「両国国技館の気持ちよさを西日本で
一番知っている。」/【FINALIST IN
TERVIEW RYOakaDJ226編】マイナビDA
NCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL

『アライブ』の名で親しまれ、今年で17年目を迎える「マイナビDANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL」。ストリートダンス界最強ヒーローを決めるダンスイベントとして、数多くのダンサーたちのドラマと才能を花開かせてきた。毎分毎秒が歴史の転換点となるこの日に向けて、多くの新世代ダンサー達が過酷な予選に挑戦し、ファイナル出場を勝ち獲った。令和ジェネレーションとも呼ぶべきファイナリストたちは、何を思いあの舞台へ上がるのか。
今回はSEED DANCERとしてHOUSE SIDEの舞台に立つRYOakaDJ226(SYMBOL-ISM)にインタビュー。9年連続ファイナリストとして挑戦し続け、昨年のダンスアライブFINALではついにHOUSE SIDEで優勝。大分を拠点にシーンやカルチャーを紡ぎ上げ、経営者としての顔も持つRYOakaDJ226の、現在の心境や優勝後の変化に迫る。
ダンスを始めたきっかけ、ルーツを教えてください
元々ダンスを始めたきっかけは、テレビでダンス甲子園を見たことです。ダンスに興味を持って、地元大分で同じ中学に通っていたSYMBOL-ISMのTAKUYAと踊り始めました。インターネットもない時代で、どうにか手に入れたビデオなどをみていましたね。当時はこの踊りが何のジャンルか、分類がわからなくて、興味を持っていたものをすべてやっていました。数年経ってこの踊りはHIPHOP、このダンスはHOUSEとわかった感じです。当時はブレイキンをメインでやっていて、それからLOCK、HIPHOP、HOUSEなど色々なものに手を出しました。アライブではHOUSEをメインに出ていましたが、実はJAPAN DANCE DELIGHTではオールドスクール、ソウルやロックダンスでしか出ていないんです。ブレイキンのI LOVE FOOTWORK、ソウルやロック中心のFUNKMAN、ハウス色に近いチームだと、passというチームで活動していましたが、すべてのジャンルにフリーパスというコンセプトのチーム名でした。
ダンス以外に色々プロデュースされていると聞きましたがそちらも教えてください
ホワイトビーチという海水浴場経営とインテリアデザイナーとしての活動もしています。ダンススタジオの経営も19年間行ってきましたが、ちょうどこの4月でスタジオをクローズします。他にもやりたいことが色々あったり、コロナ禍で問題が重なってきたり、理由はネガティブもポジティブも半々ですね。
自分がやってきたダンススタジオ経営が今の時代とあっていないのかなとも考えました。昔と違って情報化社会になって、ダンスの情報源がどこでも手に入るし、時代に乗ってダンススタジオも増えてきたし、もういいかなと。でもやっぱり決断するのに1年はかかりました。
あとはホワイトビーチを発信源として、raftlogというファッションブランドも展開しています。「イカダ(raft)」から始まって、成長して大きな船になっていこうというコンセプトです。ビーチブランドとしてリリースしていますが、海が好きじゃなくても好きでいてくれるよう意識しましたが、結局海好きが手にしてくれる感じです(笑)。ホワイトビーチはダイビングだったりジェットに乗ったりする連中が集まってきます、マリンスポーツでもウェイクボードや船を使うものが多い感じです。元々興味のなかった方達が、ホワイトビーチをきっかけにマリンスポーツを好きになってくれて、大分でもだいぶ盛んになってきました。コロナ禍の影響もそこまでありませんでした。ソーシャルディスタンスが十分に取れる空間というのが大きいですね。海は、人間のパワースポットです。春夏秋冬、天気、そこに音楽があったら、すべてを癒してくれます。
スタジオの閉鎖は寂しいですね。やはりいろんな苦労があったのでしょうか?
元々東京に住んでいて、大分に帰ってきたのが約20年前。帰ってきていろんなカルチャーもそうだし、そういったシーンを作ろうとしたりしてきましたが、なんせ大分が田舎すぎて、自分が知らないことに足を踏み入れようとしない県民性があったと思います。飲食店も何店舗も経営してきましたが、自分のやることが早すぎました。面白い店舗を作っても売り上げがそこまで上がらず、譲渡や売却した数年後に、そのコンセプトのお店が流行ったり。時代の最先端をやりたいわけではないですが、踊りも含めて、人と違うことをやりたいなという気持ちが強かったですね(笑)。
名前にDJを含めていますがそちらの活動も教えてもらえますか?
DJ活動は一時期かなり動いていました。元々DJも長くやっていて、いろんなクラブに足を運び、いろんなDJの空間の作り方を見て、聞いて、感じてきて、なんでこんなに選曲が面白くないのだろう、だったら俺がやってやるよ、という勢いで最初はやっていました。その空間を音楽によってストーリーを組み立てる自信があると思っています。ホワイトビーチでもいまだにDJをやったりしていますね。
アライブに挑戦し始めたきっかけがあればお願いします
昔はFREESTYLE(現在のALL SYTLES)も出ていました。10年前くらいになりますが、伝説になっているけど、初めてアライブのバトルにでたのは前日の予選でした。俺の弟子のKyohei2(Nine States Bboyz)がブレイクのファイナリストになり、応援に行きました。そのついでに前入りして前日予選に出ました。HOUSEとFREESTYLE、両方とも前日予選の決勝で負けました。MCに「一番前日予選を盛り上げた人が一番辛い負け方をした」と言われ、それで火がつきました(笑)。
シードダンサーとして今年も舞台に上がることを決めた時の気持ちを教えてください
まず、前回優勝できるまで9年間かかりました。9年連続でアライブのファイナルに立って、なぜかアライブの時期に腰を痛めていることが多くて、まだ満足いく踊りを両国のステージで踊りきれてないなと思いました。前回のKAZANEとの決勝も、2ムーブ目にぎっくり腰をやってしまいました。そのあと両国のホテルから2日間出られませんでした。要は自分の納得度の問題で、こんなチャンスをもらえたのであればもっと見せたいと思いました。がっつり優勝も狙います。九州、いや西日本で一番アライブに対して気持ちがあるのはRYOakaDJ226だと思う。でないとこんな田舎からお金と時間をかけて挑戦していないはずです。あの両国国技館の気持ちよさを西日本で一番知っているのもRYOakaDJ226だと思いますね。
ファイナリストとして様々なことを経験されたと思いますが苦労したエピソードなどはありますか?
2016年、ファイナルの前々日にぎっくり腰になったこともありました(笑)。ステージに上がるのもきつかったですね。ブロック注射を打っていきましたが、まったく効きませんでした。夏はカラダがあったまっているせいかぎっくり腰をしないんですが、冬が終わって、海の準備で筋肉を使い始めてその流れなのかなと思いますね。4月は腰を痛めやすいです。今年も徐々に海の準備を始めていて、不安はあるけれど、準備もまだがっつりするつもりはないので、このままの流れでいきたいなと思います。
昨年の優勝を振り返って今考えていることを教えてください
最初は自分の踊りに納得がいっていれば負けてもいいと思っていましたが、逆に納得いかないですね(笑)
本当に納得がいった踊りで優勝したいです。去年の決勝は、1ムーブ目に関しては、獲ったと思いました。2ムーブ目にぎっくり腰になった瞬間におさえに入るしかなく、バレないように踊ったつもりでしたが、それをジャッジがどう判断するか。なのでダンスには納得いってません。優勝が決まった時は嬉しさと痛みのコラボレーションでした。もし今年も優勝が獲れたら、ほら見ろ、っていう気持ちでいてほしいですね。万全の自分の実力を見せつけたいです。ずっと欲しかった金の盃はスタジオに飾ってあります。今月でスタジオがなくなるので、ホワイトビーチに2つ飾っておけたらなと思っています。
あんまり考えることはしないですが、もし考えるとしたら、例えばクラブで音楽を楽しんでる自分が出ればいいな。リラックスすると一番いい踊りが出るはずです。緊張するタイプではないですが、なんか見せなきゃと思ってしまったり、気負ってしまったりします。何も考えていない時が一番かっこいいと思うので、難しいところです。
ファイナルに向けて調整などはされていますか?
トレーニング的なことは踊りに対してはするつもりがなくて、いつもの感覚で行くのみです。あるとすれば自分が今日踊りたいなと思って好きな音楽を流すだけでなく、その好きな音楽じゃない曲も多めに流すくらいでしょうか。バトルでは、DJが自分がノらないような曲をかける時もあります。例えばそれがクラブであれば踊らずタバコ吸いながら飲み物を飲んでいればいいですが、バトルは踊る必要があります。そこでもどうにか自分を表現できればな、という感覚に持っていくくらいは調整しますね。苦手とか嫌いと思ってる曲調で練習、トレーニングまではしません。無理に上げようとするとドツボにハマっていく自分がいたりするので、崩さないように意識しています。先日、HOUSE DANCE CROSSING 2022というイベントがあり、SYMBOL-ISMとしてショーをしたあと、クラブタイムで暴れまくったので、その楽しい感覚をアライブに持っていけたらいいなと思っています。
クラブで朝まで踊り続けるのはかっこいいですね
むしろひどいというレベルかもしれません。お酒も飲まないので朝まで汗だくで一番踊っているので(笑)。あちこちにゲストとして呼んでもらった時に、その地域のダンサーの大御所も若手も、全員にダンスを仕掛けるタイプです。体力バカで、体力が無限にあるので、アライブだと決勝戦でも息も切れないです。いつもはもっと長い時間踊っています。多分2ジャンルでも全然大丈夫です。
今後の目標などはありますか?
両国でのバトルが終わって、その日の夜には何かしらの気持ちが芽生えます。9年連続で出ていて、毎年ファイナルの前は、今年最後にすると言っていました。2,3年目からずっと言い続けて、みんなに信じてもらえなくなりました(笑)。終わると新たな目標が出てきますね。最初は決勝で負けて悔しい、どうにか優勝したい。優勝が獲れたら自分の満足のいく優勝がほしい、多分今度はアライブの中で最年長の優勝者になりたい、HOUSEでなくALL STYLESで優勝したいとか出てくると思います。本当は自分が出るべきはブレイキンというのもあります。しかし、筋力的なものが年齢でキツくなるというのも実感しています。自分のフィールドとしてはALL STYLESのほうが近いのかなと考えたりします。
ファイナルに向けての意気込みをお願いします
ファイナリストのshu-hei (TOKYO FOOTWORKZ/consciencia)とはずっと一緒に頑張ってきましたし、シードダンサーのTAKESABURO(XXX-LARGE/SODEEP)には一度決勝で負けています。お互い海好き音楽好きダンサーとして、また決勝で楽しみたいです。
今回は今までと気持ちが違います。19年やってきたダンススタジオもクローズし、ある意味これから第2の人生を歩んでいく、終着地点でもありスタート地点でもあります。今まで頑張ってきたアライブですが、その両方を含めて満足できる、納得できるような踊りができればと思います。優勝したらステージの上を走り回りたいですね!ずっと応援してきてくれたひとたちにも、「次はお前らが頑張れと、応援される側になれ」というメッセージを伝えられたらと思います。
マイナビDANCE ALIVE HERO’S 2022 FINALは2022年4月17日(日)!
ダンスバトルの他にも、豪華なゲストダンサー、ダンススタジオ/高校ダンス部/ダンス専門学校/大学生・社会人ダンスサークルによるショーケース、さらには高校ダンス部の頂点を決めるダンスコンテストなども同時開催。世界最大規模のダンスフェス「マイナビDANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL」、今後も続々と更新される出演者情報をチェック!
名称:マイナビDANCE ALIVE HERO’S 2022 FINAL
開催日:2022年4月17日(日)
会場:両国国技館(東京都墨田区横網1丁目3番28号)
開催時間:OPEN 11:00 / START 11:30
主催:株式会社アノマリー
特別協賛:株式会社マイナビ

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