?
菅野臣太朗
ーー菅野さんに質問です。それぞれの役どころに対して期待していることを教えてください。
菅野:この原作で、青山一が校條くんとなったときに、ああ、ぴったりだなと思いました。彼とお仕事でご一緒するのは3回目なんですけど、彼のたたずまいは、なんというか邪魔にならない“居方(いかた)”をするんですよ。隣にいるときのマンパワーが、青山一の印象とすごく近い気がする。青山一は人を救っているんですけど、押し付けじゃなくて、そっと背中をしてあげるというか、気づかせる/気づかせていくような役所なので、そこが校條くんの人柄と合うかなと思います。それに青山一は、原作にもありますけど、実は裏社会にいたという設定もあるので、少しエッジの効いた部分も混在できるような役を担っていただきたいなとは思います。
奈緒ちゃんは初めましてです。お客さんの役なんですけど、例えば、仕事で自分はAが正しいと思っているのに、上司や周りに言われて、Bをやらなくてはいけない会社勤めの人や人付き合いをしている人って多いと思うんですよ。客席にもそういうお客様がいらっしゃるかもしれないので、 そこの代弁者であってほしいなと。そして、青山一のコーヒーを飲むことによって「あ、私が正しいと思っていることは正しいんだ」「見てる人は見てくれてるんだ」と背中を押される役なので、同じような境遇の方々を救えるような、日常の涙を拭うような役どころになってくれたら嬉しいなと思っています。
みくちゃんも青山と出会う役。先ほど仰っていただいたように、昔から描いていた夢がなかなか実現しないし、「自分のやりたいことと求められることが違う」と苦しんでいる役なんですね。それで、虚勢を張って強い部分を見せようとする。そういう自分でいた方が楽だと仮面をかぶっているんですけど、エスプレッソに出会って、いろいろと気づきを得ていくという役なんですよ。こちらも奈緒ちゃんの役とはまた違った角度で共感していただけるお客さんがいるのかなと思いますし、お客さんの心をなでてあげるような役になっていただければと思ってます。
太田奈緒、校條拳太朗
ーー今回の演出や舞台セットについて見どころを教えてください!
菅野:美術家と打ち合わせを重ねて、今回、舞台上にキッチンカーをご用意させていただくことになりました。本物の車を購入して、改造して、舞台上に乗せるというこだわりようです。校條くんがコーヒーを淹れるシーンが実際にあるので、舞台上でもコーヒーが淹れられるような演出を考えています。
それプラス、演劇が映像作品と違うのは、そこに人がいること。役者がいること。役者の目の前にもお客さんがいること。そして、同じ空間を共有することだと思うんです。だから、お客様にコーヒーの匂いを少しでも感じていただくような演出を、今スタッフたちといろいろ実験をしています。
ーー花陽さんはカフェコラボ企画で、千住のカフェを巡られましたね。感想を教えてください。
花陽:今回は17店舗巡らせていただきました。他にもたくさんカフェがあるんですけど、今回は徒歩圏内ということで、17店舗です。趣味で1日カフェ巡りをやるんですけれども、失礼ながら私はあまり北千住に来たことがなくて……今回全く知らなかったところからのスタートでした。
《舞台『珈琲いかがでしょう』✕カフェコラボ企画》
「舞台を通して開催地である北千住を盛り上げたい」という制作会社の想いに、舞台上演地である千住の地元の喫茶店やカフェが応えました。協力いただく店舗は17店。出演者の一人であり、バリスタ資格を有する、元宝塚歌劇団所属の花陽みくが、公演1ヶ月以上前から店舗を巡り、それぞれの店の特徴をInstagramで紹介。4月8日(土)から配信中。さらに舞台来場者にもカフェを巡ってもらうため、千住珈琲MAPも作成。また、チケットを対象店舗に提示すると、舞台オリジナルコースターをプレゼント!
〈協力店舗〉
BUoY café&Bar、千住宿 珈琲物語、くし処 いわ咲、Tama Coffee Roaster、select gallery&bar“baku”、はれてまりカフェ、□□□(シカク)、caféKova Garden、SLOW JET COFFEE、喫茶 蔵、SHANTY、マメココロ 北千住店、LUSH COFFEE、八重洲珈琲 千住中居町店、Sd coffee、わかば堂、寛味堂
店舗1店舗それぞれのオーナーさんたちが温かくて。お店に込める思いや一杯に込める思いがあって、 お豆を焼きながらお客さんにどういう風に飲んでもらいたいかまで考えていらっしゃいました。17店舗それぞれが全然違うんです!店内の作りも、もちろん人柄も、テーマにしているものも違いましたね。私は今回の取材でノート2冊なくなりました(笑)。もう自分の勉強、人生の勉強をさせてもらいました。観てくださったお客様にも帰り道に17店舗寄っていってほしいです。本当に素敵なお店ばかりで、北千住という地域が好きになりました!
花陽みく
ーーコーヒーを飲む時間は皆さんにとって癒しの時間だと思いますが、コーヒー以外で皆さんの日常生活の癒しの時間を教えてください。
菅野:僕、旅行が好きでして、神社に行くのが好きなんです。それにコーヒーも好きなんで、美味しいコーヒーがありそうな神社によく行くんです。で、この間、北千住の千住本氷川神社に行ってみたんです。そうしたら、リアルにコーヒーのキッチンカーがあって!店主の方とお話をして、ちょっと繋がりができたりして……そんなミラクルがあったりするので、「神社」と「コーヒー」というコラボレーションはすごいですよ。よって、僕の癒しはコーヒー以外なら、神社です!
校條:僕は猫を飼ってまして、 猫と群れる、猫を眺める時間が癒しの時間ですね。最近は、自分でコーヒー豆を挽いて飲むようになったんですが、ガラガラやってるときに猫が寄ってくるんですよ。 だから、コーヒーの癒しと猫の癒しが同時にあって、癒しが倍増しています。
太田:私は夜の散歩が癒しの時間。大体決まった時間ぐらいに出るんですけど、サラリーマンの方などだいたい同じ時間に帰ってこられる方々の表情を見たり、人間観察をしたりしています。今日はなんかあったのかな?と想像しながら、夜道を歩くのが、癒しの時間です。
花陽:私は夜ではなく、朝の散歩。朝に散歩をして、ベンチでぼけっとするのが最高です。
校條拳太朗
太田奈緒
ーー最後に意気込みを改めてお願いします!
校條:原作、ドラマがあって、そして今回は舞台。移動販売店って、オープンな場所にありつつも、コンパクトでぎゅっとしていて狭い感覚になるような場所だと思うんですけど、その身近さについては舞台が1番感じられるかなと思うんです。観に来てくださったお客さんも、まるで自分もコーヒーを買うのを待っているような、それぐらいの距離感で作品を観られるかなと思います。
いろいろ聞いていると、本当に体感型の舞台になるんじゃないかなと思います。僕も役者として演じる上で、皆様に間近で観ているようなの舞台の良さを踏まえながら、この作品をしっかり届けていけたらなと思っております。
太田:ドラマと漫画があって、それらを観ている方はもちろん舞台がどうなるか、すごく楽しみにしていてほしいし、逆に観たことない方もこの舞台を通して、人間関係で疲れている気持ちが癒される物語に触れてみてほしいなと思います。しっかりお届けできるように、精一杯頑張りたいと思います!
花陽:観てくださった方がこの作品を通して、帰りに扉を出たときに何か温かいものがほっと芽生えていたら嬉しいなと思います。そして、その流れで喫茶店に寄っていっていただけたらとも思っております。今から稽古頑張りたいと思います。よろしくお願いします!
取材・文・撮影=五月女菜穂

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