お好み焼きイメージ

お好み焼きイメージ

『舞いあがれ!』でお好み焼きを頻繁
に食べるのが意味不明

ウジウジ編の展開が鬱陶しい 現在ウジウジ編に突入している朝の連続テレビ小説『舞いあがれ!』。主人公・舞は幼馴染の貴司のことを明らかに好きなのに、あくまで友達だと言い張って、なのにしょっちゅう貴司のところに様子うかがい。で、そのたびに貴司につきまとうウザいキャラ設定の秋月さんに凹まされています。
 ウジウジ対ウザウザな展開、もうよくないですか。舞は「元気いっぱい!」みたいなキャラではなく、控えめだけど芯は強くて自分がやりたいと思ったことは誰に何と言われようと諦めずに成し遂げるというのが魅力的だったわけですが、今はひたすらウジウジ。初めての恋愛でもないのに。
 頻繁に貴司のところに行ってますが、どんだけ暇なんですか。母親と経営している工場、今は立て直したとはいえ、そんなアブラ売ってたらダメでしょう。

味にバリエーションがない とはいえ、本題はそのことではなく、お好み焼きの話です。舞やお母さん、また工場の人たちは何かにつけ、貴司の両親が経営するお好み焼き屋「うめづ」に行って、呑んでます。ちょっと相談事があるとすぐに「うめづ」。職場の飲み会も「うめづ」。何はなくとも「うめづ」。
 ……素朴な疑問ですが、お好み焼きって頻繁に食べたいですか? 私は、ひとから誘われたら行くものの、特に自分から行きたいと思うことは滅多にないというくらいには、お好み焼きを好きではありませんが(特別嫌いでもないです)、お好み焼きを好きな人でもそんなに頻繁にお好み焼き屋に行かないのではないでしょうか。
 居酒屋なら分かりますよ。メニューがたくさんあって、日々違うものを食べられるなら、お店の常連になるのも分かりますが、お好み焼き屋ですよ。もちろん、お好み焼き屋といっても、鉄板焼きメインでシメにお好み焼きという店ならまだ分かります。でも、この「うめづ」はお好み焼き以外のメニューがそんなに豊富にも見えません。たまにならともかく日々行っていたら絶対飽きると思うんですけど。
「いやいや、この『うめづ』のお好み焼きはそんじゃそこらのお好み焼きよりも絶品なんだ」「やれやれ、本当のお好み焼きを食べたことがないようだ。(中略)本当のお好み焼きを食べさせてあげますよ」と主張する人もいるかもしれません。でも、そんな美味いお好み焼きってありますかね。お好み焼きって所詮ソースとマヨネーズの味ですよね。
 すごく美味い肉と大して美味くない肉の間の味は雲泥の差があると思うんですよ。魚もそうですし、野菜や果物も同様でしょう。でも、お好み焼き、そんなに差、出ないでしょう。ラーメンなんかも、ミシュラン一つ星のすごく美味いラーメンといったところでたかが知れてますよね。
 一口にお好み焼きと言っても、色んなお好み焼きがあるだろうと言う人もいるかもしれませんが、豚玉だろうが海鮮だろうが、所詮ソースとマヨネーズの味がメインで、あとは生地の印象がすべてなので、大して味に違いがありません。味にバリエーションがないから舞たちがお好み焼き屋に頻繁に行く意味がますますわかりません。
 ちなみに、ここでいうお好み焼きは大阪風お好み焼きのことですが、広島風お好み焼き、広島焼きはますます意味がわかりません。焼きそばの印象が強い割に、その焼きそばがまったく美味しくなくないですか。広島焼きは、焼きそばを最もまずく食べる方法と言っても過言ではないのでは。

毎晩お好み焼きで健康も悪化 話が逸れましたが、いくら経営者の友人の店だからって、こんな何かある度にお好み焼き屋に連れて行かれたら、舞の工場で働く人たちもたまったもんじゃありません。店からのキックバックが生じているんじゃないかと疑う工員が出てきてもおかしくありません。「今日は飲み会だー」ってなって連れて行かれた先が毎回毎回お好み焼き屋じゃあ工場の士気だって下がるでしょう。
 毎晩毎晩酒とお好み焼きを摂取していたら、健康にも良くないはずです。舞の父親は工場が苦境に立たされていた時突然亡くなってしまいましたが、見た目は太ってはいなかったもものの、体は酒とお好み焼きで蝕まれていたのではないでしょうか。「うめづ」が父親を早逝に追い込んだと言えなくもありません。
 朝ドラは基本何箇所かの場所がローテーションで出てくるドラマ展開で、そのうちの一つが飲食店というのはいいとして、その飲食店を大阪だからってお好み焼き屋にしたのは短絡的としか思えません。大阪といえばお好み焼きというのは、大阪の人をバカにしているのではないでしょうか。大阪の食文化は粉物以外も多様です。前作『ちむどんどん』は沖縄と沖縄県民をバカにしていると評判でしたが、『舞いあがれ!』も似たりよったりということなのでしょうか。

文/中年男(なか・としお)

アーティスト

ブッチNEWS

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」