稲垣吾郎主演『窓辺にて』がTIFFで観
客賞を受賞 今泉力哉監督「見過ごさ
れるような小さな問題を描き続けたい
」
「第35回東京国際映画祭(TIFF)」のクロージングセレモニーが2日、東京都内で行われ、コンペティション部門の「観客賞」を受賞した『窓辺にて』の今泉力哉監督が登壇した。
本作は、妻の不倫を知りながらも、何も感じなかったことがショックだったという、“正直過ぎる男”の物語。悩みを抱く主人公のフリーライターを稲垣吾郎が演じた。
受賞トロフィーを手にした今泉監督は「このような光栄な賞を頂きありがとうございます」と喜びを語った。
続けて、「私は、すごく個人的な小さな悩み、特に恋愛映画をずっと作り続けてきて…。世界には戦争やジェンダーの問題など、さまざまな問題がある中で、本当に小さな小さな、取るに足らないような悩みなどを、恋愛を通じて、またコメディー的なことも含めて描こうと、今までやってきました」と語った。
そして、「どうしても、映画に限らず、小説などは大きな問題を取り上げ、それについて語る側面があると思うのですが、自分は主人公が受動的だったり、見過ごされるような小さな問題を描き続けたいと思っております」と心境を語った。
主演の稲垣は、先月末に新型コロナウイルスに感染し、現在は自宅療養中。今泉監督は「稲垣さんは、公開初日(4日)にも大事をとって(舞台あいさつに)登壇できない状況です」と説明。
「まだまだコロナや、世界にはいろんな問題がありますが、全てをネガティブに捉えるのでなく、そこにある小さな喜びとか、自分なりにできることを、これからも考えていきたいと思います」と話した。
また、同映画祭で、コンペティション部門の審査委員を務めたシム・ウンギョンは「最優秀男優賞」と「最優秀女優賞」のプレゼンターとして登場。
受賞者の発表の前に、「10月29日に発生した梨泰院の雑踏事故に心から哀悼の意を表します。謹んで故人のご冥福をお祈り致します」と話した。
本映画祭の最高賞となる「東京グランプリ」は、閉鎖社会で起こる“よそ者”に対する反発とその顛末(てんまつ)を描いた、スペイン・フランスの合作映画『ザ・ビースト』(ロドリゴ・ソロゴイェン監督)が受賞。併せて、最優秀監督賞、最優秀男優賞(ドゥニ・メノーシェ)も受賞し、3冠に輝いた。
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