「こんなにも仲良くなるなんて——奇
跡」~「美少女戦士セーラームーン」
30周年記念 Musical Festival -Chro
nicle- 絆を感じる、セーラー5戦士イ
ンタビュー

2013年より上演し、人気を博しているミュージカル「美少女戦士セーラームーン」(以下、「セラミュー」)。新メンバーで挑んだ2021年9月公演の『かぐや姫の恋人』の感動から約1年を経て、ライブ公演である「美少女戦士セーラームーン」30周年記念 Musical Festival -Chronicle-(以下、「セラミューフェス」)が決定。この公演には作曲家・小坂明子やANZA、大久保聡美、河西智美、鮫島れおなら歴代キャストのゲスト出演も予定している。
公演が楽しみで待ちきれないという様子の、元気いっぱい現役セーラー5戦士、田中梨瑚・前川歌音・小林れい・松村キサラ・牧野真鈴に話を聞いた。にぎやかな笑い声がいつまでも絶えることなく、日ごろから仲の良さを垣間見ることができるインタビューとなった。
■演出家・三浦香が繋いでくれた仲
ーーまずはこの「セラミューフェス」が決定した時、どう思いましたか。
セーラームーン/スーパーセーラームーン/月野うさぎ役 田中梨瑚:セーラー戦士としての物語は全て終わってしまっているので、次はどんなことをやるんだろう? 私たちに何ができるんだろうという不安はいつもありました。だから最初に『Festival』と聞いても、正直あまり想像がつきませんでした。ライブ公演になることがわかったり、ビジュアル撮影をしたり、だんだん具体的なところが見えてきて徐々にワクワクを実感できるようになってきたという感じですね。まだ稽古の段階なので、どんな完成図になるかはわかっていませんが、今はもう本当に楽しみで仕方ないです。またセーラームーンの世界に携われるのかと思うととても嬉しいです。

田中梨瑚

セーラーマーキュリー/水野亜美役 前川歌音:前回公演の『かぐや姫の恋人』で、わたしたちの出番は最初で最後になっちゃうのかなって思っていたので、こうしてみんなでまた一緒にできるのがほんとに、本当ッに嬉しかったです。それに尽きますね。
セーラーマーズ/火野レイ役 小林れい:梨瑚ちゃんや、歌音ちゃんの言う通り、前回公演の最終日にはまだ『Festival』は決まっていなかったので、これで最後になってしまうのかなって思っていました。こうしてまた機会をいただいて、みんなに会えるのが本当に嬉しいです。今回はいろんな楽曲をやると聞いているので、それをすごく楽しみにしています。ゲストさんも来ていただけるので、どんな公演になるのか内容についてもすごくドキドキです。
セーラージュピター/木野まこと役 松村キサラ:大好きなキャストさん、スタッフさんたちと一緒に「セラミュー」に携われて、すごく嬉しいなと思っています。前回の千穐楽の時、私大泣きしちゃったんです。だからこそまたこうして集まれたことがすごく嬉しいですし、公演に向けてワクワクやドキドキ、嬉しさや緊張、いろんな感情があります。
セーラーヴィーナス/愛野美奈子役 牧野真鈴:前回の千穐楽ではもうお別れみたいな感じになっていたよね。稽古から本番まで一緒に生活をしていく中で、家族みたいな良い関係にもなれました。先日会った時もみんなで話していたんですが、30周年という記念の年に私たちという戦士が選ばれて、そしてみんなとまた再会できて一緒のステージに立って……嬉しい以外の言葉が見つかりません。そして今回の「セラミューフェス」では、より私たちが団結した姿を見せられたらなと思います。
ーー前回公演『かぐや姫の恋人』について思い出を語ってください。
田中:最初のよそよそしさは半端じゃなかったよね。コロナウイルス感染対策のために、席の両脇に一人ひとりを隔てるパネルがあって、あまり積極的に話をできる状態じゃなかった。
小林:どうやって仲良くなればいいのかな、どのタイミングで話していいのかなというのもわからない感じでしたね。
前川:一緒にご飯に行ったりして仲を深めることもできなかったね。
前川歌音
牧野:そうしていたら、演出家の三浦香さんが「もっといろいろ話して、仲良くなってね」ってみんなを繋いでくれたんです。
田中:香さんが「5人で一緒に帰りなよ」って言ってくださって、それがきっかけだよね。会話も多くなったし、仲良くもなれた。
前川:ある稽古帰りの時、雨が降っていて、傘を持っていなかった真鈴ちゃんを入れてあげようと思ったんです。まだ全然仲良くなかった頃だったから「あ、全然大丈夫。平気だから!」って言って走って帰っちゃった! そんなこともありましたね。
小林:めっちゃ遠慮してたんだ!

小林れい

牧野:そうそう。私、人見知りだから、「ここで借りちゃうのも気まずいな」って思っちゃったの。
田中:私たちみんな人見知りじゃない?
前川:そうだね~。でも昨日は私が逆に傘に入れてもらったもん♪
牧野:相合傘して帰ったよね! だからやっぱり稽古の帰り道にたくさん話したことで、より仲が深くなったよね。
田中:稽古に行くときも集合して、流行ってる飲み物やご飯をお揃いで買って稽古場で食べたりとか。
牧野:あと血液型当てっことかもしたね!
田中・前川・小林・松村・牧野:あったー!
松村キサラ
田中:真鈴ちゃんは絶対A型でしょー? 歌音ちゃんはO型だよね! とか。
前川:満場一致だったよね(笑)。
田中:みんな血液型が性格に出てるから、予想するのはすごく楽しかった。
前川:公演中でも感染対策のため、みんなと一緒の場所でご飯が食べられないから、ビデオ通話しながら食べたりしたよね。千穐楽の前の日もみんなでビデオ通話して、「明日で終わっちゃうねー! やだー!」って大暴れしてました。
田中:「どうしよう、寝たら明日が来ちゃうよ~!」って。寝る前にグループ電話でみんなの顔を見て、明日も頑張ろうねってパワーを分け合ってたね。
牧野:あと前回の公演内容で言えばルナの恋のお話だったので、自分たちが出ていないところも袖から観ていて感動で泣きそうになってましたね。
田中:舞台は回転するセットが組まれていて、その円盤が回りながら音楽と共に戦士たちが移動して、っていうシーンがあるんです。回る舞台装置っていうのも珍しいですし、貴重な経験をさせてもらったと思います。
牧野:舞台セットが回転するのと同時に自分たちも自転していて。原作で言えばみんなで飛んでいく一コマなんですが、それを初めて映像で観た時、本当に宇宙に向かって行っているように表現されていて感動しました。
牧野真鈴
小林:私たちは一つひとつ覚えるのに必死だったから、最初は全体のことまでわからないまま稽古をしていたけど、映像でやプロジェクションマッピング、照明など全部があわさっているものを観たら「本当に宇宙に行ってる~~~!」って。
前川:最初の地球もすごくなかった? 上から降りてきた大きい円形パネルに映像が映されるんですが、それにぴったり地球がはまると本当に浮いてる球体に見えたという。
田中・前川・小林・松村・牧野:そう!
田中:そういう演出を編み出した香さんは本当にすごい!
前川:実際に舞台でやるまでちゃんと理解できてなかったから、こういうことねってすごく感動した!
小林:お客さん側になって観てみたいなって思いました。
牧野:うなら、演じる自分と観劇する自分に分身したいよね!
(左から)松村キサラ、前川歌音、田中梨瑚、小林れい、牧野真鈴
■ひたすら「折檻よ!」の決めポーズを練習
ーーどの曲が好きですか。原作・ミュージカル問わず「セーラームーン」に関わる曲であればどんな種類の「好き」でも構いません。
前川:思い入れのある曲と言ったら「アレ」浮かばない? どうかな。
小林:思い入れと言えば!
松村:私も1曲浮かんでる。
田中:じゃあ、せーので言ってみようか。
田中・前川・小林・松村・牧野:……せーの! 『恋するSatellite』!
一同:おお~(拍手)
前川:オーディションの時の課題曲ですね。自分がセーラー戦士だっていう想いで、楽しく歌って踊ったオーディションだったのを覚えています。必死に練習したので、一番思い入れがある曲です。
田中:一番最初に練習した「セラミュー」の曲だよね。『かぐや姫の恋人』でもやるのかなと思ったらなかったね。
前川:今でも完璧に踊れると思うくらい、曲と振りと歌が脳に焼き付いてる。
牧野:あとは以前私が行った「セラミュー」のイベントで歌ってた曲が、セーラー5戦士が登場・自己紹介をする『白月五人娘』。印象的ですごくカッコイイ、私もやりたい! って思って。オーディションに受かったと聞いたとき、実はそれを一番に練習しました。公演ではやらなかったけど(苦笑)。

牧野真鈴

田中:予習してたのね。でも私たちには私たちの登場曲があるのも嬉しかったよね。
小林:『セーラーコール』で登場する台詞——私で言えば「火星にかわって折檻よ!」という言葉を言えると思っていなくて。なので『セーラーコール』の歌詞を知った時、台詞を言えることがすごく嬉しかったですね。ひたすら「折檻よ!」のポーズを練習してました(笑)。
前川:しかも決めポーズをした後に、映像や効果音がつくから、さらに気持ち良かったよね。本当に水や炎を出してるような感覚になった!
田中:それもお客さん側からしか観れないから、やっぱり分裂して公演を観たいな!
牧野:DVD観てください(笑)。
松村:すでに何回も観てますぅ!
田中:私は『ラ・ソウルジャー(La Soldier)』ですね。何年も前の曲ではありますが、私たちにもすごく刺さる曲です。先輩たちが歌っているのを観て、すごくかっこいい! と思いました。独特な曲で、時代を感じつつも斬新さもあるような感じがするこの曲が大好きです。
前川:セーラーネプチューン/海王みちる役の木下綾菜ちゃんも歌いたい、って言ってたよね。
田中:そう、憧れの曲! 「セラミュー」ファンの方々からも人気が高い曲なんじゃないかな。
牧野:「セラミュー」の曲は全部好き!
松村:挙げてるときりがないよね。私は『愛のStarshine』が好きかな。振付でそれぞれの戦士のポーズが入ってて、すごくかわいいしかっこいいしエモい! 戦士のかっこよさや可愛さ、美しさとかいろんな要素がぎゅっと詰まっている曲ですね。歴代のキャストさんが歌っているところを映像でも観ていたので、憧れの曲でもあるし、印象が強い曲です。

松村キサラ

ーー「セラミュー」キャストでよかったなと思うことはありますか。
田中:全部! いろんな良いことがありましたが、やっぱりこのメンバーに出会えたことが一番じゃないかな。
前川・小林・松村・牧野:フゥ~!(拍手)
田中:稽古や本番中はやはりコロナ感染対策で不便な思いをしましたが、本番が終わった後からのこの1年、すごくたくさん会っています!
前川:稽古中は会うことを控えていましたが、コロナの状況が落ち着いてからはご飯もイベントも旅行もたくさん行きました。
小林:友達と大阪旅行だなんて人生で初めての経験をしたよ!
牧野:「美少女戦士セーラームーン」が関連しているものはだいたい全部5人で行ってるかな。
松村:月1で集まってるよね。
田中:お誕生日もお祝いしたり、してもらったり。
前川:お泊り会とかもね!
田中:「セラミュー」があったからこそ、この人たちと出会えたんだなと思います。
小林:外部戦士たちとの交流も多かったです。
小林れい
前川:5人でミュージアムに行って、そこからすぐに(木下)綾菜ちゃんとふたりで沖縄旅行にも行った! 年齢はちょっと離れているけど、弾丸で一緒に旅行できるような友達ができたのも初めてでした。
牧野:普通に過ごしていたら出会わなかっただろうし、「セラミュー」があったからこそのご縁なんだなと強く思います。
田中:これってすごくない? わたしたち、めっちゃ仲良いんですよ!
田中・前川・小林・松村・牧野:(笑)。
田中:集まった5人がこんなにも仲良くなるなんて、奇跡みたいだよね。
前川:オーディションで実はそういうところも審査基準だったのかな、仲良くなれるかを見られていたのかな、って思うくらい仲も良いし相性もいいよね。
牧野:他にも良かったことは、「セラミュー」6作品が収録されたDVD-BOXが発売されるんです。歴代の公演とともに私たちのも入っているという事実が、驚きと感動といろんな感情が混ざって嬉しかったですね。
田中:私は憧れの戦士服を着れたことが嬉しかったです。「美少女戦士セーラームーン」のあの服を着れるの!? ってオーディション合格が決まってからずっとワクワクが止まりませんでした。
前川:衣裳フィッティングの際、色を合わせてくれるだけで「きゃー」って声が漏れちゃうのを抑えきれなかった。鏡を横目でチラチラって見て大興奮! 私の前にセーラームーンが試着していたから、ずっと後ろで見てたよ。その時はまだ気軽にお話しできる間柄ではなかったから、内心ずっときゃーきゃー叫んでたもん!

前川歌音

松村:赤を合わせてるってことは、あの子はセーラーマーズ役の子なんだ。とか、色で判断してたよね。
田中:ビジュアル撮影の時も楽しかったよね。私たちの衣裳はどちらかと言うと原作寄りなので、本物みたい! って何度思ったことか。ミュージカル特有のキラキラ衣裳もすごくキレイで素敵ですが、自分たちの衣裳にはすごく愛着があります。
小林:衣裳スタッフさんもすごく細かく仕上げてくださっています。例えばグローブの縫い目も指先1本1本丁寧に合わせていて、ちょっとでもたるんでいたら直しますねってすぐ対応してくれて。ぴた~ってなるくらい、シルエットにもこだわっているんです。
松村:ウィッグも袖にはける度に梳かし、そして1回の公演が終わるとすぐにまた整えて直してくださっていて。
小林:スタッフさん方の愛もすごくありましたね。あと制服や私服を着れたのも嬉しかったです。
田中:私服は原作のものではないんですが、すごくうさぎちゃんたちが着てそう! って想像できるようなものになっていたし、漫画の世界に入ったような感覚でした。も~挙げるときりがない!
松村:私たちが着てからさらに衣裳さんがアレンジを加えていて、よりキャラクターたちが着てそうで華やかでレトロな感じになっていたよね。
田中:そういうスタッフさんたちの愛を知ることができたのも、「セラミュー」に出会えたからなのかもしれません。いつも感謝しています!

田中梨瑚

ーー最後に意気込みと、ファンの方へのメッセージをお願いします。
田中:「美少女戦士セーラームーン」30周年記念 Musical Festival -Chronicle-という公演をやらせていただきます。私たちも稽古を頑張っていますが、まだどういう形になるのかはっきり見えていない段階です。みなさんの想像を超えるようなものをお届けできたらいいなと思います。期待に胸を膨らませながら待っていてくださいね!
前川:今回は『Festival』なので、みなさんも一緒に楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。ノリノリな気持ちで来ていただけたらとても嬉しいです。楽しみにしていてください!
小林:30周年記念ということで、いろんな歴代の曲をやります。「セラミュー」の歴史も一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです。この作品はいろんなところに「愛」が溢れています。私たちも愛を持って、しっかりとみなさんに良いものをお届けしたいなと思っています。
松村:こうして1年越しにセーラー戦士としてみなさんにお会いできるのがすごく楽しみです。みなさんのワクワクやドキドキをさらに超えられるように、私たちも稽古を頑張って素敵なものをお届けしたいです。
牧野:今回は歴代のキャストさんも出演されます。その方々が大切に守ってきたこの「セラミュー」を私たちがさらに良いものにして、ゲストのみなさんからも「この戦士たちなら任せられるな」って思ってもらえるようになりたいなと思う気持ちもあります。お客さんにもたくさん楽しんでもらえるように、ペンライトを振ったり手拍子もしていただいて、一緒に楽しんでもらえる空間を作りたいなと思っています。楽しみです! も~りあがっていきましょー!!
田中・前川・小林・松村・牧野:イェ~イ!
(左から)松村キサラ、前川歌音、田中梨瑚、小林れい、牧野真鈴
ーーありがとうございました!
「美少女戦士セーラームーン」30周年記念 Musical Festival -Chronicle-は11月17日(木)より東京・品川にて公演。
取材・文=松本裕美   撮影=鈴木久美子

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