a flood of circle、金属バット&四
星球を招いた異色イベント『KINZOKU
Bat NIGHT』の公式レポートが到着(
画像:全22枚)

8月24日に開催されたa flood of circle presents『KINZOKU Bat NIGHT at なんばHatch』。本記事では同公演の公式レポートをお届けする。

a flood of circle presents『KINZOKU Bat NIGHT at なんばHatch』が8月24日に開催された。a flood of circle(以下flood)に『KINZOKU Bat』(2012年発表ミニアルバム『FUCK FOREVER』収録)という楽曲がある事から、昨年9月20日に京都磔磔で開催された芸人の金属バットとの異色ツーマンイベント。今年は、なんばHatchに場所を移し、金属バットと親交が深くツーマン経験もある四星球も迎えてのスリーマンイベントとなった。
前回はflood→金属→flood→金属→floodという順番で行われ、今年は、そこに四星球も入る事で、どう進んでいくかが注目されたが、トップバッターはもちろんflood。佐々木亮介の『かっとばせー!』というシャウトが始まりの合図かの様に幕が切って落とされ、ド直球ストレートな1曲目『KINZOKU Bat』でスタート。気怠くつぶやく歌い出しから、『ぶちのめしてくれ』と絶叫する。初っ端から、このフルスロットル…。『ミッドナイト・クローラー』、『泥水のメロディー』と立て続けにぶちかましていくが、その勢いは全く止まらない。『狂乱天国』では、佐々木はギターを置いてストローを差した鬼殺しを片手に不敵に『ふざけろよBaby』と絶叫する。というか、さっきから絶叫するとばかり書いてしまっているが、だって仕方ない、とにかく絶叫なのだ…。『All I want is Rock’ N’ Roll music』という歌詞にも表れているが、彼が欲しいのは本当にロックンロールだけなんだなと納得するしかないほどの絶叫。この日の佐々木は、危険な匂いもするくらいに迫力が凄まじかった。そのまま『Sweet Home Battle Field』に突入し、佐々木は四星球の小道具であるフラフープをHISAYOの頭からかけたりとやりたい放題。そして、再度歌われる『KINZOKU Bat』で〆られた。『今日は日本で一番わけわかんない夜だぜ!』と佐々木は明かし、そんな今日の夜を『ロックンロールと大爆笑』と称したが、本当にわけわかんない凄まじき夜が始まった。
a flood of circle 撮影=松本いづみ
a flood of circle 撮影=松本いづみ

a flood of circle 撮影=松本いづみ
『奴等が来るぞ~! 紹介します! 金属バット!』と佐々木から呼び込まれて、まるで先程の『KINZOKU Bat』が出囃子の役割を果たしていたかの如く、小林圭輔と友保隼平が用意されたサンパチマイクの元に歩いてくる。あれだけ自由にやりまくられたら、どう考えてもやりにくいよなと思っていたら、案の定ふたりは『やりすぎでっせ!』と苦笑い。それでも音楽シーンの時事ネタをイジリながら、しっかりと盛り上げていく。NSC時代になんばHatchが入るビルの前で漫才の練習をして、そのビルにトイレだけ借りに来ていたなどと思い出も語る。最近よく音楽イベントに呼ばれる事も不思議がり、それでも音楽のお客さんの温かさを褒めながらも、演奏中に水を飲んだり、モニターに足をかけるというライブあるあるをイジっていく。実際に水を欲しがり、佐々木とHISAYOが、それぞれ小林と友保に持ってくる一幕も! が、肝心のネタを小林が飛ばしてしまうハプニングもあり、四星球を挟んでから再び同じネタをやると宣言して最初の出番を終えるという波乱の展開に、観客たちは大喜びしていた。
金属バット 撮影=松本いづみ
金属バット 撮影=松本いづみ
金属バット 撮影=松本いづみ
続く四星球は北島康雄がひとり登場して、金属バットのネタをイジリながら、今回のflood→金属→四星球→金属→floodを、チュートリアルがM-1でも披露したバーベキューの名作ネタで例えていく。根っからのお笑い好きで知られる北島なので、そのひとり喋りさえ、まるで漫談の様に聴こえてしまう。この日はゲームがテーマで、ゲームの登場人物に扮したメンバー3人も登場。金属バットに観て欲しかったと言いつつも、先程ネタを飛ばした事で金属が今ネタ合わせ中な事をバラしたりしながら、四星球特有の観客を巻き込んでいく魅せ方で楽しませる。お馴染みの段ボールで作ったテトリスの小道具、爆弾に見立てた本物のスイカなど、とにかく畳みかける。小林がモニターに足をかける時に、敬意から手を合わせていた事をすぐに真似て、サンパチマイクに手を合わせたりと、ずっと北島は心から楽しそうであった。
四星球 撮影=松本いづみ
四星球 撮影=松本いづみ
四星球 撮影=松本いづみ

元々芸人への憧れが強く、そしてバンドへの憧れも強く、結果辿り着いたというコミックバンド。北島にとって天職でもあるし、大好きな芸人と大好きなバンドが盛り込まれたイベントを一番満喫していたのは絶対的に彼であろう。今日これまでに使った段ボール小道具を福笑いみたいに組み合わせて友保の顔をパネルにしたり、段ボールで作ったテトリスのパーツでa flood of circleの文字をパネルにしたり、金属バットのふたりいわくネタの伏線回収を見事に行っていく。最後はパンキッシュな『薬草』を歌って、しっかりと締めたはずなのに、そこで終わるわけもなく、小道具で使ったスイカでスイカ割りへ。ところがスイカが転がって舞台から落っことして割れるというハプニングが! 金属バットのネタ飛ばしハプニングに続く、四星球のスイカ落っことしハプニングで、もっとわけわかんない特別な夜へと爆走していく。
四星球 撮影=松本いづみ
四星球 撮影=松本いづみ
四星球 撮影=松本いづみ
二回目登場の金属は舞台上に匂うスイカに笑いながらも、さっき途中で飛んでしまった占いのネタのリベンジに挑むも、やり直している事に恥ずかしくなってしまい挫折してしまう。他のネタを挟み、最後、また占いのネタのリベンジに挑むも、やはり恥ずかしくなってしまい挫折! 音楽イベントという普段とは違う舞台だからこそ観れるハプニングの連続に、観客は大満足している。いつもの粗削り感とも異なる今日ならではの粗削り感を観れたのは得でしか無かった。前回と違い配信ライブが行われていなかったので、現場に来た人だけのお楽しみ感も生舞台ならではで素晴らしかった。
金属バット 撮影=松本いづみ
金属バット 撮影=松本いづみ
金属バット 撮影=松本いづみ
二回目であり、この日の大トリでもあるflood。最初の勢いはそのままであるが、よりじっくりねっちょり聴かせながら突っ走る。四星球の友保パネルと自分たちのバンド名のテトリスパネルを持って来たり、モニターに足をかける時に小林と同様に手を合わせたりと、佐々木も四星球と金属のネタをなぞらえていく。正真正銘のクールでかっこいいロックンロールバンドなわけだから、そこまで別にする必要も無いのだが、金属と四星球から刺激を受けながら暴れまくるfloodは、この日でしかないライブで見応えがあった。
a flood of circle 撮影=松本いづみ
a flood of circle 撮影=松本いづみ
a flood of circle 撮影=松本いづみ
a flood of circle 撮影=松本いづみ
磔磔の時に冗談とはいえ、次はなんばHatchでやりたいと金属から言われた事を敢えて真に受けて、すぐになんばHatchを押さえたという。そして、以前から大好きだった四星球を呼ぶ事も思いついたと振り返る佐々木。しかし、気付くと主催者の自分たちが一番アウェーになったとも笑っていた。でも決して攻める事を忘れる事は無く、二回目の本編ラストだけでなく、アンコールラストも含めて、この日、四度目となる『KINZOKU Bat』で、この日を完全に〆た。
『またやりたくなっちゃった! またやっていい?!』と最後に佐々木が言い放ったみたいに、また何回でも、また何度でも、この組み合わせは観てみたい。ここからは10月の代々木公園野外音楽堂フリーライブに、10年前のアルバム再現ツアーも控えているflood。この日は、そんな今後のライブに向けての豪華すぎるキックオフイベントの様な夜であった。
a flood of circle 撮影=松本いづみ
文=鈴木淳史

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