最年少は11歳! 未知の才能と邂逅で
きるアートフェア『UNKNOWN ASIA 20
22』で目を引いた7アーティストを紹

紀陽銀行 presents UNKNOWN ASIA 2022 

2022.10.14(FRI)〜10.16(SUN) ナレッジキャピタル コングレ コンベンションセンター
アジアのアーティストが出展する国際アートフェア『紀陽銀行 presents UNKNOWN ASIA 2022』が、10月14日(金)から16日(日)までの3日間、グランフロント大阪 北館 B2Fのナレッジキャピタル コングレ コンベンションセンターにて行われた。今年で8回目を迎える同フェア。会場では出展した約120組のアーティストが、それぞれ趣向を凝らしたブースで作品をPRしていた。14日(金)のVIPプレビューでは、『UNKNOWN ASIA』名物である、スポンサー、審査員、レビュアーによる投票が行われ、翌15日(土)に受賞者が発表された。今回はイープラスのレコメンドアーティスト紹介も交えながら、『UNKNOWN ASIA 2022』の様子をレポートする。
紀陽銀行presents UNKNOWN ASIA 2022
2つの会場で結ばれるアーティストとの出会い
大阪でアジアのアーティストの「UNKNOWN(未知の才能)」に出会えるとして人気を博してきた同フェア。新型コロナウイルスの影響もあり、2020年はオンラインで、昨年はオンラインと実会場を組み合わせたハイブリッド形式で開催。昨年はのべ1万人以上が来場した。今年はコロナ以前に行われていたブース展示のみの形がカムバックし、「エキシビションルーム」、「コラボレーションルーム」とステージが登場した。
紀陽銀行presents UNKNOWN ASIA 2022
メイン会場となったエキシビションルームでは、日本と中国(日本在住)の、新進気鋭の約120組のアーティストがそれぞれのブースで作品を展示。訪れた関係者や来場者にプレゼンを行うなどして出会いを楽しんだ。ジャンルはファインアート、イラストレーション、グラフィックデザイン、フォトグラフィー、インスタレーション、ファッションなど多様。会場を回遊すると様々な作品が目に飛び込んできた。
ステージ
エキシビションルーム内に設置されたステージでは、奈良の人気和菓子店、樫舎(Kashiya)主人の喜多誠一郎による和菓子アート体験をはじめ、多彩なゲスト陣によるトークイベントが実施されていた。さらににFM802 DJの板東さえかと樋口大喜による「802DJと回るUNKNOWN ASIA アートツアー」が行われ、例年とはまた違った賑わいを見せていた。

ASIAN Artists Poster Exhibition
ASIAN Artists Poster Exhibition
そして今年新たに登場した「コラボレーションルーム」では、2017年に日本人アーティスト初のグランプリを受賞して以降、幅広い分野で活躍中のアーティスト、河野ルルによるライブペイントとミニトークイベントが行われた。そのほか、コロナの影響により渡航がわなかった海外アーティストのポスター作品が「ASIAN Artists Poster Exhibition」として展示された。海外との交流は『UNKNOWN ASIA』のミッションであるとして、中国、タイ、韓国、マレーシアのアーティストたちの熱い作品が存在感を醸し出していた。
グランプリは岡田将充(OMD)
グランプリを受賞した岡田将充(OMD)のブース
一般公開に先立って行われたVIPプレビューでは、スポンサー企業、審査員、レビュアーによる審査が実施された。皆めいめいに気に入った作品にレコメンドシールを貼っていく。そして、授賞式で各賞の受賞者が決定した。
グランプリは岡田将充(OMD)。今回の『UNKNOWN ASIA 2022』のメインビジュアルに起用されたアーティストで、グラフィックデザイナーとしても活躍中。3DCG作品のシリーズ「フォルム」は鮮やかでインパクトを与えた。グランプリの他にも4つの審査員賞と12のレビュアー賞が贈られており、今後の活躍が大いに期待される結果となった。また、一般来場者の投票で選ばれる「オーディエンス賞」は勝田有美が受賞した。
イープラスのレコメンドアーティストを含むアーティスト7組を紹介
ここからは、イープラスのレコメンドアーティスト10組のうち4組のアーティストと、筆者が気になったアーティスト3組を簡単に紹介する。
●土屋靖之
UNKNOWN ASIAは3回目の出展となる土屋靖之。
身近な文房具を使って見事な作品を生み出した。
『UNKNOWN ASIA』は3度目の出展だという土屋靖之は、文房具を使った作品を制作。コロナ禍で在宅勤務が増えたことにより、文房具がオフィスで役割を失っていくことに着目。文房具にアートという新たな活躍の場を提供するというコンセプトで、大きさの異なる穴開けパンチを3層組み合わせた作品や、書類閉じと画用紙を立体的に配置した作品、単語帳にクリアファイルを閉じて羽のように膨らませた作品などが並んでいた。ミリ単位での調整や工夫が必要だったそうで、かなり試行錯誤の上で制作された。発想力と細やかな造形が見る者の目を楽しませていた。
●六夜mutsuya
中国出身で京都の芸大に通う六夜mutsuya。
歴史の中での女性のファッションをモチーフに引用し、ルッキズムへの問題提起を行う。
中国出身、京都芸術大学院生でデザイン領域イラストレーションを専攻している六夜mutsuyaは、『UNKNOWN ASIA』初出展。江戸時代のおしろいに含まれた鉛や中世ヨーロッパのコルセット、中国の纏足など、主に女性のファッションによる「苦痛」をモチーフとした作品を展示。歴史の中でファッションにより女性が苦しんできた事実、そして現代社会の整形やダイエットを通して「これから社会の美意識はどのように発展していくか関心を持ってほしい」と語っていた。今回はレビュアー賞「鈴木英美賞」を受賞した。
●xorium
審査員賞「織田笑里賞」をはじめ6つのレビュアー賞を受賞したxorium(エクソリウム)。
会場でも目を惹いていた新作「TERRA」。
霧に煙る森が閉じ込められた不思議なカプセルが目を引いていたのはxorium(エクソリウム)。同じメーカーで働く同期のデザイナーとエンジニアの竹川諒、中矢知宏、中村慎吾の3人で構成されるクリエイティブユニット。京都を中心に活動しており、『UNKNOWN ASIA』は初出展となる。今回の展示に合わせて作られた新作「TERRA」は、「この世に存在しない架空の空間」を眺めるという行為により、心象風景に想いを馳せるというコンセプト。審査員賞「織田笑里賞」と5つのレビュアー賞を受賞していた。
ここからはイープラスのレコメンドアーティストを紹介する。
●長野美里
審査員賞「小林功二 賞」を受賞した長野美里。
「100日100枚映画イラスト」をキッカケに、映画と食を掛け合わせた作品を展示。
イラストレーターの長野美里は『UNKNOWN ASIA』初出展。「100日100枚映画イラスト」をインスタグラムに毎日アップしていたところ、食べ物を描いている時が一番楽しいと気づき「映画 x 食」をテーマにした作品をアナログで製作。新聞社でデザイナーとして働いていた経歴を活かした構図や色使いにもセンスが光るアーティストだ。今回は審査員賞「小林功二賞」とレビュアー賞「岡田充弘賞」、「松本篤賞」を受賞した。
●SYUJI Volkov
中国出身のSYUJI Volkov。獲得したレコメンドを上着に貼っていた。
グラフィックデザイナーとしても活躍。WDC(ワールドデザインコンソーシアム)とIAD(国際デザイナー協会)の正式会員。
貰ったレコメンドシールを上着にたくさん貼っていたのは、中国出身のアーティスト、SYUJI Volkov。2013年に来日した彼はグラフィックデザイナーとしても活動している。『UNKNOWN ASIA』は3度目の出展。ソビエト連邦のモダニズム建築を時代のシンボルとしてタイポグラフィで記録するというコンセプトで、1920年代のニュータイポグラフィに基づいたシステムを使用して造形した。そのうち数点は世界最大規模のデザインアワード『A' Design Award andCompetition』のブロンズを受賞している。『UNKNOWN ASIA』については「アートとデザイナーが同じ部屋でコミュニケーションできる機会はなかなかない。アーティストもデザイナーの考え方を知ることができて、今後のコラボの際に役立つのではないか」と目を輝かせていた。
●コノカ
コノカはスポンサー賞「Buckskin beer 賞」を受賞。
11歳のアーティスト。動物をモチーフに絵を描く。
『UNKNOWN ASIA』初出展のコノカは、出展アーティストの中で最年少の11歳。7歳から独学で絵を描き始め、現在の画風に辿り着いたそうだ。非常に緻密に描き込まれたカラフルな動物のイラストは会場でも抜群の存在感を放っていた。根っから動物好きの彼女。今後は「絶滅危惧種のサイやサンゴ礁を30号のキャンバスで描いてみたい。まずは知ってもらいたい」と話していた。スポンサー賞「Buckskin beer賞」とレビュアー賞「山内俊徳賞」、「皆黒嘉幸賞」、「中川 悠賞」を受賞。既にいくつかオファーを受けているそうで、今後の成長と活躍が楽しみなアーティストだ。
●瀬崎百絵(イープラス賞受賞)
スポンサー賞「イープラス 賞」を受賞した、瀬崎百絵。
呑み屋街をブースで表現。
そして「イープラス賞」を受賞したのは、瀬崎百絵。「呑み屋街」をテーマに製作された、塩ビ板にアクリル絵具で描かれた大きな女性の顔とレトロなネオン街がひときわ目を引いていた。『UNKNOWN ASIA』はオンラインを含めて3度目の出展となる彼女。「圧倒的に実会場の方が反応が良い」と語っていたが、彼女の作品から溢れ出る鮮やかな力強さは、リアルで見るからこそ体感できるものだろう。確実に仕事にも繋がっているそうで、今回はレビュアー賞として「スギマエマサト賞」「とみたあき賞」も受賞していた。瀬崎については後日、別途インタビューで掘り下げる。
ようやくリアルに顔を突き合わせて話せる実会場に戻ってきた『UNKNOWN ASIA』。残念ながら海外アーティストとの直接の交流は実現しなかったが、新たな試みもありつつ、今年も多くのコミュニケーションを生み出し、またひとつ実績を重ねて閉幕した。来年こそは海外アーティストが会場に集うことを願おう。
取材・文・撮影=ERI KUBOTA

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