栗山監督の采配がダメすぎる!WBC優
勝は100%選手の力
たまたま上手くいっただけ ワールドカップフィーバーで盛り上がりが心配された第5回WBCだが、蓋を開けてみれば侍ジャパンは全勝優勝。大谷翔平もMVPを獲得する活躍で、アメリカとの決勝戦は視聴率42.4%と熱狂に包まれた。
その中で絶賛されているのが、栗山英樹監督の采配である。不調の三冠王・村上宗隆を最後まで起用した采配はいかにも日本人が好みそうな美談であるし、まだ実績の乏しいヌートバーの抜擢は栗山が選手を信頼した結果だろう。
日本ハムの新庄剛志監督は「バントもある場面で村上君に『任せた』と。さすが栗山さんですね」
第1回WBC優勝監督の王貞治は「なんて言ったって栗山監督の大ヒットですよ。選手の起用も、彼としては揺るぎない起用法だったんだと思います」と絶賛の声しか聞こえない状況である。
しかし、この評価は本当に妥当なのだろうか。こうした選手を信じる系の采配は日ハム監督時代から栗山の得意とするところであったが、実は裏目になることの方が多かったではないか。
そう、WBCではたまたま上手くいっただけなのである。
例えば、村上を信じて主軸に据え続けた采配は、中田翔をいつまでも4番で起用していた時と被る。
結果はご存知の通りである。中田は成績不振でもスタメンを外れることはないと増長を繰り返し、最終的にはチームメイトに暴力を振るい巨人へトレードされることに。皮肉なことに、規律が厳しくOBや先輩の目が光る巨人に入団した中田は、現在成績も復調傾向にある。
栗山は最後まで中田を信じていたが、中田が村上のように信頼に応えることはなかった。栗山の指導は、少なくとも中田には合っていなかったようだ。
リメンバー斎藤佑樹 若手の抜擢と言えば、斎藤佑樹の贔屓も忘れてはならない。
斎藤はルーキーイヤーで6勝と思ったような成績を残せていなかったにも関わらず、2年目のシーズン、栗山から開幕投手に選ばれるなどエースに任命された。
斎藤はこのプレッシャーに負けてしまったのか、前年の6勝を下回る5勝と期待を裏切る結果に。そのまま潰されてしまったのは記憶に新しい。斎藤はヌートバーのように、チームの中心になることはできなかった。このように、主力の温情起用や若手の抜擢は日ハム時代からやっていたが、結果が伴っていなかったのである。
さらに、短期決戦の温情采配や若手の抜擢は命とりである。
北京五輪では星野監督が不調のクローザー岩瀬仁紀を信頼し準決勝で敗退。当時売り出し中だったG.G.佐藤を不慣れなレフトで起用し、3位決定戦で破れる原因となった。五輪や日ハム時代にこうした失敗の前例があったにも関わらず、栗山WBCで同じような采配を続けたことは大いに疑問。たまたま選手の実力で好転しただけと言えるだろう。
栗山の采配を検証するのは、この熱狂が収まってからでも遅くはない。
写真/「北海道日本ハムファイターズ監督 栗山英樹~人心掌握の"哲学"」(フジテレビジョン/北海道文化放送)
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