全公演満員札止めとなった、梅棒の人
気作が“RE”WORKされて登場! 第1
3回公演『風桶』稽古場レポート

ストーリー性のある演劇的な世界観をジャズダンスとJ-POPで創り上げるエンターテインメント集団「梅棒」による13th“RE”WORK『風桶』が、2021年12月17日(金)から、本多劇場で上演される。年明けには大阪、愛知でも公演が予定されている。
2001年に日本大学芸術学部のダンスサークル「BAKUの会(現:Dance Company BAKU)」内で、同期の男子6人によって結成された、梅棒。09年にストリートダンス界最大のコンテスト『JAPAN DANCE DELIGHT vol.16』で特別賞を受賞し、12年に国内最大の振付作品コンテスト『Legend Tokyo chapter.2』で最優秀作品賞とオーディエンス賞を同時受賞。以降、活動の中心を劇場公演に移しながらも、嵐やAKB48などのアーティストLIVE 、『今日から俺は!!』や『NHK紅白歌合戦』などのTVメディア、宝塚歌劇団や2.5次元舞台などでの振付・演出でも活躍するダンスエンターテインメント集団へと成長している。
 
今回の『風桶』は、2016年に吉祥寺シアターで上演した第5回公演の再演。再演とはいえ、“RE”WORKと銘打っているように変化がある模様。どんな舞台になるのか、開幕まで約2週間となった11月末日、都内で行われている稽古を見学させてもらった。
撮影:飯野高拓
撮影:飯野高拓
あらすじはこうだ。未来に生きる科学者・吉田テスタロッサは、行方不明となった兄を探して現代にやってきた。ところが再度タイムスリップをする際に3人組バンド「夜桜前線」を巻き込んでしまい、300年前の江戸時代にたどり着く。ちょっと情けない傘売りや見習いの芸者をはじめ、個性豊かな江戸の民たちと奇天烈愉快なバンドメンバーが交ざり合い、世も人の心も少しずつ動いていく。一方、弟の気配を察知した兄は、江戸の荒くれ者たちと結託してよからぬ策略を巡らして——。
撮影:飯野高拓
この日の稽古では、前回なかったシーンを創っていた。ダンスの振付を何度も踊って体に馴染ませるグループもあれば、動線や動きのタイミングを確認をするグループもあって、同時並行に事が進んでいく。これまでいろいろな現場の稽古場を見てきたが、梅棒の稽古場はとにかく効率が良く、無駄がない。
撮影:飯野高拓
撮影:飯野高拓
面白いなと思ったのは、台本らしい台本はなく、簡単に流れが書かれたプロットだけがあること(梅棒は毎回そういうスタイルをとっているらしい)。思えば本番の舞台ではセリフを発しないわけだから、台本らしい台本がないのも肯けるのだが、稽古では、総合演出の伊藤今人や各曲の振付担当のメンバーが口頭で動きや登場人物たちの気持ちの流れを伝えている。「ここで気づいて、こう思うから、こう動く」というように。なかなかの集中力が求められる稽古だと思うのだが、皆、時に冗談を言いながら、実に楽しそうに稽古を重ねている。
撮影:飯野高拓
なんでも、稽古期間中に何度も全体を通し、そこで見つけた改善点を踏まえて、シーンを追加したり、削ったりしているそう(だから台本らしい台本はないのかも)。もっといいものを、という思いが伝わってくる。
撮影:飯野高拓
今回使用する楽曲は、誰もが一度は聞いたことがあるであろう曲から、オリジナルソングもある。カーテンコールも含め20曲以上。見学をした段階では全貌は分からなかったが、全公演満員札止めとなった人気作がパワーアップして帰ってくることには間違いなさそうだ。開幕が待ち遠しい!
取材・文=五月女菜穂

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