4年振りに浅草に帰ってくる「平成中
村座」 『平成中村座 十月大歌舞伎
』本チラシ・ビジュアルが公開

2022年10~11月、東京・浅草にて行われる「平成中村座」公演。この度、『平成中村座 十月大歌舞伎』本チラシ・ビジュアルが公開された。
今回、コロナ禍を超えて、実に4年ぶりに浅草の地へ「平成中村座」が帰ってくる。また、本公演は、「猿若町発祥 180 年記念」として行われる。江戸時代、天保13(1842)年に浅草へ移転した中村座。天保の改革により、中村座を筆頭とする「江戸三座」は、浅草寺北側の聖天町に移されると、江戸歌舞伎の源流である初世猿若勘三郎にちなみ、町名を“猿若町”と改め、長年にわたり、浅草の土地は一大芝居町として繁栄を極めた。二代目より「中村」の姓を名乗った「勘三郎」は、代々中村座の座元として隆盛を誇ると、時を超えて――平成12(2000)年、十八世中村勘三郎により浅草の地に「平成中村座」が誕生。さながら“江戸の芝居小屋”にタイムトリップしたかのようなその魅惑の劇場空間は大評判となり、浅草から大阪、名古屋、さらには北九州・小倉まで日本各地で人気を誇り、日本を飛び出しては、ニューヨークやヨーロッパ各地でも「平成中村座」公演が行われ、世界中で人々を魅了してきた。
そして、4年ぶりとなる浅草での本公演は、二か月連続で行われる。古典の名作から、平成中村座初の新作歌舞伎となる宮藤官九郎作・演出の話題作『唐茄子屋~不思議国之若旦那』まで多彩なラインナップで上演される。
公開された『平成中村座 十月大歌舞伎』本チラシのビジュアルは、「江戸三座」が立ち並ぶ当時の“猿若町”の芝居町の賑わいが描かれた浮世絵が用いられ、過去から現在へと時空を超えて繋がる「中村座」の活気が描かれている。中村座は、画面左手前で、「平成中村座」でもおなじみ、中村屋の定紋である「角切銀杏」の染め抜かれた櫓が掲げられている。そもそも「江戸三座」とは、幕府から櫓を掲げることが許された特別な三つの芝居小屋(江戸歌舞伎の源流である初世猿若勘三郎を祖とする中村座を筆頭に、市村座、森田座の三座)のこと。明るい太陽が昇り、過去から未来へと続く期待感、高揚感が描かれ、まもなく始まる公演への期待が膨らむ。
『平成中村座 十月大歌舞伎』は、中村勘九郎、中村七之助、勘九郎の長男・勘太郎に次男・長三郎の中村屋が勢揃いし、中村獅童が出演。中村扇雀、坂東彌十郎、片岡亀蔵をはじめとした平成中村座おなじみの顔ぶれに、荒川良々が初出演。

第一部の幕開きは、『双蝶々曲輪日記』より「角力場」を上演。貫禄たっぷりの人気力士・濡髪長五郎と素人角力で名を上げた放駒長吉、対照的な二人の力士の義理と意地がぶつかり合う名場面だ。中村勘九郎の濡髪長五郎に対するのは、進境著しい中村虎之介の放駒長吉。初の顔合せとなる。
続いては、浅草花川戸に生きる江戸随一の俠客・幡随院長兵衛を描いた河竹黙阿弥の傑作『極付幡随長兵衛』。長兵衛と水野が対峙するスリリングな展開、長兵衛の覚悟とその生き様、女房お時と倅長松との別れが色濃く描かれる。中村獅童の幡随院長兵衛と、小川陽喜の倅長松という親子共演に、中村勘九郎の水野十郎左衛門、中村七之助の長兵衛女房お時の魅力的な配役が実現した。冒頭の劇中劇「公平法問諍(きんぴらほうもんあらそい)」の場面は、まるで江戸の芝居小屋にタイムスリップしたかのような臨場感が味わえる。
第二部には、35年ぶりの上演となる、有吉佐和子作の舞踊劇『綾の鼓』で開幕。恋い慕う華姫に翻弄される三郎次と、彼を見守る秋篠の人間模様がドラマチックに描き出される。父・坂田藤十郎も演じたゆかりの演目に挑む中村扇雀が秋篠、扇雀の長男・中村虎之介が三郎次、中村鶴松が華姫の配役。
そして、浅草を舞台にした落語「唐茄子屋政談」をモチーフに、宮藤官九郎が作・演出を手がける新作歌舞伎『唐茄子屋~不思議国之若旦那』がお披露目。吉原遊びが過ぎて勘当された若旦那の徳三郎は、吾妻橋から身を投げようとしたところ……。落語の小粋な人情噺に、なんと「不思議の国のアリス」の要素が散りばめられるという“かつてない人情喜劇”が誕生する。中村勘九郎が若旦那徳三郎を演じ、情に篤すぎる大工の熊を中村獅童、傾城桜坂と女房お仲の二役を中村七之助を配し、達磨町の八百八と吉原田んぼのあめんぼの二役に荒川良々、番頭小辰と吉原田んぼの蛙ゲゲコの二役に片岡亀蔵、大家源六に坂東彌十郎、そして、八百八女房よしと吉原田んぼの蛙ゲコミの二役に中村扇雀。さらには勘九郎の長男・中村勘太郎が若旦那(小)、次男・中村長三郎がお仲倅イチを勤める。
「猿若町発祥 180年記念」の公演初日は、180年前に猿若町にやってきた江戸・中村座の初日と同じ10月5日。中村勘九郎は「180年前と全く同じ10月5日、これはね、すごいご縁を感じますね!」とコメント。江戸の芝居小屋にタイムトリップするだけではなく、180年前とちょうど同じ日に開幕する「平成中村座」で、今しかない舞台を見逃さないでいこう。

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