【松尾Pの「ポンポさん」制作後記】
第4回　ニャリウッドとペーターゼン
フィルムの美術設定

　こんにちは。「映画大好きポンポさん」制作プロデューサーの松尾です。制作後記第4回は美術設定をご紹介します。

　美術設定は各シーンの舞台を絵で描きおこしていく作業です。本作ではニャリウッドで製作している本格的劇場作品を演出するために美術設定を多数制作しています。美術設定は美術の二嶋隆文さんにお願いしました。今回はニャリウッド～ペーターゼンフィルム周りにしぼってのご紹介です。

1.ニャリウッドサイン
まずはニャリウッドの象徴、ニャリウッドサインから着手していきました。

(c) 2020 杉谷庄吾【人間プラモ】／KADOKAWA／映画大好きポンポさん製作委員会2.ニャリウッド街全体図1
3.ニャリウッド街全体図2
どういったロケーションであるか、配置する建物を考慮にいれて話合いながら進めていきました。ニャリウッド街全体図ではペーターゼンフィルムの位置も確認できます。

4.ペーターゼンフィルム本社ビル外観
5.ペーターゼンフィルム本社ビル外観2
ペーターゼンフィルム本社ビルは実際のスタジオをモチーフにつくりあげていきました。ちょうど設定発注前にバンダイナムコエンターテインメントの富澤さんがアメリカ出張のさいにハリウッドで撮ってきてくれた写真があり、大変参考になりました。

6.ペーターゼンフィルム駐車場入り口
残念ながら本編には登場しなかったシーン。

(c) 2020 杉谷庄吾【人間プラモ】／KADOKAWA／映画大好きポンポさん製作委員会7.ペーターゼンフィルム　本社1Fエントランス
8.ペーターゼンフィルム　本社1Fエントランス
序盤で遅刻したジーンがナタリーとすれ違う場所ですね。受付や併設されているカフェなど節目節目で登場しています。

9.ペーターゼンフィルム　5F事務所
10.ペーターゼンフィルム　5F事務所　内側のドア参考
本作でいちばん露出が多い場所、ポンポさんのオフィスです。「ポンポさんが来ったぞー！」用のドアの設定は、ドアノブの形状を作画さんがしっかり理解できるよう作成しています。

11. ペーターゼンフィルム　5F事務所　扉の外側
そのドアの扉の外側にある部屋（冒頭でマーティン・ブラドックが座っている部屋）の本棚には前回紹介した越阪部さんの2Dデザインが生かされています。ぜひ本編で確認してみてください。

(c) 2020 杉谷庄吾【人間プラモ】／KADOKAWA／映画大好きポンポさん製作委員会12. ペーターゼンフィルム 編集室
13. ペーターゼンフィルム 編集室　机の寄り
編集室は本作の編集担当ルナパルクの今井剛さんのオフィスを参考に作成。編集機は今井さん愛用のAVIDをモチーフにしています。

14. ペーターゼンフィルム　撮影スタジオ
15. ペーターゼンフィルム　撮影スタジオ（プールの裏側）
ペーターゼンフィルム　撮影スタジオ。ハリウッドで活躍している日本人プロデューサーさんにヒアリングし、実際に送っていただいた現場写真から着想を得ています。ディレクターズチェアもその時に確認し、マストで配置することになりました。緻密なパーツは二嶋さんご自身がCGを利用して作成しています。

■お知らせ
　7月10日から東京・立川シネマシティさんで、ポンポさんプロデュース上映がはじまります！　ポンポさんとジーンの好きな映画3本のなかから1本ずつを特別上映します。

ポンポさんが【極音】をプロデュース
https://ccnews.cinemacity.co.jp/pompo-produced-goku-on/?fbclid=IwAR0_r3J3Tql7fq7f1HwfCrZScdwfb5E3ol32YqjytIbNWV1DPO-BXkM9iXY

7月10～16日　デイミアン・チャゼル監督 「セッション」
7月17～23日　マーティン・スコセッシ監督 「タクシードライバー」

　特に「タクシードライバー」は35mmフィルム上映です。この先、フィルムで見られるタイミングはなかなかありませんのでこの機会にぜひ！

【関連リンク】・平尾隆之と今井剛が語る「映画大好きポンポさん」映像編集の世界（前編）