大橋彩香 a.k.a HASSY エイプリルフ
ールから生まれた「素朴だけどちょっ
とだけ輝きたい私」の新境地

声優アーティストとして活躍する大橋彩香が8月4日の「はっしーの日」に大橋彩香 a.k.a HASSYという名義で新曲「#HASHTAG ME」をリリースした。
大橋…いやHASSYとして初のラップ楽曲となる本楽曲は、エイプリルフールに投稿された「私、大橋彩香辞めます。」という動画が発端となって生まれたもの。この楽曲が生み出された背景や思いはどんなものなのか?本人に聞いてみた。

――2021年が始まってもう既に半年ほどが経過しましたね。大橋さんにとってこの半年間はどんな時間でしたか?
まだ色々と制限はありますけど、その中でも少しずつ日常が戻ってきていることを実感できる日々でしたね。去年は本当に暇だった時期もあったんですが、今年は今まで通りとまでは言えなくてもお仕事も動き出している印象があります。
――世の中が少しずつ元に戻りつつあるという印象なんですね。
そうですね。会うことが難しい中でもみんなが色々と模索をして、イベントなんかも新しいスタイルが確立されつつあるのを感じています。オンラインやリモートでのイベントも増えましたからね。
――そんな中、5月に行った『大橋彩香ワンマンライブ2021 〜Our WINGS 〜』では会場にお客さんを入れつつオンラインで配信を行うというというスタイルで開催していました。
今回のライブに関しては無事開催できたことが一番喜びでした。会場に来てくださる方もいれば、来ることが難しい方もいる、そんな中で皆さんが平等に楽しめるライブにできたらという想いが強くあったんです。それで今回は現地での鑑賞と配信、両方を行うライブにしました。
――多くの人にライブを届けたいという想いがあったんですね。
そうですね。こういった状況下だと皆さんいろんな事情もあるでしょうから、各々好きな鑑賞スタイルで楽しんで頂ければと思ったんですよ。なのでいろんなニーズに応えることのできる今回のライブ形式を選ばせていただきました。
――当日見られなかった方でも楽しめるよう見逃し配信もなさっていました。
見たいんだけど、どうしてもその瞬間に見られないっていう人もいると思いますから。本当に多種多様な楽しみ方ができる今回のライブ、私はすごく好きですね。
――実際に開催してみて、予想もしていなかったような発見はありましたか?
配信を見ている方がハッシュタグをつけてSNSにコメントを投稿してくださることに予想以上に新鮮さを感じました。ライブ会場に来てわざわざSNSに実況を書く人はいないじゃないですか。それが配信込みで行うとライブ会場とインターネットが同時に盛り上がるんですよね。これは新鮮でしたね。
――インターネットでの盛り上がりをライブを行いながらも実感できた、ということなんですね。
いただいているコメントをライブ中にも見させていただいたりしていましたから。結構曲が終わってからも前の曲に浸っているコメントが長らく入ってくるんですよね。その時差もちょっと面白かったです(笑)。
――そろそろ次の曲始まるんだけど、みたいな。
そんな感じですね!
――そんなライブの1ヶ月前の4月1日、今回リリースされる「#HASHTAG ME」のきっかけとなる動画がアップされましたね。
そうなんですよ。私がラッパー風の服装で登場する「私、大橋彩香辞めます。」ってタイトルの動画が。その中でラッパーとしてデビューすること宣言をするという。エイプリルフールの嘘動画なんですけどね(笑)。
――どういった経緯でこの動画がアップされることになったかを伺ってもいいですか?
1月にリリースさせていただいた「にゃんだーわんだーデイズ」という楽曲でちょっとラップっぽいことをやらせていただいていたんですよ。その楽曲についてのインタビューで「いつか本格的なラップもやってみたいですね」と言ったのがことの始まりでして。
――そこから発展して今回の動画が制作されることになったということですね。
そうなんです、エイプリルフールが近いので、こういう動画アップしませんか、という提案をいただいて。でも提案をいただいた時にはもっと遊びっぽい感じだと思っていたんですよ。そうしたら本格的な楽曲制作に始まりMVまで作る大きなプロジェテクトになって…。
――想像を超えた形になっていったと言うことですね。
そうなんですよ。何せ始まりはエイプリルフールにアップした動画ですからね。そこからこんなに長いお付き合いとなるプロジェクトが動き出すなんて思ってもいませんでしたよ。それもはっしーの日である8月4日にリリースされるという。
――動画ではラッパー風の装いの大橋さんもみることができますが、周りからの反響はいかがでしたか?
あの時の私、みんなからハシアナグランデって呼ばれてるんですよ(笑)。なんかなりきれていたんだな、と思いますね。
――ハシアナグランデ、語呂がいいですね(笑)。
私もそう思います(笑)。でも正直なところあれ見て皆さんがビックリするか不安だったんです。「私、大橋彩香辞めます。」なんて言ったら「じゃあ俺、ファン辞めます。」とかって人が出てくるんじゃないかと思って。
――そんなハシアナグランデに変身してみての印象はいかがでしたか。
恥ずかしかったですね。私どうしてもかっこつけていると自分に対して恥ずかしさが込み上げてしまうんですよ。声優として演技をするのであれば大丈夫なんですけど、自分自身のビジュアル込みでかっこいい感じとなるとどうしても。羞恥心が襲ってきてもう笑ってしまってNG連発でした(笑)。
――完全に変身しきるのは難しかった。
そうですね、別人格の自分という体ではいたつもりなんですけど、すぐ元の人格に戻ってしまいました。
――確かに大橋さんの活発で可愛いというイメージとは離れた印象のあるキャラクターでしたからね。
そうですね、やさぐれた役を演じたこともあまりないですし。ただ実際の私は結構グデグデしてるんですよ。
――結果的には今回ラップに挑戦するということとなりましたが、ラップと言うものに対してはどういった印象をお持ちでしたか。
以前から声優としてお仕事をする上で外せないものになりつつある感じはしていたんですよ。ラップコンテンツも増えてきましたし、ソロ楽曲でラップされる方もいらっしゃいますから。なので何があってもいいように準備はしておかないと、なんてことは以前から思っていたんです。
――そこから実際にラップに挑戦することになったんですね。今回の曲を聴いてみての印象はいかがでしたか?
最初は歌の入っていない曲だけが届いて聴いたんですよ。なので第一印象は「あれ、ラップどこに行った!?」でしたね。曲だけ聴いたらどこにラップが入るか全然分からなくって「普通にいい曲だな!」と思いながら聴きました。そのあとブラッシュアップしてラップを入れていきました。
――今回作曲を手掛けられているTAKAROTさんにはこれまでの楽曲を提供していただいてきていますが、これまでの曲との違いを感じる部分はありましたか?
TAKAROTさんにはいつもダンスナンバーでお世話になっているんですけれど、今回もその部分は一貫していると思いましたね。ただ、今回は可愛いながらもいつもよりゴリっとしている気はしました。ラップ感に寄せていただいてるんだな、と思って。
――そこに今回の歌詞が乗ってきたわけですね。
そうなんです、すごく濃い歌詞が乗ったと思いますね。これまでの私の歌では出てきたことないような言葉がたくさん並んでいるわけなんですよ。中には四字熟語もあればギャルっぽい造語もあったり、流行語みたいなのも入っていたりとかして。聴いただけで時代がわかるような歌詞になったな、と感じました。
――確かにこれまでの大橋さんの楽曲では見られないような言葉が多く出てきていますね。
なんかそういうもので女の子の可愛いところを凝縮して表現しているのを感じるんですよね。
――そんな特徴的な言葉の中で印象に残っている歌詞はありますか?
忘れられないのはやっぱラップパートの最後の「ありよりのあり~!」ですね。歌詞として出てくるのも初めて見ましたし、それをかっこよく言わなければいけないっていうのもすごい印象的で。「ありよりのあり~!」って能天気の言う言葉だと思っていましたから。
――ラップのパートではかなり印象的な形での自己紹介もありましたね。
もともと自己紹介をラップでやったら面白いんじゃないか、というアイディアは出ていたんですよ。でもまさかこんなに率直な自己紹介が出てくるのはちょっと予想外でした。「B-I-G BRIDGE の大橋です」ですからね。
――そんな今回の楽曲、タイトルが「#HASHTAG ME」ということでハッシュタグをつけて欲しいということが曲全体テーマとなっています。
最近は自分の興味あるものをハッシュタグでチェックしたり、同じハッシュタグつけている人同士で交流があったりするじゃないですか。そういう若い人の文化を歌にしている感じですよね。
――大橋さんから見ても若い人の文化だと感じるんですね。
そうなんですよ。私、今回は割と歌詞の世界についていくの必死でした。若い人が聴いたらスッと歌詞が入ってくるんだろうな、とか考えながら歌っていましたね。
――こういった若い人のギャル的な文化に対して大橋さんの内面と通ずる部分があったりはしませんでしたか?
これが全く。私、ギャルだったことが全然ないんですよ。渋谷とかルーズソックスとかこわいと思っていましたから(笑)。ブラウスのボタンを開けすぎている人とかと全然話せなかったですし。でも憧れみたいなのはあってギャルごっことかはやってました、小学生の時。
――小学生の時で止まっているんですね(笑)。
そうですね、でもごっこ遊びで止まって全然自分には馴染まなかったのでそれっきりです。クラスメイトにはギャルで渋谷で有名みたいな人もいましたけど全く交流無かったな…。
――そうすると歌う時は全くの他人になりきって歌う感じだったと言うことですね。
キャラソンを歌うのに近い感覚で歌っていましたね。それも今回は一曲の中で3人出てきたみたいな感じ、一人ずつ順番にレコーディングしていきましたね。
――その中で一番苦戦したのは?
もちろんハシアナとして歌ったラップパートですね。もう苦戦するの目に見えていたんで最後に回してました(笑)。
――やはりそこは苦戦されたんですね。
もうなんか訳わからなかったです、何をしたらいいのか見失っちゃって。これまでも途中で少しラップパートが入ってくる楽曲は歌ってきたんですが、ここまでガッツリと入ってくると全然難易度が違いますね。今までカラオケでラップパートを飛ばしてきたツケが回ってきました。
――ツケが回ってきた(笑)。
まさに。今までカラオケとか行ってもラップパートとかくるとボーッとしてたんですよ。あの時ちょっとずつチャレンジしていれば今回こんなに苦戦しなかっただろうな、と思いました。
――ラップのパートではかなり低い声でラップしているのがすごく印象的でした。
なんか低い声じゃないとラップじゃないみたいな気がしていてずっと低い声で頑張ってみたんですよ。でもディレクションの時に低い声を出すことだけがラップじゃないよ、って指摘されたりして。模索しながら今の形に落ち着きました。
――模索をしていく中でラップのやりかたに広がりが出たりはしましたか?
そうですね。落差をつけたり、息っぽく言ってみたり、声を張ってみたり、いろんなやり方があるんだということを知れたんですけど。逆にそれを知ったら幅が出てきすぎて逆に何やっていいかわからないみたいになりましたね。
――ラップの奥深さの世界に一歩踏み込んだ感じだったんですね。
そうですね、何をやっても正解なんだっていうのをすごく感じて。ただあんまり詳しくない人はどんな引き出しを開ければいいのかもよくわからない。すごい巨大な図書館に迷い込んだみたいな感じでしたね。
――今回はその中でどのようにレコーディングを進めていきましたか?
ディレクターさんに導かれつつって感じでしたね。改めて、自分でその正解を作っていける人って本当にすごんだな、ということを実感しました。自分でも正解を導き出せるようにセンスを磨いていきたいな、とは思っていますね。
――ラップの道を探究していきたいというお気持ちはあるということなんですね。
極められたら面白いんだろうな、というのもすごく感じたので。低い声で韻踏んだりするだけがラップだと思ってたんですけどそうじゃない、もっとラップって幅広いものなんだということを今回すごく学びましたから。でも生半可踏み込んだら痛い目をみそうだな、とも思ってます。
――今回の楽曲はMVもかなりこれまでとは違ったテイストとなっていますね。
そうですね。実は今回のMV、撮影の時に何してるのかよくわからず撮影していたシーンがすごく多いんですよ。めちゃくちゃ風船割ったり、ひたすらいろんなポーズをとったり。それが一本のMVになったらすごく可愛いものに仕上がっていてびっくりしました。
――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?
ダンサーさんとも一緒に撮影をしていたんですが、MV中ではほとんど踊らずに女子同士でキャイキャイする感じですごく楽しかったですね。すごく女子としての可愛さが詰まっているMVになっていると思います。
――MVに加えてダンス動画も公開となりました。
私結構フリを覚えるの早いんですけど、今回飲み込みがすごく悪くて。なので結構難しい振付なんだろうな、と思っています。でもそこは皆さん頑張って覚えていただきたいですね。私も頑張ってラップというものを乗り越えてきたんで、皆さんにもこのダンスを乗り越えていただきたいです(笑)。
――覚えて来て、ライブで一緒に踊って欲しい、ということですね。
そうですね。この間ファンミーティングで披露させていただいたんですけど、結構皆さん難しいと言いつつも踊れていたので是非ライブでも一緒に踊りたいです。私もちゃんと踊れるようにしなきゃ、というプレッシャーは感じつつですけど(笑)。
――改めて今回の楽曲、そしてそこに繋がるまでの動画を通して大橋さんの魅力を再発見した方も多いと思います。
自分自身でも改めて、自分って素朴で、でもちょっとだけ輝きたいという気持ちで活動しているんだということを感じました。なので今回の楽曲もそうですし、今回のインタビューやエイプリルフールの動画など合わせて楽しんでもらえたら嬉しいと思っていますね。
――そんな大橋さん、今年も既に半分以上が経過しましたが残りをどのように過ごしていきたいですか?
はっしーの日である8月4日には「#HASHTAG ME」のリリースがあり、2日後にはアーティストデビュー7周年。9月には27歳の誕生日を迎えて11月にはライブブルーレイもリリースとアーティスト活動としても盛り盛りな半年になると思います。そんな中で皆さんとは是非とも楽しい旅をしていければと思っていますね。
――最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。
自分自身に対してもなんですが、皆さん身体に気をつけて過ごしてください。健康第一で、元気がなくなったら「#HASHTAG ME」含め私の曲を聴いていただいて、踊って、健康に過ごしてもらえればと思います。
インタビュー・文:一野大吾

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