アイドル史上もっとも衝撃的な解散をしたBiSとは一体何だったのか?彼女たちが一躍、アイドル・音楽シーンで有名になったのは『My Ixxx』にて全裸で森のなかを走り回るMVを公開したことにある。乳首やアンダーヘアの露出はないものの、「フルヌード」をデビュー間もない彼女たちが魅せつけたことで一気に注目を浴びた。
AKB48が国民的アイドルグループへと盛り上がり始め、その他のアイドルグループも次々とメジャーデビュー。地下アイドルも数多く誕生した「アイドル戦国時代」の幕開けとなった中で、「全裸MV」で確実にBiSは確固たる地位を得た。
また、彼女たちの人気を更に押し上げたのがクオリティの高い楽曲群。パンク、ロック、ハードコア、ダンスミュージックなど様々な要素を組み込みながら音楽性の高い楽曲を次々と発表。それだけにとどまらず、王道のアイドルソングも発表するなど幅広い楽曲展開で「アイドルファン」以外のファン層も獲得していった。

そして、人気を不動のものにしたのがLIVEだ。「今揉めるアイドルBiS!!」と煽りながら、水着でLIVEをしそのままフロアへダイブするなど、まさに「揉める」アイドルとしてハードコアなLIVEを展開。そもそもが、メジャーアイドルのLIVEで客席へダイブをする文化も殆どない中、ダイブするだけでも驚きだが、常にそれ以上を求め続けより過激度は増して行った。
勢いは止まらずに日本が世界に誇るノイズバンド「非常階段」とコラボし「BiS階段」を結成し、もはやアイドルのLIVEではなく80~90年代のノイズ/パンク・バンドのLIVEさながらのカオスな演出を披露。さらには世界的なファッションデザイナー・コシノジュンコを加入させるなど、アイドルの域を超えるコラボや企画を連発した。
また、メンバー間やスタッフとの不仲、トラブルを包み隠さずにメディアや自分たちのSNSを通じて露呈させ、ファンや関係者も巻き込み大きな騒動に発展させることも多く、そのいざこざも含め、BiSの世界観を形作っていった。
様々な問題定義を投げかけ続けたBiS。「職業アイドル」が無数に存在し、いまだに終わらない「アイドル戦国時代」の中で、アイドル達が生き残るためにはどうすればいいのか?という究極のテーマを、悪戦苦闘するBiSのメンバーを見て、アイドルファンも、他のアイドルグループのメンバーも感じたのではないかと思う。
解散LIVEも怒涛の全48曲(前述『nerve』含めると49曲)を3時間半にわたってMC一切なしという前代未聞の幕の閉じ方をしたBiS。唯一無二の存在だったBiSが解散をし「BiS亡き後」のアイドル業界がどう変わっていくのか?非常に楽しみだ。

dwango.jp news

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