2023年のアニー役は 深町ようこ&西
光里咲(Wキャスト)~ミュージカル
『アニー』オーディション合格発表レ
ポート

【THE MUSICAL LOVERS】ミュージカル『アニー』第47回

ミュージカル『アニー』2023 オーディション合格発表レポート
2023年の丸美屋食品ミュージカル 『アニー』 が2023年4月22日(土)~5月8日(月)、東京・新国立劇場中劇場で上演される予定だ(夏に各地公演も予定)。その子役(アニー役、孤児役)オーディションの最終合格者が、2022年10月30日(日)に日本テレビ番町スタジオで発表された。1933年のニューヨークが舞台となっているこの物語で、主人公アニーは1922年10月28日生まれとされており、合格発表の2日前は、「アニー生誕100周年」の日であった。
2023年のアニー役(Wキャスト)に選ばれたのは、深町 ようこ(フカマチ ヨウコ/11歳・小学6年生・東京都出身)、西光 里咲(サイコウ リサ/10歳・小学校5年生・東京都出身)の2名だった。
日本テレビ主催のミュージカル『アニー』は1986年にスタートし、2023年に38年目を迎える。これまで全国で、のべ約187万人もの観客に感動を与え続けてきた。また、誕生したアニーは70名にのぼる(うち、1986年-87年の1名、1987年-88年の1名、2020年中止のため2021年に繰り越した2名の、計4名が2年連続主演)。
38年目の2023年公演は、2022年に引き続き、演出を山田和也、音楽監督を小澤時史、振付・ステージングを広崎うらんが担当する。
今回、動画と実技(ダンスおよび表現、歌、演技)によるオーディションを勝ち抜いて、10月30日の最終合格者発表に臨んだのは約50名だった。この中から、主役のアニー役2名(Wキャスト)、孤児役12名(Wキャスト)が選抜される。なお、第一次の書類審査および学年に沿った課題曲の歌唱動画審査を突破したのは91名であった。
合格者の発表は、夕方5時の予定だったが、5時、そして5時10分に「もう少々お待ちください」というアナウンスが入った。なお、新型コロナウイルス感染症対策のため、報道陣は別室からモニター越しにこの様子を見守る形である。
5時13分、画面越しの少女たちがざわつき始めた。扉の開く音とともに、少女たちの「お疲れ様でしたー!」という声が響く。いよいよ2023年の丸美屋食品ミュージカル『アニー』の合格者発表だ。審査に携わった面々が次々と着席。
まず、発表に先立ち、21年間という長きにわたる協賛企業である丸美屋食品工業株式会社 マーケティング部 部長 兼 広報宣伝室 室長の杉山典由氏が、この場のファイナリストたちに「(10月29日・30日)2日間の最終オーディション、お疲れ様でした」と労うと、皆「お疲れ様でした!」と元気よく返事する。「丸美屋は、2023年も引き続き『アニー』を応援させていただきます。またよろしくお願いします」と挨拶すると、少女たちも「お願いします!」と答える。杉山氏が「目標の役で名前を呼ばれる人、残念ながら夢をえられない人もいます。しかし、何千人の中でこの場に進んできた皆さんは、素晴らしい実力者です。夢に向かって日々努力してきた結果がこの場です。自分自身を褒めてください」と優しく言葉をかけると、少女たちも「ハイ!」と受け止める。杉山氏は「夢に向かって進むことは、これからも皆を支える力となります。アニーのように夢を持ってチャレンジして、日々、前向きに取り組むことを忘れないでください。合格した人は、ステージで元気な姿を見せてください。素敵な舞台を披露していただくのを、私はすごく楽しみにしています。まだ困難の続く世の中ですが、来年の4月、東京公演初日の幕が無事に開くことを祈っています」とあたたかく述べると、少女たちから「ありがとうございました!」という言葉とともに、拍手が起こった。
続いて演出の山田和也が立ち上がり、「対面での最終オーディション(10月29日・30日)2日間、お疲れ様でした。人によっては何年もレッスンを重ねたことでしょう。先ほど丸美屋食品の杉山さんが仰ったように、今までの努力がこれで無駄になることは一切ありません。将来必ず役に立ちます。これからもずっと好きでいてくれて、レッスンを続けてくれたら嬉しいです」と述べた。そして「本当は5時に合格発表でした。遅れてしまってごめんなさい。一人ひとりが皆ステキで、甲乙つけがたかった」と接戦ゆえの遅延を詫びると、少女たちから「大丈夫!」と励まされる山田。「こういうことが二度とないように頑張るけど……今年、頑張らなかったわけではないのだけど、来年も遅れたらごめんなさい」と笑わせるも、「ここで引っ張ってもつらいので!」と空気を変え、5時19分、合格者が発表された。
まずは各孤児役に選ばれた少女たちの名が告げられる。
<合格者> ※名前右横は受験番号
◆モリー役
井手 陽菜乃(イデ ヒナノ)B4
南里 侑明(ナンリ ユメ)A1
◆ケイト役
和田 愛海(ワダ アミ)C12
和田 知怜(ワダ チサト)D1
◆テシー役
大矢 結姫(オオヤ ユメ)D9
川野 未琴(カワノ ミコト)C3
◆ペパー役
難波 夏未(ナンバ ナツミ)E12
橋元 優(ハシモト ユウ)E5
◆ジュライ役
坂本 柚月(サカモト ユヅキ)F6
小金 花奈(コガネ ハナ)F11
◆ダフィ役
能重 歩実(ノウジュウ フミ)G5
山﨑 結香(ヤマザキ ユイカ)G3

そして最後は、2023年のタイトルロールを務める2名が発表された!
◆アニー役
深町 ようこ(フカマチ ヨウコ)F2
西光 里咲(サイコウ リサ)E9
アニー役に選ばれた瞬間の深町ようこ
アニー役に選ばれた瞬間の西光里咲
続いて全員で立ち上がり「Tomorrow」を合唱。これは、オーディションの最後を飾る恒例行事である。「トゥモロー!!」と歌う声が力強く響き、歌い終わると自然に拍手が沸いた。残念だった皆も、終わってから「お疲れ様でした」「ありがとうございました」と元気に挨拶して退出する。その健気な姿にスタッフも「これだけが挑戦じゃないです」「また受験してください」と声をかけていた。
演出・山田和也とチームバケツ・チームモップの新アニー&孤児たち
【チームバケツ(左側)】最前列:和田 愛海(ケイト)、井手 陽菜乃(モリー)、二列目:深町 ようこ(アニー)、三列目:難波 夏未(ペパー)、大矢 結姫(テシー)、最後列:能重 歩実(ダフィ)、坂本 柚月(ジュライ)
【チームモップ(右側)】最前列:和田 知怜(ケイト)、南里 侑明(モリー)、二列目:西光 里咲(アニー)、三列目:橋元 優(ペパー)、川野 未琴(テシー)、最後列:山﨑 結香(ダフィ)、小金 花奈(ジュライ)
合格者発表後は、新アニー2名と演出・山田和也の対面取材会が行われた(新型コロナウイルス感染症対策のため、記者との距離を取り、マスク着用)。
ミュージカル『アニー』オーディションは2回目の挑戦で、見事アニー役を射止めた深町は、「とても嬉しいです。今後、稽古が始まりますが、頑張っていきます」と抱負を述べる。オーディションは3度目の挑戦で、以前はモリー役を受けたがダメだったという西光は、「嬉しいんですけれども信じられない。お稽古、本番を重ね、上達していけるよう頑張りたい」と驚きを隠せない。
演出の山田は、オーディションについて「5時の合格者発表が遅れてしまったのは、選ぶのが本当に難しかったから。いろんなパズルを組むのに時間がかかってしまったが、最終的に、これだ!というキャストに決まった」と振り返る。遅れを詫びる山田に2人は「大丈夫です!」と声をそろえる。2人を選んだ理由について山田は新アニーたちをしげしげと眺めながら、「2人は明るいじゃないですか。アニーは、明るいというのが重要で、オーディションという重圧の中でも明るかったので、この2人の明るさは本物だな、と感じた」と講評を述べた。
2人に「好きなスイーツは?」とも質問した山田だったが、深町「苦手なんです」、西光「甘いものは好きでも嫌いでもない」と答え、山田を驚かせる。しかし2人は「フルーツは好きです」と山田を気遣う姿勢も忘れない。2人とも同じ事務所(ジュエリーキッズプロモーション)であり、2022年にはミュージカル『メリー・ポピンズ』で、ともにジェーン・バンクス役をつとめた2人は、2023年にもミュージカル『アニー』で同じアニー役をつとめることになる。「それを狙ってのキャスティングですか?」と記者に問われた山田は「今知りました。そうなの?へえ~」と、新しいアニー2人に興味しんしんだ。
2人の共通点はそれだけではない。2人とも、ミュージカルを志すきっかけになった作品は『アニー』だったという。深町「一番最初に観たミュージカルが『アニー』で、観るのがすごく大好きだった。毎年何回も観ていくうちに、やってみたいな、という気持ちが強くなった」、西光「最初はモリーをやりたくて、でもダメだった。だけどやっぱり『アニー』が好きだな、と思った」。舞台に立ちたいと思ったきっかけは、深町「お兄ちゃんの影響で(ミュージカルではないが)歌を習っていて、その先生が亡くなってしまい、それでも歌を続けたかった時、両親が何がいいか考えてくれて、ミュージカルというものに出会った」、西光「幼稚園の友達のバレエ発表会を初めて観たとき、こんな舞台に立ちたいな、踊りだけじゃなくミュージカルみたいに歌って踊ってお芝居したいな、と思った」という。
ミュージカルの世界で目指す役者を問われると、深町「木下晴香さん、(ミュージカル『アニー』でハニガンをつとめる)マルシアさん」、西光「昆夏美さん、濱田めぐみさん」と、それぞれ実力派の役者名を挙げる。
どんなアニーになりたいか問われた2人。深町は「素敵なアニー、と思ってもらえる、(観た人に)勇気を与えられるアニー」、西光は「明るくて元気で、強い心を持った、私だけのアニーを演じられたらいいな」とそれぞれ抱負を語った。
丸美屋食品ミュージカル『アニー』は、新国立劇場 中劇場にて2023年4月22日(土)~5月8日(月)、東京・新国立劇場中劇場で上演される予定だ(東京公演ほか、夏には各地公演を予定)。大人キャストなどの詳細情報は、続報を待ちたい。
ミュージカル『アニー』2023 深町ようこ(アニー役)、山田 和也(演出)、西光里咲(アニー役)

また、2023年ダンスキッズのオーディションが2022年11月19日(土)・11月20日(日)に行われる。アニー役・孤児役オーディション応募者(最終合格者以外)も併願可能、ダンスキッズオーディションに合格して公演に出演しても、翌年(2024年)のアニー役・孤児役オーディションに応募することが可能だ。応募の締め切りは、2022年11月11日(金)必着。ストーリーの中において、ダンスで舞台を彩るダンスキッズのオーディションは3年ぶりとなる。
2022年に出演したダンスキッズは、本来は2020年『アニー』に出演するため、2019年11月に選出されたメンバーだった。だが2020年は全公演中止、2021年は新国立劇場での初日(4月24日)のみの出演で、夏のツアーおよびクリスマスコンサートには出演できなかった。だが、2022年の本公演で見事な活躍を見せ、大喝采を浴びた。そして2022年のミュージカル『アニー』は、新国立劇場での東京公演をはじめ、夏のツアーを完走した。
そして2022年末には、2022アニー+孤児たち、さらにダンスキッズも加わった「丸美屋食品ミュージカル『アニー』クリスマスコンサート2022」が開催される。2022年本公演に出演できなかったダンスキッズの中野晴太、船岡玲那も参加する。さらにハニガン・ルースター・リリーに扮するあの「悪巧み三人組」マルシア・財木琢磨・島ゆいかの出演も決定した。さらに2023年のアニー役2人のお披露目も行われるだろう。ミュージカル『アニー』の楽曲と、誰もが知っているクリスマスソングのコンサートで、晴れやかに2022年を締めくくりたい。

【新アニー役プロフィール】
深町 ようこ(フカマチ ヨウコ)
・出身:東京都
・年齢:11歳(小学校6年生)
・主な過去出演作品:ミュージカル『モーツァルト!』アマデ役(2021年)、ミュージカル『メリー・ポピンズ』ジェーン・バンクス役(2022年)
西光 里咲(サイコウ リサ)
・出身:東京都
・年齢:10歳(小学校5年生)
・主な過去出演作品:ミュージカル『アナスタシア』リトルアナスタシア役(2020年)、ミュージカル『メリー・ポピンズ』ジェーン・バンクス役(2022年)

文=ヨコウチ会長

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