尾上菊五郎の一座が、名奉行・遠山の
金さんが主人公の『通し狂言 遠山桜
天保日記―歌舞伎の恩人・遠山の金さ
ん―』を上演

2023年1月3日(火)~27日(金)国立劇場 大劇場にて、令和5年初春歌舞伎公演『通し狂言 遠山桜天保日記-歌舞伎の恩人・遠山の金さん-』が上演される。
本公演は、「初代国立劇場さよなら公演」歌舞伎の第三弾。現在の国立劇場では最後となる初春歌舞伎公演では、名奉行“遠山の金さん”が主人公の作品を行う。江戸時代に町奉行を務めた遠山金四郎(とおやまきんしろう)は、「天保の改革」で庶民の生活を守るために活躍し、絶大な人気を誇ったと言われる実在の人物だ。
明治26年(1893)に初演された本作は、金四郎を題材にした数ある〈遠山政談物〉の中でも、代表作と言われている。今回は、歌舞伎では半世紀ぶりの上演だった平成20年(2008)12月の国立劇場での公演を、さらに面白く練り上げて上演する。
序幕では、長唄の唄方として芝居に出入りする旗本の若様・金四郎が、楽屋内で起きた喧嘩を見事に仲裁し、気風(きっぷ)の良さと器量の大きさを印象付け、後の名奉行の片鱗を見せる。一方、尾花屋の若旦那・小三郎と恋人おわかの悲恋が美しく綴られ、また、短筒強盗・生田角太夫と破戒僧・佐島天学(さじまてんがく)の悪党ぶりが小気味よく表現される。
心中を図ったものの生き残った小三郎は、小吉と名乗って悪の道に足を踏み入れる。小吉が羅漢に諫められる幻想的な霊夢が描かれた後、角太夫・天学・小吉の三人が出会う。
尾上菊五郎の遠山金四郎
兄弟の盃を交わした三人は、佐渡金山の御用金強奪に向けて動き出す。おわかの養父・須之崎(すのさき)の政五郎(まさごろう)に悪態の啖呵を切る小吉の色男の悪党ぶりや、按摩に変装した角太夫の妖しい悪の魅力、角太夫に人生を翻弄される女房おもとの悲哀などを織り交ぜつつ、やがて舞台は江戸から新潟へ。華やかな酒宴のさなか繰り広げられる大立廻りなど、起伏に富んだ物語が面白く展開する。
ついに白洲で悪党に対峙した金四郎は、お馴染みの桜吹雪の刺青で溜飲の下がる名裁きを見せ、大詰は新年を迎えた芝居小屋で初春らしい大団円を迎える。
尾上菊五郎が江戸っ子の爽やかさと奉行の貫禄に溢れた遠山金四郎を勤めるのをはじめ、中村時蔵が悪党の夫のために辛酸をなめつつ改心させようと苦労するおもと、尾上松緑が武家崩れの短筒(ピストル)強盗・生田角太夫(いくたかくだゆう)、尾上菊之助が若旦那から悪党に変貌する小三郎(こさぶろう)に扮し、新春の舞台を華やかに彩る。
尾上菊五郎の一座による楽しい趣向満載の初芝居。初代国立劇場最後の初春歌舞伎公演にふさわしい華やかな舞台に期待しよう。

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