【ZOC インタビュー】
これがZOCの1stアルバムで、
これからZOCがやっていくべきこと
鎮目のどかを新メンバーに迎え、“ZOC Disc2”が始動した。新体制初となるメジャー1stフルアルバム『PvP』は新曲に加え、インディーズ時代の名曲もリアレンジを施し収録。聴き手の人生に寄り添い、生きる意味をとことん肯定してくれる本作に彼女たちが込めた強い想いを最新の声とともにお届けしよう。
これからZOCがやっていくべきことが
音になっている
まずは新メンバーの鎮目のどかさんについてなのですが、オーディションで彼女を選んだ一番の決め手は何でしたか?
大森
会った時から胸を張って自分から“ここが居場所です”と言っていたのがのどかちゃんだったんです。オーディションを受けてくれたみなさん、“ZOCに憧れてます”とか“入りたいです”とZOCを目標にしてくださってたんですけど、のどかちゃんは“ここにいるイメージがあって歌いに来ました。ここが居場所だと思ったのでよろしくお願いします”と言っていて。そう言われると“そうなのか”と感じちゃった部分もあったし。でも、堂々と歌ってくれたというのが一番大きいです。あと、私は愛媛県出身で学生時代は愛媛にいたんですね。のどかちゃんは愛知県出身なんですけど、“私はずっとここにいるのかな?” “このままでいいのかな?” “これが本当の私なのかな?”と私が地元にいた時と同じような悩みを持っていて。似てる部分がある人は共鳴できるし、のどかちゃんはそれを解放したいと言ってたんです。それだったらその手助けにはこのグループはとても向いていると思ったんです。アイドルになってキラキラしたいというのではなく、自分を解放したいということを活動のモチベーションとして持ってくれていたので、のどかちゃんと一緒にステージに立ちたいとも思ったし。
パンチ力があるメンバーが立て続けに卒業したので、新メンバーは相当パンチ力を持った人を選ぶだろうと思っていたんですよね。
大森
精神的なパンチ力は相当あると思いますよ。根性が座ってるので。
そんな鎮目さん、自己紹介をお願いします。
鎮目
はい。鎮目のどか、15歳です。愛知県出身です。血液型はA型。天秤座です。
初々しくて可愛いですね! ZOCに入りたいと思った一番の理由は?
鎮目
ZOCを観た時に、何か感じるものがあって。ただ“カッコ良い”とか“可愛い”だけじゃなくて、考え方に憧れを持ったので入りたいと思いました。
では、ここからはアルバムについてうかがっていきます。まずはアルバム用の衣装について。衣装には自分が輝けるモチーフがそれぞれ刺繍されていると聞きました。なぜそのモチーフを選んだのかをそれぞれ解説していただけますか?
大森
私はチュべローズとハミングバードを入れました。チュベローズは香水などに使われるお花なんですが、夜にしか香らないんですよ。花言葉は“官能的”とか“危険な関係”。ハミンバードは同名のアコースティックギターを使っていて、ギターに入ってるハチドリの彫刻は自分のモチーフとしてずっとお気に入りなんです。他の鳥は羽ばたいて飛ぶんですけど、ハチドリはヘリコプターのホバリングのように羽をグルグル回転させるという謎の飛び方をしていて、鳥の中で唯一後ろ向きで飛べるんですよ。そういうところが私はカッコ良いと思って入れました。
藍染
私は薔薇とハートを組み合わせたモチーフにしました。私は自分の理想に自分を押し込むことが好きなので、自分に似合うというよりも自分が理想とする花という意味で、普段もよく絵文字で使うことが多い薔薇を選んで。ハートは…私にはすごく熱苦しい部分があって、そこがコンプレックスなんですけど、嫌いじゃないので“アツい心を胸に”という意味で入れました。って、言葉にするとめっちゃ恥ずかしい(笑)。
雅雀
私は十字架を背負った蜘蛛が刺繍されていて、十字架の真ん中は蛇になっています。基本的に私は中学生の頃から中二病で、黒魔術をずっと使ってみたいと思ってたんです。その頃は友達がいなかったんで、教室の隅で魔術書を読みながら、ずっと黒魔術が使えるようになるための呼吸法を練習してたんですね。黒魔術が使えたらカッコ良いんじゃないかというのは今でも思っていて。誰もできないことができるようになりたいんですよ。そういうものがベースにあるので、こういうデザインになりました。
巫
私は自分で選ぶのではなくて、自分のイメージでとお願いしたら、マーガレットと蜂になりました。もともと“野に咲く系の花”や“派手な花よりは小花が好き”という話はしていたので可愛くて嬉しかったです。マーガレットの花言葉に “信頼”という言葉があるんですけど、私のソロ曲(「まろまろ浄土」)に《安全☆信頼 まろまろ浄土》という歌詞があって、これは運命的だと思いました。信頼される人になりたいですね(笑顔)。
藍染
みんなの生地に使われていてね。生地の柄としてにっちゃん(西井の愛称)のサインが所々に入ってるんですよ。
西井
衣装担当さんから“いい柄ありますか?”って言われてサインを書いただけだったんです。衣装が出来上がって、みんなで集まってみたら他のメンバーのスカートに私のサインが入っていて。だから、衣装担当さんに“なんでですか?”って訊いたら“かたちが良かったから使わせてもらいました”って。
西井
うん。このサインは私が小学生の時、授業中にティッシュに書いてクラスメイトに配ってたものなんですよ。芸能活動する前から考えてたサインだから、長年書いてた分、思い入れはあります。
鎮目
私はデザイナーさんと直接お話をしてクラゲに決めたんです。その時はクラゲはきれいだし、見てて気持ち良いからそうしたんですけど、クラゲの意味を調べてみたら“人間よりも進化が止まらない生き物”って書いてあったので、私も退化せずにずっと進化し続ける人間でありたいと思います。
続けて『PvP』について詳しく訊いていきたいと思います。ヤバイです。号泣しました。
Disc1のM09「FLY IN THE DEEPRIVER」、M10「(1)(4)才」(※)とディープゾーンへ堕ちたあとのM11「A INNOCENCE PvP版」の《誰にもいえない人生を 抱きしめさせてよ》《やり直さない消さなくていい/そのままで素敵な君なんだ》のところが堪らなかったです。
大森
嬉しい! 分かり合える人だと思います(笑顔)。
アルバムに真剣に向き合えば向き合うほど、自分の中の中まで掘り起こされるようなヒリヒリした感覚があって。そこがロックだなと思いました。
そうやって孤独な自己と向き合う音楽、それがZOCなんだと感じました。それをマジックミラーを使って撮影した今回のアーティスト写真でも表現しているのかなと思ったのですが。
藍染
私たちが説明しなくてもいいぐらいにいいことを言ってくださって。
そんな今作のDisc1とDisc2のコンセプト、関係性について教えてもらえますか?
大森
ZOCの1stアルバムなので、Disc1はこれだけでも一枚の作品として完結するものとして作っていて、Disc2はゲーム性、ZOC自体のコンセプトが音で伝わるものになっています。なので、Disc2は昔から一緒にやってきた鈴木大記くんにアレンジしてもらってるものが多くて、“これがZOCだよね”という音になってるんですよ。対して、Disc1のほうはいろんなアレンジャーさんに参加いただくことで、これからZOCがやっていくべきことというのが音になっていて。“これがZOCの1stアルバムで、これからZOCがやっていく仕事です”というものが分かる内容になってます。
※「(1)(4)才」の1と4は〇の中に数字が正式表記