MASH A&R presents『Treasure Tour』
出演3バンド予習コラム Vol.1 〜ユ
レニワ編〜

Panorama Panama Town、YAJICO GIRL、ユレニワによるスプリットツアー『MASH A&R presents「Treasure Tour」』が10月14日からスタート。3組で全国をまわりつつ各地に対バンを迎える形式で、名古屋、新潟、大阪、岡山、福岡、東京の計6公演で、ツアーファイナルは11月11日、東京・Spotify O-Crestで行われる。SPICEでは同ツアーの開催を記念し、主催3バンドの紹介記事を掲載する。
この記事ではユレニワにフォーカス。シロナカムラ(Vo/Gt)、種谷佳輝(Gt/Cho)、宮下レジナルド(Ba/Cho)、RENJU(Dr/Cho)から成る千葉県発の4ピースバンドで、結成は2016年。2018年の『MASH FIGHT vol.7』でグランプリを獲得した。2020年2月にリリースした1stアルバム『ピースの報せ』が初の全国流通盤で、2020年12月~2021年3月に配信限定で新曲を4ヶ月連続リリース。今年はミニアルバム『あかるい透明』を発表済みだ。
……ここまで書いてみたものの、彼らをどう語ればいいか正直困っている。楽曲を順に聴いてみたものの、曲ごとにカラーが全く違うため、“ユレニワとはこうだ”というバンド像を掴めずにいるからだ。『あかるい透明』の4曲を聴けば、その振れ幅の広さにまず驚かされるだろう。また、私は「あばよ、ビューティー」という曲にも衝撃を受けた。転調を重ねながら何度も色を変えていく曲だが、不思議な軌道を描くメロディはキャッチ―さも兼ね備えているからすごい。不穏なアウトロも癖になる。一方、「Bianca」のような普遍的な美しさを持ったバラードもあり、彼らのことが知りたいからと曲を聴けば聴くほど、「いったい彼らは何者だ?」という疑問がかえって湧く。
メンバーは今年で24歳と若いバンドだ。まだ何者でもない、真っ白なキャンバスのような彼らが試行錯誤を重ねていく過程も含めて、バンドの活動をリアルタイムで目撃できることが今の時代にこのバンドを追う一つの面白さだろう。その未完成さ、今日は今日しかないという感覚が4人で鳴らす衝動剥き出しの轟音に変わり、聴く人の胸を焦がす。バンドのYouTubeチャンネルにアップされているライブ映像からもその熱量がしっかり伝わってきたし、生で観たらもっとヤバそうだと想像が膨らんだ。
予習におすすめの1曲としては『あかるい透明』収録の「恋人たちのヒム」を紹介したい。ナカムラの実体験から生まれた歌詞のテーマはヘビーだが、それをあえてキラキラしたサウンドに乗せることに意味があったのだろう。切実なメッセージが込められた歌声は温かくも力強い。バンドが感情を解放させる中間部の間奏、そしてラスサビはライブ化け必至のポイントだろう。

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