Lyrical Lily×Merm4id、普段出会わ
ない2組が共にフロアを盛り上げた『
NYAN-NYAN SHAKE!』レポート

2021.4.24(Sat)『Lyrical Lily✕Merm4id 合同LIVE NYAN-NYAN SHAKE!』@Zepp Haneda
クラブの良いところは普段関わらない人や出会えない人に出会えるという点だろう。今回のLyrical LilyとMerm4idによる合同ライブ『NYAN-NYAN SHAKE!』は、ライブも清楚なお嬢様と開放的なお姉さんという接点が無いように思える2ユニットが出会って科学反応が起こったステージとなった。本レポートではそんな夜公演の様子をお届けしていく。
■開放感たっぷりのMerm4idからスタート
まずはMerm4idのターンからライブがスタート。本ユニットは、瀬戸リカ(CV.平嶋夏海)、水島茉莉花(CV.岡田夢以)、日高さおり(CV.葉月ひまり)、松山ダリア(CV.根岸 愛)からなるセレブを目指す女子大生ユニット、夏の日差しを感じさせる開放的な衣装に身を包み4人がステージに登場する。
さおりが「盛り上がっていきましょう!」と会場に呼びかけると「治安悪化だね!」と茉莉花が嬉しそうに盛り上がる姿に「それ自分たちで言っちゃう?」とダリアが思わず笑いながらツッコミを入れる。「治安悪化」という仰々しい言葉に「ダメだよ危ないよ!」と真面目なさおりが制するも「褒め言葉だよね!」とリカがウインクを飛ばす。そんな微笑ましいやりとりに思わず見ているこちらも笑みがこぼれてしまう。
そんなやりとりに困惑気味のさおりに「まとめちゃって!」とリカから無茶振りが飛んでくる。「先輩の私たちが熱く盛り上げちゃうのでみなさん楽しんでくださいね!」と真面目に挨拶をすると「堅い!」とメンバーからツッコミがやってくる。そこで「ウインクとかしてみたら?」と次々と投げキッスやウインクをさおりにレクチャー。照れながらもウインクを客席に飛ばすさおりに「可愛い〜!」と悶絶するメンバー。
終始和やかな雰囲気で進行しているが、1曲目の「ING」がかかると無邪気な表情が一変。大人の色気を醸し出しフロアの視線を奪ってしまう。<限界まで魅せてあげるLOVE>で足のラインをチラッと魅せつける妖艶な仕草にはくらっときてしまう。先ほどまで無邪気にはしゃいでいた姿は見る影もない。サビの<Jumping Jumping Jumping 飛び上れFloor>で自分たちも飛び跳ね、客席を煽り、最初からアクセル全開で盛り上げていき、ダリアのラップパートは唸ってしまう。盛り上がる要素がこれでもかと詰め込まれた楽曲だ。
その後も4曲ノンストップで飛び跳ねフロアを盛り上げる。「Make some noise!」では妖艶に腰を揺らしてフロアを右に左に自由に踊ったかと思いきや、80年代のディスコを彷彿とさせる「Princess advent」へと繋いで、手をジュリアナの扇子のように手を舞わせ踊りまくる。さおりのスクラッチパートもとても印象的で、先ほどまで戸惑っていた姿は見る影もなく、堂々とパフォーマンスを披露する。そして「round and round」ではタイトルの通りクルクルと回り、茉莉花のぼやきラップで会場を盛り上げた。ここまでの楽曲全てがEDMのアゲ曲なのが凄まじい。2階席で座ってライブを見ていたのだが、気付いたら身体が動いてしまう。立ち上がって飛び跳ねたくなってしまう衝動を抑えながら楽曲を楽しんだ。
MCでは「さおりにも下に降りて歌ってほしくない?」と観客を煽り、日本とシンガポールの外交関係樹立55周年を記念したコラボイベント開催を記念し、シンガポールをイメージして制作されたこれからの時期にぴったりなトロピカルでセクシーな新曲「S.T.O.P.!」でフロアと一緒に弾けたかと思うとBPMを上げて「High tension BPM」へと突入。手をクロスさせながら煽りを入れる姿に観客のテンションは最高潮になったところで「Floor Killer」へと突入。タイトルの通りフロアを支配してステージを締めくくった。
■テンションMAXでLyrical Lilyへ
次はLyrical Lilyのステージへと突入。桜田美夢(CV.反田葉月)、 春日春奈(CV.進藤あまね)、白鳥胡桃(CV.深川瑠華)、竹下みいこ(CV.渡瀬結月)の4名で結成された本ユニット。お嬢様学校に通っているメンバーたちは、白色で清楚な制服に身を包んで登場。
春奈が「Merm4idさんからいただいたバトンを引き継いで皆様に……」と語っていると胡桃から「だからいいんちょ、堅いってば!」とツッコミが入る。みいこが「春奈ちゃんもウインクするの!」と煽ると戸惑って美夢に助けを求める微笑ましい一幕が巻き起こる。先ほどの治安の悪さとは一転したステージとなりそうだ。
ライブは「プティプランス」からスタートし、「月に萌える」へと続いていく。先ほどとは違い、お嬢様学校らしく、文学作品を引用した叙情的な歌詞が特徴的だ。照明も楽曲に合わせてキラキラと輝き、夜空の星や月を彷彿とさせていたのが印象的だった。
その後は春奈の「準備はよろしくって?」という煽りからカバーソングが続いていく。カバー曲「ふ・れ・ん・ど・し・た・い」から始まり、ホロライブの「Shiny Smily Story」へと繋げると会場のボルテージが高まる。さらに春奈のスクラッチを挟んで「サクラサク」へとつながる。配信ライブ上ではコメントで桜の花の絵文字が咲き誇りオンラインでもステージを盛り上げていた。そして空気が一変し、「Agapё」へ。切ないメロディとLyrical Lilyの歌声がマッチしてエモーショナルな気持ちにさせてくれた。楽曲の終盤には汽笛の音が鳴り「銀河鉄道の夜に」へと続いて幻想的な空間へと変わる。楽曲の流れはバッチリだ。
叙情的な雰囲気のままで終わらないのがLyrical Lilyのおもしろさだ。「創傷イノセンス」で鋭さも魅せつけ、さらにフロアをかき乱してくれる。予定調和だけではない面白さがフロアの視線を集めるのだろう。
その後は、全肯定ソング「人間合格!!!!」へ。「三三一一三七拍子」を煽り、会場全体がメンバーの「合格でーす!」という賛辞の掛け声と手拍子に包まれた。その後もキュートな「汚れっちまった悲しみの色」へと続き、ラストは「吾輩よ猫であれ」で会場全体で”にゃんにゃん”して締めくくった。
イベントの最後にはタイトルの「NYAN-NYAN SHAKE!」にちなんでMerm4idの「BOOM-BOOM SHAKE!」を共に踊る。「BOOM-BOOM暴れてよろしくってよ!」との掛け声ののち、一夜限りの治安の悪いLyrical Lilyを楽しむことができた。
いつもは交わらない2組が一緒にライブを開催することでお互いの新しい一面を発見することができたライブとなった。今後も彼女たちがどのように成長していくのか目が離せない。
レポート・文=波多野彩花 写真=福岡諒祠・池上夢貢(GEKKO)
(c)bushiroad All Rights Reserved.

アーティスト

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着